【問題点】
●産業・雇用の空洞化
●外国からの投資のジャパン・パッシング



上のような問題点を受けて、「日本国内の雇用を守ろう」「外国から日本へ投資を呼び込もう」と叫ばれています。

この時に、「トヨタや日産など自動車工場の雇用」「シャープなどの家電メーカーの国内設備への投資」のように日系企業が注目されます。しかし、少し見方を変えると外資系企業の日本法人こそがこれを一番本気で考えていると言えるかもしれません。

日系企業のトップが考えることは企業全体の利益です。ですので彼らは国内生産に競争力が無いと判断すれば競争力のある海外で生産しようとドライに割り切れます。責任範囲が日本国内に限定されないからこそ外へ出ていく選択をできます。

一方、外資系企業の日本法人の責任範囲は日本国内です。外資系日本法人が考えるのは日本で自分たちの地位を守ることです。中国の事業活動は中国法人の担当なので、外に出ていくという選択肢はありません。

日本IBMで社長を務めていた椎名武雄氏が言った有名な言葉で、"Sell IBM in Japan, sell Japan in IBM"という言葉があります。

この言葉が示すように「日本で市場を拡大して売り上げを増やそう」「競争力があるということを示して海外本社から来年度の予算を確保しよう」と必死で働きます。
日本法人は外国本社に対して日本法人がどれだけ素晴らしいパフォーマンスを残しているかを示すために努力するのです。
そうしないと、日本法人のリストラが待っています。

このような視点で考えてみると、外資系企業の日本法人こそが日本における雇用や投資を確保することに一番必死と言えるのかもしれません。

 ※あくまで一つの見方です


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