就活生組合の会則に目を通してみるといろいろな気になる点が見えてきます。

大きいのは(1)ですが、(2)、(3)もビジネスセンスとして非常に気になります。
 (1)就活生組合は代表及び執行役員の占有物。組合員は奉公人
 (2)インターネット組合員の募集方法
 (3)脱退方法



(1)就活生組合は代表及び執行役員の占有物。組合員は奉公人
会則第六条の記述
【執行役員会】本組合は、その運営に関する案件に際して、一人以上の執行委員の発議により執行委員会を招集し、その決議を基に運営を行う。
第二項 執行役員会は、全執行役員の四分の三の参加をもって成立する。
第三項 規約の変更は、全執行役員の賛同を必要とする。
第四項 執行役員の交代は、全執行役員の賛同を必要とする。
第五項 執行役員の罷免は、当該の執行役員を除く全執行役員の賛同を必要とする。なお、罷免決議の対象となる執行役員は、一回の決議につき一人までとする。
第六項 その他の決議は、執行役員の過半数の賛同を必要とする。

会則第七条の記述
【組合員総会】本組合員および執行役員は、組合員総会を招集する権利を有する。
第二項 組合員総会は、組合員の過半数の参加をもって成立する。
第三項 組合員総会の決議は、その参加者の三分の二以上の賛同を必要とする。
第四項 組合員総会で決議された案件は、可及的速やかに執行役員会で議題とされなくてはならない。また、この案件に関する執行役員会の決議は、速やかに全組合員に告知されなくてはならない。

会則第四条第二項の記述
第二項 代表は本組合の最高責任者として、本組合の運営において最終決定権を有する。

就活生組合は代表及び執行役員会(委員会)が完全に支配する団体です。
参加者の2/3以上の賛同を得ることで組合員総会決議を行えますが、それは執行役員会の議題にあげる権利だけしかありません。
組合員総会で2/3の賛同を得て執行役員の罷免が議決されても執行役員にて否決できます。これに対して組合員は何ら異議を申し立てる権利を有していません。
そもそも執行役員会の内容は組合員総会で決議された案件以外は開示する義務がなく、執行役員会は密室会議です。
そして、運営に対する最終決定権は代表が持つということですから、最後には代表の一言で全てを覆せます。

普通の労働組合であれば、組合員は決議に参加する権利、役員を選挙・弾劾する権利、会計を監査する権利などを有します。そして、最高の意思決定機関は組合員総会などです。
しかし、この就活生組合は全く違います。

何ら拘束力が無い提案をするだけならば、非組合員でもtwitterやメールなどで提案できます。事実上、組合員には就活生組合の運営に対して意見する権利はありません。一方、代表や執行役員はデモや執行役員たちが決めたルール案などを外部に発信する時には組合員の数として使われます。


「弱者」が、その権利を守る代表的な方法は「団結」すること―すなわち「就活生組合」を結成すること―です。
いまこそ、就活生同士のつまらぬいさかいをやめ、就活生同士が団結し、その共通の利益を主張していくべき時なのです。
すべての就活生が「就活生組合の組合員」となり、就活生の地位が向上することを願って、挨拶にかえさせていただきます。
代表挨拶」では、このように書かれていますが、この挨拶と会則には大きなギャップがあります。
就活生組合に所属しても何ら意見を発信する権利はありません。その上、代表や執行役員の意にそぐわないものは会則五条二項にある「執行役員の過半数の賛同をもって当該の組合員に対し除名を含む処分を行う」で処分対象です。

「彼ら4人に尽くしたいか。彼らの考えを疑うことなくついていけるか」
これが組合員なれるかどうかの重要な基準と考えた方が良さそうです。



(2)インターネット組合員の募集方法が不明
組合員募集ページのインターネット組合員の項目にある記述↓
インターネット組合員登録は、就活生組合公式Twitterアカウントの該当ツイートをリツイートし、フォローするだけです。他に面倒な手続きは必要ありませんし、金銭的な負担は一切ありません。

会則第五条第四項の記述↓
正組合員またはインターネット組合員となることを希望する者は、本組合に対しメールまたはツイッターでその意思を表明すること。その後、執行役員の過半数の賛同をもってその者の本組合への加入が認められるものとする。

この2つには矛盾があります。
組合員募集のページの説明だと、就活生組合のアカウントの該当ツイートをリツイートしてフォローすると自動的に会員にされるとのことですから、参加の意思は関係ありませんし、執行役員の許可は不要です。
一方、会則を見ると意思を表明した上で、さらに執行役員の賛同が無くては参加できません。そして、アカウントフォローやリツイートは不要です。

仮に組合員募集ページの説明が正しいとすると、これは問題ではないでしょうか。twitterでアカウントをフォローしてリツイートしただけで自動的に組合員登録されてしまいます。twitterの標準機能を利用すると会員登録されるという仕組みは疑問があります。
一般企業がこのような手順で会員登録をしていたら大問題でしょう。


(3)脱退方法
会則第五条第五項の記述
正組合員またはインターネット組合員で本組合から脱退することを希望する者は、本組合に対しメールまたはツイッターでその意思を表明すること。執行役員はこれに対して慰留する権利を有する。

脱退希望者は意思表示をせよとは書いてあるが、脱退できるかは不明です。わざわざ執行委員は慰留する権利を有すると書いてあることから、執行役員が承認が必要でしょうか?
これうぃインターネット会員の登録方法と組み合わせると強力な蟻地獄です。リツイートしてフォローしたら強制的に組合員登録され、執行役員の慰留によって脱退できません。就活生組合が賛同者の数を増やしたい(水増ししたい)と思った時には、この手を使いそうです。


(2)(3)は細かい話かもしれませんが、ビジネスセンスを疑います。悪徳企業が使うような手口です。
他にも、「会計が会計部長(=執行役員)によってなされ、承認するのは執行役員で、会計報告を求めることができるのは執行役員のみ」などいろいろビジネスセンスを疑う話は出てきます。


どうも今の就活生組合の組織や規則を見ると、就活生組合が毛嫌いして打倒を目指すような独裁オーナー経営企業のように思えて仕方ありません。
一歩間違えれば(?)、カリスマ経営者によるカリスマ経営企業ですが、どうなるでしょう。

がんばれ、就活生組合。


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