「インデックスファンドを持って長期保有していると市場(全投資家)の平均を取れる」

こんな話があります。私もこのようなことを言っています。
しかし、少し考えてみるとこれは正確ではない、と思うわけです。

簡単なシミュレーションをしてみます。

【シミュレーションで使うモデルの前提条件】
 ・A,B,C,Dの4つの株式で市場が構成されている
 ・ある時点(T0)での株価はA,B,C,D全て同じ
  →株価単純平均インデックスではA,B,C.Dに均等投資
 ・T0における時価総額は、A=400,B=300,C=200,D=100(市場全体=1000)
 ・インデックス投資は以下の2種類のインデックス投資を想定する
  1. 総額インデックス投資
  2. 株価単純平均インデックス投資
 ・それぞれのインデック運用のシェアは10%ずつ
  →アクティブ運用の比率は80%
Index_Active試算_0
(参考)日本株の代表指数であるTOPIXと日経平均で、時価総額に"近い"のがTOPIX、単純平均に"近い"のが日経平均です。


上記の条件で4パターンのシミュレーションをしてみます。
≪パターン1≫時価総額が小さい株が上昇した場合
≪パターン2≫時価総額が大きい株が上昇した場合
≪パターン3≫時価総額が小さい株が下落した場合
≪パターン4≫時価総額が大きい株が下落した場合



≪パターン1≫時価総額が小さい株が上昇した場合
Index_Active試算_1
市場平均 +10%
時価総額インデックス +10%
単純平均インデックス +25%
アクティブ +8.1%

このような結果になりました。
時価総額インデックス=市場平均ですが、単純平均インデックスは+25%と大きく市場平均を上回っています。そして、アクティブは+8.1%と市場平均を下回っています。
インデックス全体vsアクティブで考えると、【+17.5%(インデックス) vs +8.1%(アクティブ)】です。

≪パターン2≫時価総額が大きい株が上昇した場合
Index_Active試算_2
市場平均 +40%
時価総額インデックス +40%
単純平均インデックス +25%
アクティブ +41.9%

今度は単純平均インデックスが+25%と市場平均を大きく下回り、アクティブは+41.9%と市場平均を上回りました。
インデックス全体vsアクティブで考えると、【+32.5%(インデックス) vs +41.9%(アクティブ)】です。


おまけで、株価が下がった場合も検証してみます。

≪パターン3≫時価総額が小さい株が下落した場合
Index_Active試算_3
市場平均 -5%
時価総額インデックス -5%
単純平均インデックス -12.5%
アクティブ -4.1%

相変わらず時価総額インデックス=市場平均ですが、単純平均インデックスは-12.5%と市場平均を大きく下回り、アクティブは-4.1%と市場平均を上回りました。
インデックス全体vsアクティブで考えると、【-8.75%(インデックス) vs -4.1%(アクティブ)】です。

≪パターン4≫時価総額が大きい株が下落した場合
Index_Active試算_4

市場平均 -20%
時価総額インデックス -20%
単純平均インデックス -12.5%
アクティブ -20.9%

単純平均インデックスは-12.5%と市場平均を大きく上回り、アクティブは-20.9%と市場平均より悪い成績に。
インデックス全体vsアクティブで考えると、【-16.25%(インデックス) vs -20.9%(アクティブ)】です。


このシミュレーションの結果から考えると、「市場の時価総額が+40%になると運用者全体の資産が+40%になる。パッシブは平均だから+40%、アクティブ全体も+40%。」という話はちょっと違うようです。

純粋な時価総額インデックスの場合は市場平均に追従できそう・・・・・・長くなったので、今回はここまで。


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