資産倍増プロジェクトで追加ファンド第2弾と決まった3ファンドの追加情報がありました。

期待値は低かったのですが、いい意味で期待を裏切ってくれました
特に注目はネット証券専用ファンドシリーズAR国内バリュー株式ファンド(サムライバリュー)です。


●AR国内バリュー株式ファンド(サムライバリュー)
・申込手数料: ノーロード
・信託報酬: 1.2915%(税込)
・信託財産留保額: 0.05% (解約時)
・決算: 年1回 (7月22日)

運用方針は「わが国の株式と株価指数先物取引を組み合わせた運用により絶対収益の獲得を目指します。わが国の中小型バリュー株式を主要投資対象とします。」とのことです。
具体的には「わが国の株式を買建てると同時に、株価指数先物(TOPIX先物等)の売建てを積極的に活用し、株式実質組入比率(現物株式と株価指数先物の合計の組入比率)を、原則として0%から20%の範囲内でコントロールします。」という記述があります。

非常に面白い試みです。
特定銘柄を購入して同額分マーケット(TOPIX先物等)を売るということは、アルファを狙ったマーケットニュートラル戦略ということでしょう。
ヘッジファンドの運用スタイルのうちてベータを取り除いてアルファを狙う戦略には興味があります。また、その戦略がここまでシンプルに書かれているファンドも多くありません。

「日本にだっていい会社はある。しかし、全体的に日本株マーケットが下がってしまうとそのいい会社の株まで下がってしまうから日本株には投資しづらい。」という人が、コストに納得できて、銘柄選定代理人たるファンドマネージャに銘柄発掘をお願いできると思えば、投資先として検討して良いファンドでしょう。


他2つのファンド

●野村グローバル・ロング・ショート
・申込手数料: ノーロード
・信託報酬: 1.6275%(税込) + 成功報酬(ハイウォーターマーク超過分の20%)
・信託財産留保額: 0.1% (解約時)
・決算: 年1回 (3月5日)

主として内外の短期有価証券に投資し安定した収益の確保を目指すとともに、世界主要国の有価証券先物取引等および為替予約取引等の積極的な活用により、日本円の短期金利水準を上回る収益の獲得を目指して積極的な運用を行なう」という運用方針で、主に「グローバル・アセット・モデル・ファンド マザーファンド」に投資するファミリーファンド形式とのことです。

グローバル・アセット・モデル・ファンド マザーファンドを使ったファミリーファンドとしては、すでに「野村ファンドラップ オルタナティブ グローバル・アセット・モデル」「野村グローバル・アセット・モデル・ファンド(野村SMA向け)」などがありますので、この一般販売というイメージでとらえておけばよさそうです。
  ※野村ファンドラップ オルタナティブ グローバル・アセット・モデルはマザーファンドへの投資割合が60%弱
  ※野村グローバル・アセット・モデル・ファンド(野村SMA向け)はマザーファンドへの投資割合が90%超

なお、EDINETによると「外貨についてはネット・ポジションを円換算した額がマザーファンド純資産総額の±60%以内となるように、相対的な評価によるロング・ショート・ポジションを構築します。」とあるので、前者の野村ファンドラップ オルタナティブ グローバル・アセット・モデルが参考になりそうです。


●アジア新興国株式インデックス
・申込手数料: ノーロード
・信託報酬: 0.6825%(税込)
・信託財産留保額: 0.3% (解約時)
・決算: 年1回 (11月10日)

MSCIエマージング・マーケット・アジア・インデックス(円換算ベース)に連動する投資成果を目指すインデックスファンド」とのことです。
このファンドはアジアの新興国株式を対象としたインデックスファンドということもあり、極めてシンプルです。
コストは0.6825%と新興国インデックスファンドとしてはかなり安い部類に入るでしょう。
ただし、比較されるライバルになりそうなeMAXIS新興国株式の信託報酬が0.63%なので、コストで訴求することは厳しそうです。
21世紀はアジアの世紀と捉えて、アジアへ重点投資したい人向けのファンドでしょうか。(ブラジルは過去の事例からも信用ならない、東欧はEUとの道づれで期待できない・・・と考えるなら有り)


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