資産倍増プロジェクトが世に送り出すファンドに対しては厳しい声が多く浴びせられています。
資金を集めたいという割には、「新興株をレアルヘッジ」のように狙いがよく分からないファンドやコストでの訴求ポイントも無いファンドが多くイマイチです。

本気で資金を集めたいのであれば、本気のファンドを投入してはいかがでしょうか?

運用側の声が強くネット証券は立場が弱いというのであれば、ネット証券系の資産運用会社が本気のファンドを作ってはいかがでしょうか?SBI証券はSBIアセットマネジメントがあります。

日経ビジネスにはSBIホールディングスCEOの北尾吉孝氏のインタビュー記事が掲載されていました。その中で興味を引いたのは対中国の話で、温家宝首相の息子がファンドマネージャをしていたファンドの件がありました。
資産倍増倍増プロジェクトにもこういうファンドを投入できませんかね?

結果として儲かるかどうかは分かりませんが、温家宝の息子がいるプライベートエクイティのヘッジファンドなんて魅力的な響きです。ヘッジファンドならファンドを持ってくると良いのではないでしょうか。
資産が倍増しそうな響きがありませんか?

こういう特徴が際立ったファンドを投入できないのでしょうか。

タイプは違いますが、セゾン投信のセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドがあります。
インデックスファンドのバランスファンドですが、バンガードのファンドを日本に引っ張ってきたという特徴があります。(提供されたバンガードのファンドは資産残高が増えたら信託報酬も低減されました)
 

セゾン投信というマイナーな投信会社専用ファンドですが、「1ヶ月で12億円強、3ヶ月で33億円強」を集めています。

本日時点(10/9)の3つの資産倍増プロジェクト専用ファンドの純資産総額は以下の通りです。
 ・日本応援株ファンド : 5.10億円 (7月11日設定)
 ・新興国中小型株ファンド : 7.66億円 (7月22日設定)
 ・新興市場日本株 レアル型 : 4.79億円 (7月29日設定)

どのファンドも2ヶ月以上の運用期間が経過しましたが、3ファンド合わせた純資産総額は17億円弱です。(日本応援株ファンドは約3か月)

最近の相場が良くないので運用損が出ているというエクスキューズもあるでしょう。
しかし、「SBI証券+楽天証券+マネックス証券+カブドットコム証券 vs セゾン投信」で、設立当初のセゾン投信1社の方が販売力が強かったということはありえません。
明らかにファンドの魅力で資産倍増プロジェクトのファンドはセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドに負けています。

「ネット証券のシェアを高めなければならないから、今は資産が集まりにくいインデックスファンドなんて提供しても・・・」とプロジェクト関係者は言っていましたが、そんなお題目の元に提供された3ファンド集めてもインデックスバランスファンド1本に完敗しているのが事実です。

誰もが対面型販売から顧客を奪うことが簡単でないことは承知しています。問題はアクションを起こす時に「言い訳をしつつ、ちょっとしたアクションを起こすだけ」か「本気を見せてみるか」のどちらかです。やる前から失敗することが分かっていて如何に損をしないかを考えたアクションでは突破できるわけもありません。そのようなスタンスでやるのであれば、やらない方がましでしょう。

失敗してもいいのです。ただし、それは「本気でやった場合に限るよ。本気の失敗には価値がある」 (by 南波六太@宇宙兄弟)です。

ダメファンドさえ野村の営業力があれば数百億円を集められることは証明されています。営業力でファンドを売ることもできます。
セゾン投信で3ヶ月で33億円強(1ファンド)です。営業力が皆無の証券会社でも売れないはずの低コストインデックスファンドで33億円を集めることができます。
ネット証券4社の本気を見せて欲しい。


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