ある程度間隔があくと書くテーマです。

「アセットアロケーションが重要」の嘘!?
「アセットアロケーションが重要」の嘘 2
「アセットアロケーションが重要」の嘘 3
アセット・アロケーションがどれほどリターンに影響するのか?


こんなエントリーを書いてきましたが、またアセット・アロケーションネタです。
アセット・アロケーションが投資成績の多くを決めるという意見があります。アセット・アロケーションが何よりも重要という意見の場合、「だから売買タイミングや銘柄選定は重要ではない」とも言われます。
同一アセットに投資すれば、そのパフォーマンスの多くが6割程度がアセット・アロケーションで決まるのでしょうか?売買タイミングなどは影響しないのでしょうか?

例えば、以下のような投資家がいたとします。

Aさん : トヨタ自動車株をデイトレ
Bさん : 三菱商事を空売り
Cさん : TOPIXのインデックスファンドを長期保有
Dさん : Exxon Mobilをデイトレ
Eさん : Googleを長期保有
Fさん : 米国債を保有し続ける
Gさん : 米国債先物の空売り
Hさん : 米国債先物でデイトレ
Iさん : 日本株でマーケットニュートラル戦略のデイトレ
Jさん : 米国株でマーケットニュートラル戦略のデイトレ

「売買タイミングや銘柄選定の影響は軽微でアセット・アロケーションが大部分を決める」説に従うと・・・

同じ日本株アセットの「トヨタ株のデイトレ」「三菱商事の空売り」「インデックスファンド保有」「日本株でマーケットニュートラル」のパフォーマンスはかなり似たものになります。
「Exxon Mobilデイトレ」と「Google長期保有」「米国株マーケットニュートラル」のパフォーマンスもほとんど同じとのことです。
米国債も長期保有も先物から売りもデイトレも同じです。


そうでしょうか?

アセット・アロケーションが投資成績の大部分を決める説が検証に使っているのは投資信託(Mutual Fund)です。ブリンソン、イボットソン、バンガードなどの報告もあくまで投資信託や年金基金を対象にしたものです。
デイトレーダー100人と投資信託100本を比較したデータではありません。
投資信託を対象とする以上、投資比率を高めに保ち、回転率が極めて低く、多くの銘柄に分散されることが暗黙の前提条件になっています。株式の平均保有期間が数時間や回転率が2万%のような投資主体は入っていません。

投資信託という枠を取り払って、「投資においてアセット・アロケーションがパフォーマンスに与える影響」という一般的な話では、もっと銘柄選定や売買タイミングの影響度は大きいはずです。

簡単にデータが入手できれば検証してみたいところです。
「朝の寄り付きでトヨタ自動車を買って、午前の引けで売却。午後の寄り付きで東芝を売って、大引けで買戻し。」
このような取引が日経平均の長期保有とほとんど同じパフォーマンスになるのか・・・大変興味深い。


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