下手なことを書くと荒れそうなトピックですが、少しだけ。

8月21日にフジテレビ前にてフジテレビに対するデモが行われました。デモには数千人が集まり、これを報じるインターネットニュースなどにも多くのコメントが寄せられたりしており、注目度は高い話でした。

日本でこれだけのデモが起こることはいい事です。(政治に向かわないことは残念ですが)

しかし、今回のデモについてはイマイチ目的が理解できません。
デモ実行委員会関係者は「韓流偏向報道や韓流強要に反対しているわけで、反韓や嫌韓を主張するわけではない」と主張しているようです。しかし、デモ参加者や賛同者達は同じ目的だったのでしょうか?

主催者側は「韓流偏向報道や韓流強要に反対」と主張しています。「反韓や嫌韓を主張するわけではない」と別に韓国や韓国文化の好き嫌いは問題ではないと言っています。つまり、偏った報道でごり押し報道が問題ということでコンテンツが「ひな壇芸人トーク」でも「アニメ」でも「芸人ショー」でも「通販番組」でも「政治ワイドショー」でもいいわけです。
しかし、デモに賛同する声の中には「韓流は出ていけ」のように明らかに嫌韓を主張するような声も多数あります。このような「偏向報道」「ごり押し」以外への声が大きく、全体としてみた時に何で目的であったかが未だよく分かりません。

また、偏向報道や強要がデモの対象という主催者側の立場に立つならば・・・
今後、いかなるトピックでも偏向報道やごり押しがあった場合にはデモをするということなのでしょうか。
アメリカに住んでいる知人は「America is Americaでアメリカのことしか報道しない。世界のニュースなんてほんの少ししかしない。アメリカ偏重だ」と言っています。
日本においては日本偏重です。日本のテレビを見ているとほとんど日本の情報しか入手できません。韓国にいれば韓国のテレビはほとんど韓国の情報ばかりでした。韓国では日本の情報が余りにも入手できずにイライラしたくらいです。私などは日本のテレビ局は日本と芸人偏重という印象があるのですが、同じような意見を持つ人は「日本偏重でごり押しだ」というような主張もするのでしょうか?


残念ながら今のテレビ局の韓流放送ブームは経済原則に従っているようにしか思えません。
工業製品の世界では中国製品が安さで世界を席巻しました。韓流ドラマもコンテンツを買ってくればすぐに報道でき、それが安いとなれば市場を席巻するのも普通の経済。

1回当たりのコストが、報道ステーションで1500万円、こち亀(ドラマ)で1回4000万円、SMAPxSMAPで5000万円という金額とのことです。韓流ドラマだと1回で数十万円〜という話ですので、韓流ドラマは多少視聴率が劣ろうが、それ以上に安ければ魅力的です。
1時間のコンテンツで数千万円費用が違うというのであれば、それだけスポンサーからのCM料をもらえないと割に合いません(本来は関連商品の売上げなどを含みます)。
日本独自のコンテンツに、コストに見合うだけの収益を出すだけの価値が有るのか。ここは議論されるべきでしょう。


今の韓流放送ブームは最近しぼみがちな芸人ブームと同じ印象です。
安くて視聴率が取れるコンテンツを探していたら「芸人」にたどり着いた。売れるためには安いギャラで番組に出てくれてテキトーにネタやトークをさせておけばよいので楽です。そして、M-1などで盛り上げて芸人は面白いという印象を売ろうとしていました。
他にもスポーツだけでもバスケやフットサルや陸上やボクシング日本タイトルマッチなど報道できるテーマはたくさんあります。しかし、そのような様々なコンテンツを報道せずに、日本全体の中からあれほどまでに芸人に偏っていることは偏重以外の何者でもないでしょう。
デモにはなりませんでしたが、インターネットなどでは「最近の番組はどこをつけても芸人ばかりだけでおもしろくない」という意見もありました。韓流報道ブームと同じ図式です。

芸人ブームもしぼみつつあるところに、さらに安くてお手軽な韓流というテーマが収まっただけというところではないでしょうか。


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