前回の『ポイントサービスの"有効"活用』に予想外の反響がありましので、急遽続編を書いてみます。と言っても補足のようなものです。
前回のエントリーでは「ポイント制度は利用しすぎないことも重要」「獲得するために費やす手間などを天秤にかけなくてはいけない」という趣旨のことを書きました。そうしたところ、以下のようなコメントをいただきました。

「0.1%の手数料を気にしている割には、3%のポイントには無頓着なんですね。」
「確かに1%〜3%のポイントはでかいでしょ。    信託報酬の0,1%にこだわるのなら、多少の手間やセカンドベストでもいいのでわ?」


これは私にとっては少し予想外な反応でした。
0.1%でも3%でも10%でも20%でも私にとっては同じものです。得られるポイントが獲得するためにかかる手間などが(経済学的な意味での)コストと見合っているが重要です。

●ケース1
私のメイン証券会社であるSBI証券ではMSCI KOKUSAIに連動する以下のファンドを購入できます。(カッコ内は信託報酬)
 ・年金積立インデックスファンド海外株式 (0.882%)
 ・STAMグローバル株式インデックス (0.63%)
 ・eMAXIS 先進国株式インデックス (0.63%)
 ・CMAM外国株式インデックスe (0.525%)

私はここで0.1%の信託報酬にこだわって、一番信託報酬が安いCMAM外国株式インデックスeを購入します。これはその0.1%がコストに見合うからです。SBI証券でどのファンドを買うにしても、ファンドを選んで金額を入れて購入ボタンを押して・・と同じような操作になります。CMAM外国株式インデックスeを選ぶことで特別な追加コストは発生していません。
つまり、他ファンドを買う時と比べて、ほぼそのまま信託報酬の差分が自分の利益となります。


●ケース2
利用しているスーパーではポイント還元率が1%ですが、そことは別にポイント還元率が3%のスーパーがあります。ポイント還元率は2%も違います。いつものスーパーはほぼ帰り道の途中にありますが、別のスーパーは歩いて往復30分ほどかかります。
さて、このようなケースではどちらで食材を買って帰るか?

コストを考慮せずに「ケース1の0.1%にこだわるなら2%は?」という考えに立つと、ポイント還元率3%のスーパーに行くべきとなるかもしれません。
しかし、「仕事で疲れて荷物もあって革靴で歩いて帰るところで30分の余計な歩き」というコスト(手間)を考慮すると私の結論はNOです。月に3万円の買い物をするとしても還元率3%のスーパーで得られる追加ポイントは600円分です。これはコストが勝ちます。

オフショアファンド、クレジットカード、銀行預金なども同じ考えです。いくら「ポイントやコストがお得」と言われても、そのためにかける労力が見合うかが重要です。この得られた対価とコストを比較した、いわゆる利益ベースの考え方が私の考え方です。
ポイント還元率が20%だろうと、そのためにかかるコストがそれを上回るならポイントを得るためにそのコストは払いません。得られるメリットがコストを上回るならそのコストを払います。


しかし、0.1%の対価(売上)にこだわるなら3%にはこだわるべきでは、という意見も複数あったようにコスト調整前の対価(売上)ベースで考えることは世間でそれなりに支配的な位置にあるのでしょうか。

少し話は変わりますが、日本では比較すると企業規模の比較でも売上が大きく注目される傾向があります。アメリカでは日本よりも売上げの重要性は低く、利益がより重視されます。企業評価にも現れているように、日本は売上(得られるポイント)を重視する傾向があるのでしょうか。
最後は少し話もずれてしまいましたが、興味深いところです。


【関連コンテンツ】