『日経ビジネス』(2011年3月28日号)の「気鋭の論点」から。


2000年から2010年の10年間でCPIは2.6ポイント下がっています。102.2(2000年)→99.6(2010年)。

私はソースに当たっていませんが、日経ビジネスの記事によるとパソコンが2ポイント押し下げているとのことです。つまり、パソコンの下落幅が±0であれば下落幅は0.6ポイントだったとなります。

日経ビジネスの記事にもありますが、この現象はPCの実際の価格が下がっているとことによるのではなく、性能が上がったことが原因です。
パソコンの価格はヘドニック法という方法で計算されており、市販価格は同じでも性能が上がるとCPI計算上の物価指数が下がります。2000年→2010年の10年間で、デスクトップPCが1/25、ノートPCが1/50になっているようです。
テレビなどの電化製品でも同じような性能向上によるCPI低下が起こっています。

価格が上がっていてもそれ以上に性能が向上することで、CPI計算上ではマイナスになることもありえるのです。PCもCPIの計算上では数十分の一になっていますが、消費者がPCを購入する時の金額が数十分の一になっているわけではありません。

CPIは物価変動を示す重要な統計数字ですが、単純に物価変動率とイコールと考えるのではなく、そのクセを理解しておくことが重要になりそうです。


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