「投信ブロガーが選ぶファンド・オブ・ザ・イヤー」の投票結果を見て思ったこと(?)です。

日本の議員選挙でも複数の投票方法があるように投票には様々な方法がありますが、完全に公平な投票方法など存在しません。

●1人1票で最多得票者が当選の小選挙区制の問題
5人の候補がいて、100人の投票者がいたとします。
 ・Aさん:40人が支持していて、60人が最も嫌っている。 ⇒40票獲得
 ・Bさん:39人が支持していて、61人は5人中2番目にいいと思っている ⇒39票獲得
投票者の過半数から最悪の当選者というレッテルを張られているにも関わらずAさんが当選します。最も当選して欲しくない候補という基準で選べば1位になる候補が当選したことになります。

●不支持票(マイナス票)を設ける
上のような問題を避けるために当選させたくない候補へ不支持票(マイナス票)を投じられるようにすればいいという主張もあります。しかし、これも問題です。
 ・A候補:支持票1000票、不支持票1000票
 ・B候補:支持票1990票、不支持票2000票
 ・C候補:支持票10票、不支持票0票
上のような結果の時にC候補が当選になります。これはA候補とB候補が有力候補で競っていて、C候補は誰もが存在を無視するような泡沫候補の場合です。ブッシュとゴアが接戦で争っていたら、誰もが存在を無視していたアリゾナのジョンソンさんが大統領になってしまうようなことが発生します。
全候補に好き嫌いの順位をつけて点数制にする場合も同じようなことが起こりえます。

●勝ち抜き制
複数の候補があるときに2つの候補を比べていって勝ち残ったものを選ぶ方法です。
 ・Aさん: 中華>フレンチ>イタリアン
 ・Bさん: フレンチ>イタリアン>中華
 ・Cさん: イタリアン>中華>フレンチ
3人の人が上のような選好度だとします。
まず中華とフレンチ比較するとAさんとCさんは中華を選択するので、中華が勝ち残ります。中華とイタリアンを比べるとBさんとCさんはイタリアンを支持するのでイタリアンが勝ち残ります。このようにイタリアンが一番に選ばれます。
ところが、まずフレンチとイタリアンを比較するとAさんとBさんの支持により、フレンチが残ってイタリアンは負けます。次に勝ち残ったフレンチと中華で比較すると中華が勝者になります。
同様に中華とイタリアンからはじめた場合には、フレンチが残ります。
このようにトーナメントのようにして良い方を比較していったはずなのに組み合わせによって結果がバラバラになります。


このように投票方式には完璧な方法はありません。


○参考 (2年ほど前に読んで、このことを明確に理解させてくれた1冊です)


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