インタビュー:グロソブへの資金回帰、今後複数回起きる可能性=国際投信 (ロイター)

国際投信投資顧問の駒形康吉取締役社長は、同社の旗艦ファンドである「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」62002137JP(通称:グロソブ)からの資金流出が取り沙汰されていることについて、流出額が膨らんでいるわけではなく流入がないことに問題があると指摘した。
現在、新興国などに集中して流れている資金は、いずれ「グロソブ」のような安定資産に資金を戻すタイミングが大きなサイクルの中では起こるとみており、「基本的には心配していない」と語った。
 「グロソブを海外投資に例えた場合、海外投資は日本でなくなるのか、というと、なくなることはないと思う。米国のようにほとんどが自立できている国ならともかく、日本は世界の中で、世界と関わりながら生きている国だ。円高だから海外分散投資をやめるというのではなく、円高にもつきあいながら将来的な自分の資産をどう運用し増やしていくのか。これは避けて通れない問題だ。海外投資というのは日本人にとって国のかたち、在り方に近いようなものだと思う」
 「以前のように、日本人の海外投資といえばグロソブ一本やりというような戻り方は想定していないが、ベース資産としての部分は見直され、復活してくると思っている。これまで培ってきた顧客や販売会社への情報提供なども含めたサポートを従来通りきちんとやっていくことで、世界経済の回復とともに(資金は)十分戻ってくると思っている。基本的には心配していない」

国際投信顧問の社長のインタビューという割引をしなくてはいけませんが、それでもこの見通しは楽観的過ぎるような気がしています。

世界経済が回復したとしても、グロソブに資金が還流すると言うのは難しいでしょう。昨今の傾向として、世界経済が不調なら新興国が先進国より下がりました。そして世界経済の調子がいい時は新興国ほどリターンが高くなりました。最近のブラジルへの資金流入もレアル高やブラジル株の上昇を受けての人気でした。
ですから、世界経済が回復すればするほど新興国のリターンも増える傾向があるので、資金が新興国に流れる向きは変わらないでしょう。

グロソブ回避がソブリンリスクによる債券からの逃避という仮説を立てても、ブラジル債券は売れていることを考えると債券からお金が逃げていると考えるのも難しい。

やはり、経済回復によって簡単に資金がグロソブに戻ると考えるのは楽観的過ぎるように感じます。もう少し気の利いた答えが欲しいように思ったのですが、これくらいしかなかったのでしょうか。


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