「今は中国株が凄い儲かるらしい」→「よし中国株投信だ」
「100万円を1000万円にするぞ」→「よしFXだ」
「ブラジルは高金利だ」→「よしブラジル債券投信だ」


このように投資に飛びつく人は多い。
こういう投資の仕方は良くないということは分かっている人も多いでしょう。

他にも「A証券会社に口座を開いた」→「A証券で売っている商品に投資だ」なども投資の仕方としては良くない例でしょう。


「20年後に3000万円の金融資産が欲しい。月々の積立で●円、ボーナスで▲円投資できるから、年平均×%で運用できれば目標達成できる。効率フロンティアで考えると、日本株A%、先進国株B%、新興国株C%、先進国債券D%でこのリターン達成だ。」→「よし投資だ」

それでは、この投資の仕方は良いでしょうか?
このケースは、先の例より迷うかもしれません。しかし、私の考え方だとこれもダメです。

このケースでも先の完全にダメなケースと同様の欠点があります。


それは、リスク許容度を考えていないことです。



投資で一番重要なのは金融商品を決めることでも、アセットを決めることでも、目標リターンを出すことでもありません。まずは許容できるリスクを考えることです。
デイトレーダーの多くはこのルールを持っています。「デイで決済する」「何pip下がったら損切り」などというルールです。このルールは期待リターンを増やすわけではありませんが、リスクコントロールの手段です。

長期投資でも同じです。まず、一番先に決めないといけないのはリスクです

許容できるリスクが分からずにリターンに目がくらんで、20年後に3000万円に届く可能性が高い投資法に手を出すのは危険です。マイナス方向のリスクが実現した時に、減っていく資産に耐え切れなくなって損切り退場となってしまう可能性があります。

2008年の株価下落局面では、こういう「期待リターンはある程度分かっていて、分散ポートフォリオを組んでいた風」な人で退場になった人がいたように思います。これは自分が許容できるリスクを把握していなかった結果です。一般的に期待リターンは高めるとリスクは高くなりますから、許容リスクを考えていないとリスク過剰になりがちなのは仕方ありません。



何より先にやるべきことは自分が許容できる最大損失を考えることです。
10%の損に耐えられない人は、その条件で投資商品や方法を絞りましょう。投資商品や方法を先に決めてはいけません。いくら私のような人が「株式重視の方が期待リターンは大きくなる」と言っても、許容リターンが10%の人は私が推奨する投資法は拒否すべきです。

投資の順番は【リスクとリターン】です。【リターンとリスク】ではありません。リスク・ファースト、リターン・セカンドです。

しかし、長期分散インデックス投資を推奨する本でも「リスクとリターンを考えましょう」と一緒くたに語り、読み終わった時にはリスクよりリターンが頭に残る作りが多いように感じます。

リスクを第一にアピールする初心者向け投資本は出ませんかね?


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