(やはり、これが限界かという思いもあります)

MSNマネーのコラムで通貨選択型投信に関するコラムがありました。

「通貨選択型」投資信託、魅力と落とし穴は?
 このコラムでは、通貨選択型投信の一般的な仕組みと注意すべきポイントをおさえ、適切なリスク管理の一助となるアドバイスを提供します。
見出しの「落とし穴」という言葉や、この「注意すべきポイントをおさえ」なんて表現が期待させてくれます。


■注意すべきポイント
 現在主流となっている通貨選択型投信は、ブラジルレアル等の高金利通貨と米ドルとの間でヘッジ取引をしています。為替ヘッジプレミアムは両通貨の金利の差ですので、米国の金利水準が上昇したり、選択した通貨の金利水準が下がって金利差が縮まった場合は、為替ヘッジプレミアムが少なくなります。そして、仮に両通貨の金利が逆転した場合は、為替ヘッジプレミアムというメリットはなくって逆に為替ヘッジコストというデメリットとなり、ファンドにとっては収益の圧迫要因となります。

 つまり、それぞれの金利水準、指標としては政策金利の見通しや変化には注意を払っておく必要があります。

 そのほかにも他の投信と同様に、投資対象となる債券の値動き(金利変動リスク)、発行体の信用度(信用リスク)、選択した通貨の為替の値動き(為替変動リスク)やその国の政治や社会情勢による影響(カントリーリスク)に注意が必要です。
あれっ・・・
これだけですか?
要約すると通貨選択型投信で注意すべきポイントは「金利差は一定ではないので、金利差が縮まることに注意」だけですか?


せっかく記事の真ん中の為替ヘッジの説明をやっているのに・・・
 Aさんは米ドルで投資をしたい資産があるため、手持ちのブラジルレアルを米ドルに交換したいと考えています。でも、為替の変動リスクは避けたいし、米ドルの金利水準は低いのが悩ましい。

 一方、BさんはAさんの意向に応じ、手持ちの米ドルをブラジルレアルに交換することを了承しました。ここでAさんとBさんの取引が成立するわけです。お互いに為替変動リスクは回避したいので、将来の為替レートを交換時に約束し、決められた期日に決済するという為替予約をします。これを為替ヘッジといいます。
将来の為替レートを交換時に約束し・・・
将来の為替レートを交換時に約束し・・・
将来の為替レートを交換時に約束し・・・
将来の為替レートを交換時に約束し・・・
将来の為替レートを交換時に約束し・・・
将来の為替レートを交換時に約束し・・・
将来の為替レートを交換時に約束し・・・
将来の為替レートを交換時に約束し・・・
将来の為替レートを交換時に約束し・・・


ここが一番重要なポイントですよ。これを書かずして「落とし穴」とか「注意するポイント」といっても肩透かしです。
通貨選択型投信に投資している人で、為替レートの上下は五分五分と勘違いしている人がいます。ここが「落とし穴」とか「注意するポイント」です。

上の為替ヘッジの話にあるように、高金利を貰えて、為替レートで不利にならないなんて美味しい話はありません。

「ラーメン650円 + 餃子350円」でも「ラーメン600円 + 餃子400円」でも合計支払額は1000円です。
為替ヘッジもこれと同じで、為替のリターンを高金利に付け替えているだけです。投信全体での期待リターンは変わりません。為替ヘッジプレミアムを貰えるということは、それだけ為替レートで損をすることが予測されているのです。
為替ヘッジプレミアムは全体から見ると収益源になっていません。米ドルのまま投資しているのとは値動きは変わりますが、期待リターンは増えないのだから、高金利を選択しても分配金を高く出せるわけではありません。


ただ、運用成績がよければ高い分配金を出せるだけです。


この指摘が欲しかったのですが、大人の事情でしょうか。


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