NIKKEI NETによると、投信の投資資金自動払戻率が2年ぶりの高水準とのことです。


ニュースはこちら↓
投信の分配金利回り、2年ぶり高水準 新興国投資が拡大
 投資信託の分配金利回りが上昇している。2月末時点の平均利回りは6.3%と1年前に比べ0.9ポイント上昇。
年率6.3%は高いですね。無リスク資産(国債や預金)の利回りが低迷する中で、年率6.3%の自動払戻しはかなりの高率です。
この調子で分配して基準価額をどこまで維持できるか不安になります。


分配金は収益を現金で投資家に還元するもので、投信が保有する債券の金利や株式の配当、値上がり益などが原資。
一応はそうなんですが・・・この説明は大いに誤解を与えそうなので最近好きではありません。

この「投信が保有する債券の金利や株式の配当、値上がり益などが原資」という表現だと、あたかも分配金は利益から出ているものと勘違いしてしまいます。しかし、基準価額が低迷している高分配金ファンドがあるように、利益とは限りません。
会計上は、債券の金利や株式の配当、値上がり益などが分配準備積立金として積み立てられていますが、実際の運用ではそのようなお金がどこかにプールされているわけではありません。新規に投資家が投入した資金となんら区別はありません。
分配金が勘定の上での分配準備積立金から出ているからといっても実際の損益や金の動きとしては意味は無いのですから、「債券の金利や株式の配当、値上がり益などが原資」というような表現は何か好きになれません。



なお、NIKKEI NETの記事の切り方にも少し不満です。
同記事の日経紙面(日経テレコン21)の続きでは、高分配の危険についてしっかりと説明しているのですが、その部分が欠落しています。


【関連コンテンツ】