NIKKEI NETによると、投信の投資資金自動払戻率が2年ぶりの高水準とのことです。
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投信の分配金利回り、2年ぶり高水準 新興国投資が拡大
この調子で分配して基準価額をどこまで維持できるか不安になります。
この「投信が保有する債券の金利や株式の配当、値上がり益などが原資」という表現だと、あたかも分配金は利益から出ているものと勘違いしてしまいます。しかし、基準価額が低迷している高分配金ファンドがあるように、利益とは限りません。
会計上は、債券の金利や株式の配当、値上がり益などが分配準備積立金として積み立てられていますが、実際の運用ではそのようなお金がどこかにプールされているわけではありません。新規に投資家が投入した資金となんら区別はありません。
分配金が勘定の上での分配準備積立金から出ているからといっても実際の損益や金の動きとしては意味は無いのですから、「債券の金利や株式の配当、値上がり益などが原資」というような表現は何か好きになれません。
なお、NIKKEI NETの記事の切り方にも少し不満です。
同記事の日経紙面(日経テレコン21)の続きでは、高分配の危険についてしっかりと説明しているのですが、その部分が欠落しています。
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投信の分配金利回り、2年ぶり高水準 新興国投資が拡大
投資信託の分配金利回りが上昇している。2月末時点の平均利回りは6.3%と1年前に比べ0.9ポイント上昇。年率6.3%は高いですね。無リスク資産(国債や預金)の利回りが低迷する中で、年率6.3%の自動払戻しはかなりの高率です。
この調子で分配して基準価額をどこまで維持できるか不安になります。
分配金は収益を現金で投資家に還元するもので、投信が保有する債券の金利や株式の配当、値上がり益などが原資。一応はそうなんですが・・・この説明は大いに誤解を与えそうなので最近好きではありません。
この「投信が保有する債券の金利や株式の配当、値上がり益などが原資」という表現だと、あたかも分配金は利益から出ているものと勘違いしてしまいます。しかし、基準価額が低迷している高分配金ファンドがあるように、利益とは限りません。
会計上は、債券の金利や株式の配当、値上がり益などが分配準備積立金として積み立てられていますが、実際の運用ではそのようなお金がどこかにプールされているわけではありません。新規に投資家が投入した資金となんら区別はありません。
分配金が勘定の上での分配準備積立金から出ているからといっても実際の損益や金の動きとしては意味は無いのですから、「債券の金利や株式の配当、値上がり益などが原資」というような表現は何か好きになれません。
なお、NIKKEI NETの記事の切り方にも少し不満です。
同記事の日経紙面(日経テレコン21)の続きでは、高分配の危険についてしっかりと説明しているのですが、その部分が欠落しています。
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>「過去1年間の運用実績」を知る指標の一つともいえる
これって不適切な表現だと考えています。
それを言っていたら仮に通貨選択型投信のように高金利通貨でヘッジをかけてプレミアムで見かけ上の高分配をしている物が果たして『「過去1年間の運用実績」を知る指標の一つともいえる』と言えるかどうかです。
投資信託全体で見たとしても、利益を出さずに高分配をする事は可能なので、ちょっと違和感が有ります。
株式ならば配当成長の考え方が有り、長期的に配当成長をさせる事に意味が有ります(詳しくは梅ランで解説しています)。
投資信託は分配金自身が利益の源泉とは言えず、配当成長の考え方で分配金成長を目指すのならば、結局はDIAやSPYのような株式配当からコストを差し引いても大きくプラスになるぐらい信託報酬が非常に低廉である必要が有ります。
分配方針も株式配当に限定するなど、分配方針も重要です。
本当に高配当が欲しいのならば、結局は信託報酬が非常に低廉でかつ、そのアセットクラスの期待リターンが無リスク金利と比べて大きく高い前提の投資対象である必要が有ります。