「世界各国はリーマンショックの危機から立ち直って株価も上昇しているのに、日本の株は回復が遅れている」のような意見があります。

本当でしょうか?

ここ2年間でデータを取ってみました。

以下のグラフは日経平均(青)S&P500(緑)TOK(赤)の3つを比較したグラフです。
SP_NIKKEI_TOK(2year)

確かにこれを見ると日経平均の騰落率が一番悪くなっています。



でも、この比較は価値を測定するという趣旨で用いるには正しくありません。
それぞれが異なる通貨で比較すると、その通貨が安くなったモノは実質価値が増えていなくても通貨安の分だけ名目の数字は高くなります。

ハイパーインフレ時代のジンバブエと日本でりんごを持っていると、ジンバブエではりんごの値段(ジンバブエドル建て)が1日で数倍にもなりました。日本ではりんごの値段(円建て)は変わりません。ジンバブエのりんごの方が名目の数字は高くなりました。しかし、この数字の比較を持って、ジンバブエのりんごは日本のりんごより価値が上昇したとは言いません。

通貨による見た目だけの数字の上下を排除して同一の基準で価値を測定するには、同じ通貨にして測定する必要があります。
そこで、『わたしのインデックス』のデータを利用して、MSCI KOKUSAI(円建て)、S&P500(円建て)、日経平均、TOPIXの4つをリーマンショック前の2008年初頭〜2009年末で比較してみました。
##わたしのインデックスが月末比較なので、正確には「2007年12月末〜2009年12月末」


結果は・・・
MSCI KOKUSAI -34.6%
S&P500 -33.5%
日経平均 -31.1%
TOPIX -36.1%

日経平均が1位となりました。
TOPIXは最下位となりましたが、一般的に日本株の回復が遅れていると言われる時に持ち出される指数は日経平均です。日経平均で見る限りは日本株だけパフォーマンスが悪いという説は事実と全く異なります。
また、TOPIXを使ったとしてもMSCI KOKUSAIやS&P500との差はそれほど大きな差ではありません。少なくともこの程度の差で日本だけショックからの回復が遅いとは言えないでしょう。



投資家の人は、自分が投資している商品の損益や騰落率を考えるときは通貨を統一して考えているかと思います。グロソブやMSCI KOKUSAI連動の投信を持っていて「現地通貨建てでは損していない」のように現地通貨建てで考える人はいないでしょう。また、円高の時にアメリカに上場しているトヨタ株を見て「日本のトヨタ株よりアメリカのトヨタ株が上昇している」なんて言う人もいないでしょう。

普通なら通貨を統一して実質価値で測定します。

それなら、株価比較でも同じ通貨で比較するのが当然だと思うのです。でも、この時には通貨を統一せずに語られることをよく聞きます・・・


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