円、86円台に上昇 14年ぶり円高 (NIKKEI NET)
 26日午後の東京外国為替市場で円相場が一段高となり、一時は前日17時時点に比べ1円66銭円高・ドル安の1ドル=86円69銭近辺まで上昇した。1月21日に付けた87円10銭を上回り、1995年7月以来14年4カ月ぶりの円高・ドル安水準を付けた。
NIKKEI NETでも大きな文字でドル円の86円台が報道されました。

14年ぶりの数字ということで凄いのでしょうが、円高と言われると多少疑問があります。確かに名目で見ると"86"という数字になっています。でも、14年前とは環境が違うわけで必ずしも同じ数字が同じ価値をもつとは思いません。
(100年前の10万円と今の10万円は名目上は同じ数字ですが、価値は違いますよ。現代で10万円あっても金持ちとは言わないでしょう。)



そこで1989年1月〜2009年10月のドル円と円の実質実効為替レートでグラフを作ってみました。(データソースは日本銀行)
Kawase1989-2009
※上記グラフは円安/円高方向が同一になるように<10000/実質実効為替レート>といじっています。


実質実効為替レートを見る限りだと、今の水準が特別に円高とは思えません。
1991年〜1996年くらいの方が円高水準です。
その後も瞬間的に少し円安水準に振れることはあっても、あまり2009年10月より極端に円安な時期はほとんどありません。一時的に円安に振れてもすぐに今と同水準かより円高に落ちています。明確に今より円安水準が続いたと言えるのは2005年くらいからの円キャリーバブルの時期くらいです。

このように考えると今は決して円高ではないと言えそうです。



※今日のWBSでも伊藤氏が同じようなことを言っていた?


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