インデックス運用とは、ベンチマーク(日経平均株価、TOPIXなど)と同じ値動きを目的とする運用です。 (モーニングスター)
トラッキングエラーとは[インデックス]ファンドのリターン(期待収益率)とベンチマークとする指数のリターンの乖離のこと。トラッキングエラーが小さいほど優れた運用と評価されます。 (楽天証券)上はモーニングスターや楽天証券の説明ですが、一般的なインデックス運用の解説は上のようなものだと思います。でも、これって本当に正しいのでしょうか?
TOPIXに連動を目指すインデックスファンドTSPの過去10年のパフォーマンスを見てみます。
期 | ファンドの騰落率(%) | ベンチマーク騰落率(TOPIX) | 乖離幅 (ファンド騰落率-ベンチマーク騰落率) |
---|---|---|---|
14期(2000.2.14) | 55.0 | 57.6 | -2.6 |
15期(2001.2.13) | -26.7 | -26.7 | 0 |
16期(2002.2.12) | -22.3 | -22.7 | 0.4 |
17期(2003.2.12) | -11.5 | -12.0 | 0.5 |
18期(2004.2.12) | 20.9 | 20.3 | 0.6 |
19期(2005.2.14) | 13.9 | 13.4 | 0.5 |
20期(2006.2.13) | 39.6 | 38.5 | 1.1 |
21期(2007.2.13) | 9.2 | 8.5 | 0.7 |
22期(2008.2.12) | -26.2 | -26.8 | 0.6 |
23期(2009.2.12) | -40.1 | -40.9 | 0.8 |
そして、以下は23期の運用報告書にあるコメントです。
ベンチマークとの差異における主な要因は以下の通りです。この結果からも浮かんでくる疑問があります。どうしてインデックスファンドTSPは0.4%〜1.1%ものトラッキングエラーを放置しているのでしょうか?仮にトラッキングエラーを最小にすることを善とするならば、予想配当率はあるのだろうからベンチマークに連動する程度にマイナスリターンを生み出しように努力するべきとなります。しかし、インデックスファンドTSPに限らず他インデックスファンドも配当分の超過リターンは甘んじて受けてしまっているファンドが多い。
<プラス要因>
・投資先における株式配当金の受取り。
<マイナス要因>
・投資先における売買委託手数料などの諸経費。
・信託報酬などの諸経費
そう考えると、インデックスファンドは目論見書他に記載しているベンチマークに連動することを目指していないということになります。
上が真だとすると・・・インデックスファンドが真に目指しているベンチマークは何なのでしょうか?
(続く)
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配当と諸経費を抜いた純粋な指数のみの連動をさしているのではないのでしょうか?
その為、優秀なインデックスファンドは下記になるのかなと思います。
1. ベンチマークとのトラッキングエラーが小さい
(ただし、配当・諸経費などは考慮せず、純粋な指数のみで評価)。
2. 「配当 - 諸経費」の部分についてはプラスリターンが多ければ多いほど良い
(実際には配当のコントロールは容易ではないと思うので、
いかに持続可能な利益を上げつつ諸経費を抑えるかということになるのでしょうが)。