開始直後は注目度も高かった裁判員制度ですが、そろそろ1つ1つの件数を丁寧に拾った報道は沈静化してきた頃でしょうか。



裁判つながりと言うことで死刑制度に関して一つ。

死刑制度に関しては、存置と廃止で熱い議論が繰り広げられています。死刑存置側からも死刑廃止側からもそれぞれにメリットやデメリットが数多く主張されています。


そんな中、ずっと気になっていたのですが、あまり話題になっていない点があります。それは、「死刑を廃止すると、殺人などの死刑相当の犯罪で起訴された人の有罪率が上がらないか?」という仮説です。

裁判員導入時に「あなたは死刑判決を下せるのか?」とあったように、裁判員が死刑判決を下すのは精神的にきついという主張がありました。これはそのとおりでしょう。人の命を奪うという判断を下すというのは精神的にはきつい。「もし、冤罪だったら?」「私にその人の人生を終わらせる決定を下せるのか?」などと考えて、躊躇しかねません。懲役15年や無期懲役なら、心理的な抵抗は少なくなりそうです。
これは裁判員に限った話ではなく、裁判官も同じです。裁判官は法律の専門家というだけであって、特別な精神訓練を受けているわけではありません。裁判官も死刑判決を下す際には同じような心理的抵抗があるはずです。

このように考えると、裁判員制度の有無にかかわらず、死刑制度を廃止すると有罪率が上がるように思うのです。死刑相当の重罪で起訴されていて「ほとんどクロだけどクロとは断定しきれない」というケースの時に、死刑の有無が大きな差になるのではないでしょうか。死刑があるなら安易に有罪は下せないが、死刑が無く終身刑や長期懲役なら有罪でOKという判断に流れてもおかしくありません。



『誇りと復讐』の中で、元判事のマシューがこう言っています。
というのは、死刑廃止以降、殺人容疑で起訴された被告の有罪率が大幅に上昇し、そのほとんど例外なしに陪審はそのことを正しく理解している
たかが小説の中の登場人物の話なので真偽のほどは定かではありませんが、本当にこのような事が起こっているならば、死刑存置・廃止議論の中で語られるべきではないでしょうか。



と思って、少し調べてみましたが、そのようなことを調べた研究などにぶつからず・・・


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