日本のテレビや新聞などの報道ではアメリカの株式指数の代表のように語られているのが、通称ダウことダウ工業株30種平均です。
##投資対象としてはSPYのようにS&P500が代表ですね
アメリカ企業の株価指数ですが、その名が表すとおり30企業から構成されています。その看板に偽りありでAMEXなどの非工業企業も入っています。
そんなダウ工業株30種平均株価の計算方法を書いてみます。
ダウ工業株30種平均株価はダウ式平均という計算方法で算出されています。これは、構成銘柄の単純平均を除数で割ったものです。除数については後ほど解説しますが、日ごろの値動きは単純平均として考えてもさほど差支えはありません。
イメージを掴むためにダウ構成銘柄のある日の30企業の株価が以下のような価格だったと単純化してみます。
・A社:1ドル
・B社:100ドル
・残り28社:10ドル
A社が+20%、B社は-1%、残り28社は±0だとダウ工業株30種平均株価はどうなるでしょう?
答えは下がります。
何と「+20%が1社、-1%が1社」で株価指数が下がります。これは単純平均というのがミソです。
・A社 +20% : $1×1.2 = $1.2 ⇒ 0.2ドルプラス
・B社 -1% : $100×0.99 = $99 ⇒ 1ドルマイナス
他28社の株価は変動が無いのですから、30社の株価の合計は0.8ドル下がったことになります。このように株価が高い企業ほどダウ工業株30種平均株価に与える影響は大きく、株価が低いほど影響は小さくなります。
共にダウ工業株30種平均株価であるGEとIBMを2009年6月9日の終値時点の株価で比較してみましょう。
・GE:$13.57 (時価総額$143.70B)
・IBM:$108.14 (時価総額$142.90)
共に世界を代表する企業で、時価総額はほぼ同じく$143B(14兆円程度)です。しかし株価はIBMの方が8倍ほど高い。そのため、ダウ工業株30種平均株価に与える影響はIBMの方がGEより8倍も大きいのです。同じような規模の会社であっても、1株あたりの株価の高い企業の方が影響が大きいのです。IBMとExxon Mobilの2社だけでダウ工業株30種平均株価の15-16%程を占めます。
このあたりには注意が必要でしょう。
また、除数の話を置いていましたが、これは連続性を保つために使われます。
例えば指数が4銘柄から構成されて、100円、300円、600円、1000円だったとします。単純平均すると(100+300+600+1000)÷4=500円です。もともとは、この500円が指数になります。このまま普通に株が売買されているだけなら単純平均で問題はありません。
しかし、1000円の会社が株式を2分割してしまいました。そうなるとうまくいきません。1000円で2分割すると株価は500円になります。
分割での変動を除いた株の売買での変動が無いとすると、先ほどまで同様に4社の単純平均を取ると(100+300+600+500)÷4=375円。指数が375円まで下がってしまいます。取引での株価の変動が無いのに指数が大きく動くのは問題です。
これを調整するのが除数です。
『(100+300+600+500)÷除数=500円』となるような数字を除数にします。これは計算して求めると除数=3です。除数を4⇒3と変更するのです。そうすることで、株価の連動性が保たれます。
除数の調整は銘柄入れ替えの時にも発生します。
10ドルの株価の会社が抜けて、100ドルの株価の会社が組み入れられたら、それだけで構成銘柄の株価の単純合計は上がってしまいます。除数が同じままだと銘柄入れ替えだけで指数が動いてしまいます。それを防ぐために除数を調整します。
この2009年6月の【In:Cisco、Travelers / Out:GM、Citi】という銘柄入れ替えによって、ダウ工業株30種平均株価の除数は0.125552709⇒0.132319125と変化しました。
この0.132319125が現在のダウ工業株30種平均株価の除数です。
こう書いてみると、会社の業績には変化がないのに、株式分割したとたんに指数への影響度がダウンしてみたりするなんて、面白い指数です。
##投資対象としてはSPYのようにS&P500が代表ですね
アメリカ企業の株価指数ですが、その名が表すとおり30企業から構成されています。その看板に偽りありでAMEXなどの非工業企業も入っています。
そんなダウ工業株30種平均株価の計算方法を書いてみます。
ダウ工業株30種平均株価はダウ式平均という計算方法で算出されています。これは、構成銘柄の単純平均を除数で割ったものです。除数については後ほど解説しますが、日ごろの値動きは単純平均として考えてもさほど差支えはありません。
イメージを掴むためにダウ構成銘柄のある日の30企業の株価が以下のような価格だったと単純化してみます。
・A社:1ドル
・B社:100ドル
・残り28社:10ドル
A社が+20%、B社は-1%、残り28社は±0だとダウ工業株30種平均株価はどうなるでしょう?
答えは下がります。
何と「+20%が1社、-1%が1社」で株価指数が下がります。これは単純平均というのがミソです。
・A社 +20% : $1×1.2 = $1.2 ⇒ 0.2ドルプラス
・B社 -1% : $100×0.99 = $99 ⇒ 1ドルマイナス
他28社の株価は変動が無いのですから、30社の株価の合計は0.8ドル下がったことになります。このように株価が高い企業ほどダウ工業株30種平均株価に与える影響は大きく、株価が低いほど影響は小さくなります。
共にダウ工業株30種平均株価であるGEとIBMを2009年6月9日の終値時点の株価で比較してみましょう。
・GE:$13.57 (時価総額$143.70B)
・IBM:$108.14 (時価総額$142.90)
共に世界を代表する企業で、時価総額はほぼ同じく$143B(14兆円程度)です。しかし株価はIBMの方が8倍ほど高い。そのため、ダウ工業株30種平均株価に与える影響はIBMの方がGEより8倍も大きいのです。同じような規模の会社であっても、1株あたりの株価の高い企業の方が影響が大きいのです。IBMとExxon Mobilの2社だけでダウ工業株30種平均株価の15-16%程を占めます。
このあたりには注意が必要でしょう。
また、除数の話を置いていましたが、これは連続性を保つために使われます。
例えば指数が4銘柄から構成されて、100円、300円、600円、1000円だったとします。単純平均すると(100+300+600+1000)÷4=500円です。もともとは、この500円が指数になります。このまま普通に株が売買されているだけなら単純平均で問題はありません。
しかし、1000円の会社が株式を2分割してしまいました。そうなるとうまくいきません。1000円で2分割すると株価は500円になります。
分割での変動を除いた株の売買での変動が無いとすると、先ほどまで同様に4社の単純平均を取ると(100+300+600+500)÷4=375円。指数が375円まで下がってしまいます。取引での株価の変動が無いのに指数が大きく動くのは問題です。
これを調整するのが除数です。
『(100+300+600+500)÷除数=500円』となるような数字を除数にします。これは計算して求めると除数=3です。除数を4⇒3と変更するのです。そうすることで、株価の連動性が保たれます。
除数の調整は銘柄入れ替えの時にも発生します。
10ドルの株価の会社が抜けて、100ドルの株価の会社が組み入れられたら、それだけで構成銘柄の株価の単純合計は上がってしまいます。除数が同じままだと銘柄入れ替えだけで指数が動いてしまいます。それを防ぐために除数を調整します。
この2009年6月の【In:Cisco、Travelers / Out:GM、Citi】という銘柄入れ替えによって、ダウ工業株30種平均株価の除数は0.125552709⇒0.132319125と変化しました。
この0.132319125が現在のダウ工業株30種平均株価の除数です。
こう書いてみると、会社の業績には変化がないのに、株式分割したとたんに指数への影響度がダウンしてみたりするなんて、面白い指数です。
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それは本当にアメリカンな大雑把ですね。(笑)
株式2分割した銘柄は、ダウ指数に与える影響力が分割後は約半減してしまう訳ですね。
世界一有名で影響力のある株価指数はなんともいい加減なものですね。(笑)
銀行と自動車を外して、保険と通信機器を加えて、指数を継続させるのも、単なる個人のポートフォリオの成績じゃないの、ダウってという気がします。