前回はFRIDAYでいつかはゆかしが取り上げられた件について書きました。その中では識者達の話にフォーカスしましたが、アブラハム社の高岡氏のコメントも多く取り上げられています。今回は、その高岡氏のコメントに注目します。
  ※参考:フライデーのいつかはゆかしに関する記事の論調が賛否両論ですと!?


まずは以下のように、一番気になる年平均10%超の利回りとはどうなのか?という質問があります。
コンスタントに10%超の利回りを実現できるものなのか。 (中略) 高岡社長に、仕組みと見込みを説明してもらった。


これに対する高岡氏の回答は以下の通り。
リスクを取れる若い時代はたとえば16%の、年を取った時は2〜3%のリターンで平均10%の利回りを目指しましょうとアドバイスしています。
神のみぞ知るですが、ドル・コスト平均法(毎月一定額を継続する長期投資法)ですので、損をする方が難しいんです。右肩上がりのポートフォリオ(分散投資の組み合わせ)を組みましょうと提案している

これが「コンスタントに10%超の利回りを実現できるものなのか」という質問への答えです。
高岡氏が素晴らしいのは10%なんてせこいことを言わずに16%とより高い数字を目指せと言います。しかもアブラハムが推奨するのは「損することが難しいうにゃらら法」&「うにゃららの組み合わせによる右肩上がりのポートフォリオ」なので、高いリターンを狙っても損をすることは難しく右肩上がりなのです(高岡氏曰く)。

「右肩上がりで損する可能性が低く16%を狙えるのなら、それを30年間続ければ良いんじゃないか」というのが常識人の考え方でしょう。しかし、「いつかはおくゆかし」の精神で何故か年を取ったら2〜3%にリターンを下げています。きっと、儲けすぎて金目当ての殺人に合わないための防衛策なのでしょう。深淵です。

なお、「アドバイスをしている」「神のみぞ知る」という予防線も忘れません。
(「10%超を達成できるのかへの答えがない」とか言ってはいけません)


高岡氏の凄さはさらに続きます。
人間の能力には違いがあり、ウォーレン・バフェット(米の著名な投資家)なら約20%で回します。そんな有名ファンドマネージャ一人の腕に掛けたら危ないので、6本くらいの腕でポートフォリオを組もうと説明しているんです。要は、『バフェットみたいな天才がいるから、それに乗ってみない?」という提案です。

バフェット氏は長期間にわたってハイパフォーマンスを残している偉大な投資家です。高岡氏は彼が天才だと褒め称えます。

バフェット氏を褒めたのならバフェット氏の銘柄であるバークシャー・ハサウェイ株を組み入れるのが普通の考え方です。しかし、高岡氏は天才バフェットを除外します。
バフェットのような天才に投資しようと言いながらバフェットを外すのが、おくゆかしい高岡氏流なのでしょう。凡人や金融関係者には理解できない深遠な考えがあります。
(「バークシャー株を買うだけなら普通の証券会社で買えてしまって手数料を取れないから」とか言ってはいけません)


さらに続きます。
彼らのような海外ファンドがどんな運用をしているかは企業秘密だから、たしかに我々には分からない。でも、(時間と情報のない)サラリーマンが自分で売買するよりマシですよね?

これも至言です。
アブラハムは海外ファンドがどんな運用をしているか情報を持っていないようです。しかし、情報がないアブラハムの助言に基づく売買は情報がないサラリーマンよりマシという、これまた哲学的な深遠な回答です。
(「同じく常識がないならプロの意味なくない?」と言ってはいけません)


このような生業を行うのであれば、是非とも参考にしたい非常に素敵ないつかはゆかしアブラハム社高岡社長でした。