2008年1月11日のエントリーで経済評論家とされている荻原博子氏が、「小麦や原油などの値上がりを根拠に2008年は食費40%アップ」を唱えていたことを紹介し、疑問を投げさせていただきました。

【反論根拠】
○最終小売価格は、小麦や原油コスト以外のコストの比率が高いので小麦や原油が多少上がっても40%も変動しない
○値段が上がれば需給調整で代替品に置き換わるので、原油価格も青天井には上がらない



どうなったのか。


まず、2008年12月の物価上昇率(消費者物価指数=CPI)は101.1で1年前と比べて+0.2%です。ほとんど横ばいと言えるでしょう。


そして、食料の消費者物価指数は農林水産省のページにある『我が国における生鮮食品を除く食料の消費者物価指数の推移』を見ると、食品全体で104.5。生鮮食品を除く食料で104.6です。1年前と比べて約4ポイントのアップです。確かに食品価格は急激に上昇しましたが、40%には遠く及びません。

このように全体で見ると4%程度の値上がりなので、すでに40%という極端な数字には届かないのですが、ひょっとしたら荻原家で食べる食材に限っては40%強なのか!?ということに一縷の望みを託して、個別商品の小売価格の全国平均値の推移を見てみましょう。

通常店頭価格の全国単純平均値の動き 平成21年1月分

チーズで37%、マーガリンが30%、かまぼこが21%程と頑張って値上がりしてくれています。しかし、それでも単品でさえも40%の値上がりには届きません。



素人の私でさえ、全世界的大干ばつや戦争や経済封鎖などで極端な供給不足が起こらない限り物価上昇は無限には続かないことは分かっているわけで、事象ながらも経済評論家を名乗る荻原氏はあまりにも無責任な発言でしょう。福澤アナウンサーなども一生懸命物価上昇を煽っていましたが、どうなんでしょう。ちょっとこれはあまりにも無責任な言いっぷりでは・・・なんて思います。

叩きたい人間の発言は露骨なまでに編集して報道しておいて、「無責任」呼ばわりするクセに、自分の発言については一切責任を持たないというスタンス。そんなにテレビ局ってえらいのか・・・