吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



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東洋経済『投資信託嘘と本当』の嘘 3(4?)

東洋経済7/5号『投資信託嘘と本当』の中の『投信の常識11のウソ?』に対する批判編その3 (その4?)です。

関連エントリー
東洋経済(松尾健治?)はバ○ですか?
東洋経済『投資信託嘘と本当』の嘘 1(2?)
東洋経済『投資信託嘘と本当』の嘘 2(3?)

【8. バランス型ファンドの配分は理想的ではない】について今回はツッコミを入れてみます。


この記事の要点は以下の通り。
 この「バランス型」という名称を聞くと、まさに攻守のバランスが取れた理想的なファンドというイメージが先にたつが。はたしてそれは本当だろうか。
 たとえば、手元に1000万円の資金があるとする。このうち500万円を円建ての預貯金、200万円を日本株ファンド、100万円を米国株ファンドで運用している人が、残り200万円をバランス型ファンドに投じたとしよう。それも、最近人気の国内外の株式、債券、不動産に均等に投資するタイプだ。その中には日本株や米国株も含まれているはずだ。しかし、すでに日本株ファンドや米国株ファンドを保有している人にとっては、この部分については完全にダブってしまう。バランス型ファンドのファンドマネージャーが苦心して考えた運用比率が、全く意味をなさなくなる。

この記事のツッコミは難しいです。
なぜなら、あまりにも的を外しすぎているからです。

この主張を一言でまとめると「バランス型ファンドの配分が(万人にとって)理想的でない」という主張です。

これって・・・常識ですか???????
このテーマは投信について常識として語られていることにツッコむって企画ですよね????

世界中で誰1人として「バランス型ファンドの配分が万人に理想的である」なんて言っていないと思うのです。

バランス型ファンドが他の資産状況などに依存せずに全ての人にとって理想の配分だというなら、皆1万円だけ買えばいいわけです。
1万円分バランス型ファンドを持っていれば、バフェット氏でもワーキングプアの人であっても資産が理想の配分になる。


そんなわけあるかい!!



個人の資産状況、年齢によって変わる?

当然です。
それに同じ人でもバランス型ファンドへの投資額によっても変わるでしょう。私が1万円買うのと、100万円買うのでは全資産における資産配分は変わるのですから。
バランス型ファンドの"バランス"とはあくまでリスク資産の投資で、リターン/リスクのバランスを考えて効率フロンティア上のポートフォリオになっているなどというバランスを指しています。



いつ、どのバランス型ファンドの運用会社が「このファンドは全ての日本人にとって、他金融資産も含めて資産運用における最適な金融資産バランスを提供する」と言ったのでしょう?
専門家の誰が言ったのでしょう?
どのブログでそんなことが書かれているのでしょう?

これは世間に存在する○○入門者セット、パッケージ旅行プラン、幕の内弁当などに対して、「これは万人に対して理想的なプランではない」と怒っているようなものです。そりゃ、生まれたての赤ちゃんと若者と老人では適切なものは全く異なりますよ。
あくまで全体像からイメージされる平均像を取って「まあ、こんな感じかな」と提供しているのが通常のパッケージ/セット商品です。
カトラリーセットを買って「うちにはフォークだけはあるからこのカトラリーセットはセットとしておかしい!!」なんて言う人はいません。
フランス料理のコースメニューとメインディッシュを同時に注文して、「メインが2品もあるぞ!!」なんて怒る人はいません。
もしいれば、おかしい人扱いでレストランから摘み出されるのがオチです。

それと同じで「バランス型ファンドの配分が万人にとって理想的である」なんてことを常識と思っている人はまずいません。
いるとすれば余りにもモノゴトを知らなすぎる人でしょう。


毎日新聞がWebの英語版でありもしない捏造記事を掲載していたとして問題になっていますが、これも捏造度では同レベルです。
少数意見を誇張したならまだしも、ほぼ存在しない意見を常識として祭り上げるなど最悪です。


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@吊られた男







東洋経済『投資信託嘘と本当』の嘘 2(3?)

東洋経済7/5号『投資信託嘘と本当』の中の『投信の常識11のウソ?』に対する批判編その2 (その3?)です。

先のエントリーでは【1. 投資の鉄則、長期投資は儲からない?】について書きましたが、今回は【3. 分散投資ではもはやリスクは回避できない?】です。


これも酷いです。
記事をご覧になっていない方のために簡単に説明すると

○1995年-2007年の「TOPIXとハンセン指数」「TOPIXと韓国総合指数」の年毎の相関
○1995年-2007年の「S&P500とFTSE」「S&P500とMSCI新興国」の年毎の相関

これをグラフ化して相関が高まっているという主張です。


何が変か?


●ここが変だよその1:比較対象
何故TOPIXの比較対象がハンセン指数と韓国総合指数でS&P500の比較対象がFTSEとMSCI新興国なのでしょうか?
ひょっとしてTOPIXとFTSEを比較すると都合が悪いからその比較をやめたのかもしれません。またはS&P500とハンセン指数では都合が悪かったのかもしれません。

「昔は相関係数が低くて最近は相関係数が高い」と著者に都合のいい比較対象だけ選別しているように思えます。

いずれにしても、上の比較だと「TOPIXとハンセン指数」「TOPIXと韓国総合指数」「S&P500とFTSE」「S&P500とMSCI新興国」の相関性が高まっていると言っているだけです。
S&P500とFTSEの相関が高まっても、それらとTOPXとの相関が低くなっていれば分散効果アリですから、株式の分散効果が薄れていると主張するなら、世界中(せめて主要株式市場)に分散した時の分散効果が薄れていると主張しなくてはいけません。
企業研究では当然で、大学生の論文でもこんなデータで話をしたらF評価です。


●ここが変だよその2:比較期間
何故に1995年からのデータなのでしょう?
10、15、20年でもなく13年間という中途半端なデータというのは何故でしょう?ここにグラフ作成者の意図を感じます。1995年はちょうど相関係数が低い年で、都合がよかったのでしょうか?
1995年の相関係数は以下の通りです。
 ・TOPIXとハンセン:0.2
 ・TOPIXと韓国総合指数:0.2
 ・S&P500とFTSE:0.6弱
 ・S&P500と新興国:0.4弱

ちなみに1998年の相関係数は以下の通りです。
 ・TOPIXとハンセン:0.2
 ・TOPIXとKODAX:0.4強
 ・S&P500とFTSE:0.8弱
 ・S&P500と新興国:0.7弱

1998年-2007年の10年間で区切ってしまうと、2007年と比較されるべき1998年の相関係数が高く出てしまいます。(特にS&P500と新興国の相関は2007年より高い!!)
つまり10年区切りだと筆者に都合が悪かったようです。そう考えると15年区切りも都合が悪かった!?

だから、相関係数が低くて、それなりに長期と認められる都合のいい期間として1995年から13年間を比較期間に選んだのかな♪


●ここが変だよその3:相関性が上がっている?
なお、上の2つのことに目をつぶってグラフを見たとしてもおかしな点があります。グラフを見ると2007年のTOPIXとハンセンの相関係数が0.7台となって高くなったと言っていますが、以下のように2002年から2006年にかけてはほぼ一本調子で下落しており、2007年だけが異常値と見えなくもありません。
2002年:0.6弱
2003年:0.45程度
2004年:0.45程度
2005年:0.3程度
2006年:0.3強
2007年:0.7強

他の比較を見てもそうです。
S&P500とFTSEの相関なんていい加減です。
2006年、2007年の相関は0.8程度ですが、0.8前後なんて数値は1998年、2001年、2002年、2003年と何度もなっています。ここ10年で見ると、0.6前後〜0.8前後の間を行ったり来たりです。

結局、このデータから読み取れることは「相関係数は毎年上下している」ということだけです。
昔から上下動を繰り返していて、ここ2年くらいが相関の高い年だったというだけにも読み取れます。少なくともバラつきが大きく、サンプルが少なくて統計的に有意なデータではありません。


●ここが変だよその4:株式指数だけ
実はこれが一番おかしな話です。「長期・分散投資」という場合、「国内株、外国株、国内債券、外国債券」の基本4資産か、それにREITなどを加えたアセットアロケーションを指すのが一般的です。
しかし、この記事では株だけで比較しています。
これでは、話の中心である分散が成立していません。

『投資の常識 11のウソ?』などとほざいていますが、株だけで分散だなんて常識はそもそもありません。
あるあ○大辞典のごとき捏造ですね。

しかも、株式指数だけの比較で為替を思いっきり無視しているようです。外国の株式や債券への投資では為替が重要なのは言うまでもありません。ちゃんと投資信託のリスクの説明にもデカデカと「為替リスクがあります」という注意書きがあるはずです。

外国株式に投資する投信の基準価額は株価×為替で決まります。仮に株価指数の相関が強くなっても為替レートが逆相関であれば、投資信託同士の相関が低くなることはあります。

分散投資におけるリターンの分散効果という話であれば、為替レートは避けて通れない変動要因のはずなのですが筆者は為替というものを知らなかったようです。




続いては【8. バランスファンドの配分は理想的ではない】について書いてみます。


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@吊られた男



東洋経済『投資信託嘘と本当』の嘘 1(2?)

○関連エントリー
東洋経済(松尾健治?)はバ○ですか?

東洋経済7/5号『投資信託嘘と本当』の中の『投信の常識 11のウソ?』という中にある「ネット証券の手数料が高い」という記事がおかしいとして書かせてもらいましたが、他にもおかしな記事がいくつかあります。

それが以下の3点です。
1. 投資の鉄則、長期投資は儲からない?
3. 分散投資ではもはやリスクは回避できない?
8. バランス型ファンドの比率は理想的でない?


【1.投資の鉄則、長期投資は儲からない?】について

当市の教科書に必ず書かれているのが、「長期投資による資産形成」だ。
 だが、現実には長期投資が機能していないことは、日経平均を見ればすぐにわかる。
日経平均のバブル時代から今までの推移でもって、長期投資が儲からないと主張しています。これっておかしいですよね。

投資の教科書で「限られたアセットに絞った長期投資で儲かる」と主張している教科書は無いと思います。そのような記述の本があるとしてもマイノリティーでしょう。マジョリティの教科書では「十分に分散投資して長期で持てば」と書いてあるはずです。【長期】【分散】の2つの要素が揃ってこその主張です。
それを分解するのは卑怯か頭悪いかのどちらか。

サッカーで「点を取って、点を取られなければ勝てる」という意見に「点を取っても勝てるとは限らない」とか「点を取られなくても勝てるとは限らない」と反論しているようなものです。




さらに!!!!
蛇足としておかしい主張があります。
ここには我等がエースの松尾健治氏登場します。

その主張とは・・・
【相場が右肩下がりではドル・コストでは損が拡大】
です。
 だが、ドル・コスト平均法を使っても、相場が右肩下がりのときには、損が毎月増えていくだけ。タイミングの分散をするにしても毎月銀行からの自動引き落としではなく、自分なりの投資判断は必要だろう。
 「ドル・コスト平均法は資産が少ない人が資産を毎月積み立てる目的として使うべき。でも積み立てるほど資産の下落リスクは増えることは認識
すべき」と、ドイチェ・アセット・マネジメントの松尾健治金融情報部長は言う。
マジで頭おかしいのでしょうか????

凄いですね。
「右肩下がりの時、ドル・コスト"では"損が拡大」です。「ドル・コスト"では"」ですよ。

ドル・コスト"では"損が拡大するということは、他の方法"では"損が拡大しないということを意味します。

相場が右肩下がりならば、ドル・コスト平均法に限らず同口数買付もタイミングを図っての購入でも、一括購入でも全部損が拡大すると思うのですが、これは私の頭が悪いのでしょうか?
100万円投資していて相場が右肩下がり時はタイミングを図って購入してもさらに下がるのですから損は拡大するはずです。一括で購入していれば、もっと損が増えます。

どうして右肩下がり時にドル・コスト平均法だと損拡大で、自分の判断で投資タイミングを分散することが解決策になるというのでしょうか?

普通に考えると、右肩下がりの相場で損を拡大させない方法は早期に右肩下がりを読みきって全部キャッシュポジションにすることでしょう。
##この記事で長期投資派のカリスマと持ち上げている
##さわかみファンド(澤上篤人氏)でも、この方法での
##損失回避は一度も達成できていません。
##タイミングを計っているさわかみファンドも右肩下がり
##相場では、ごきげん買いという名の下にどんどん株を
##購入してきっちり損を拡大させています。
##損を回復するのは、相場が底を打って上昇相場に
##なったときです。


または空売りを仕掛て利益を出すかですね。


やはり「ドル・コスト平均法"では"損が拡大する」の意味が全く分かりません。「ドル・コスト平均法"でも"損が拡大する」の誤植でしょうか?それにしてはタイミングを図るべきとか書いてあるから誤植では無さそうですし・・・

ドル・コストだろうが、タイミングを計ろうが、一括購入だろうが、相場が右肩下がりであれば買えば買うほど資産の下落リスクは増えるはずです。


つまり、この記事を書いた人は、大きく根本から間違っているということでしょう。
少なくとも私はそう解釈しました。


【3. 分散投資ではもはやリスクは回避できない?】に
ついて次のエントリーで書いてみます。


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東洋経済(松尾健治?)はバ○ですか?

東洋経済の7/5号を買いました。
特集は『投資信託 嘘と本当』です。

この中でいくつか「これおかしくない?」と思う点があり、それについて書かせていただきます。

まず一番あり得ない!!と思ったのが、
長期投資に分散投資、投信のテキストに必ず書かれている鉄則が、実際にはまったく機能していない。
ほかにもネット証券の手数料からご当地ファンドの運用内容まで、調べてみたら、実態は全く異なっていた。
というコンセプトの『投信の常識 11のウソ?』という特集の「ネット証券は実は手数料が高い?」です。

これがもう酷い。酷すぎる。

「ネット証券の手数料は銀行よりも高い」と称して比較しているのですが、比較方法が酷い。
なんと、その金融機関で取り扱っている投信全部の単純平均販売手数料/信託報酬を算出して比較しているのです。

これはビックリですよ・・・

 お店Aお店B
商品A1000円1500円
商品B2000円3000円
商品C3000円4500円
商品D4000円6000円
商品E5000円7500円
商品F10万円取り扱い無
単純平均価格19167円4500円

上のお店Aとお店Bのどちらが安いというでしょうか?
単純平均価格で比較してお店Bですか?
お店Bで売っているものはお店Aでは全て2/3の値段で売っています。普通に考えてお店Aが安いという結論になるでしょう。少なくともまともに日本の義務教育を受けていればAの方が安いという結論に達するはずです。


しかし、東洋経済&松尾氏の考えだとお店Bが安いお店だそうです。なんと、東洋経済&松尾氏は
松尾氏が現在販売されている投信3000本について、販売会社ごとに異なる販売手数料を集計した結果、ネット証券の販売手数料は有店舗型の証券会社よりは安いが、銀行・信金よりは高いという結果となった
と結論付けています。


あり得ません・・・


加えて言うと結びの2文も秀逸です。
実際にネット証券のホームページを見ると、有店舗型と同じ販売手数料率の商品もある。これに限ってはネットで買う利点は見当たらない
オイオイ ^^;

その記事の隅の表にネット証券だと売買は「24時間いつでも可」と書いてあるじゃないか。記事内でインタビューに答えているSBI証券の方も「ネットなら休日や夜間など、いつでも購入できる」と販売手数料以外のメリットを説明しているじゃないか。

それは無視ですか!?

それなのに
ネットでの購入に及び腰な個人が懸念するように、コンサルティング機能が不足しているのが、ネット証券の弱点である。
と同じ比較表に書かれているネット証券のデメリットだけは取り上げてます。


こいつらは真性のバ○か?


いずれにしても・・・これだけは言える!!

「あえて言おうカスであると!」

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