吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



資金流出入

投信の資金流出入は前月の流入から流出へ

投信から資金流出続く、原発不安でキャッシュニーズ高まる (ロイター)
個人の資産運用ツールに使われている投資信託において、4月に入り資金流出が続いている。震災後に落ち込んだ残高や資金流入も3月末までには震災前の水準に戻ったものの、月が替わると流れは一転し、海外債券型と海外株式型から資金流出が続いている。
野村総合研究所によると、追加型株式投信の4月1日から14日まで10営業日の資金動向は合計で3614億円の流出超となった。中でも同期間の海外債券型からは2279億円が純流出、海外株式型からも1351億円が純流出した。

 その一方で、海外不動産投信型は連日流入超となっており、同期間では763億円の純流入だった。また国内株式型については同16億円の純流出、日経平均インデックス型も同21億円の純流出

東日本大震災があったものの3月は資金流入だった投資信託ですが、4月は14日まででは大幅に資金流出となっているようです。
震災によるキャッシュニーズ増加が理由と推測されています。この理由には一定の説得力はあります。これが正しいとすると、しばらくは資金流出圧力が続くのでしょうか。

また、資金流出ファンドの特徴もおもしろいところです。日本で大震災→日本株から流出ではなく、海外債券や株式からの流出が大きいというところも興味深い。
このブログでも不定期に投信の資金流出入をチェックしていますが、先のエントリーの2011年の投信のテーマと合わせて、今後はどんな投信に資金が集まり、どの投信から資金が流出するのかは注目です。







グロソブと野村とUS REIT (2011年2月の資産流出入)

QUICK MoneyLifeで『2011年2月・投資信託(ファンド) 月間資金流入額ランキング』が発表されていました。

感想を3点。

(1)右肩下がりのグロソブ
2011年2月の資産純流出は690億円。金額ベースでは2位にダブルスコアをつけたダントツの資金流出ファンドです。そろそろグロソブに見切りをつける顧客切れになるかもしれないと思っているのですが、まだ順調に資産が減少しています。


(2)さすがの野村
何度も褒めていますが、野村はさすがです。資金流出額ランキングトップ10は以下の通り。

1位: グローバル・ソブリンオープンン毎月決算 [-690億円]
2位: 野村エマージング債券投信(ブラジルレアル) [-304億円] -2009年11月設定
3位: JPM世界鉄道関連株投信 [-233億円] -2010年1月設定

4位: グローバル好配当株オープン [-223億円]
5位: ダイワ・グローバル債券゙毎月 [-141億円]
6位: マイストーリー分配型(年6回)B [-121億円] -2005年5月設定
7位: グローバルREIT投信(レアル)毎月 [-118億円] -2009年12月設定
8位: 野村クラウド&スマートグリッド関連株投信B [-111億円] -2010年4月設定
9位: グローバル・ハイ・イールド資源国通貨毎月分配 [-109億円] -2010年4月設定

10位: 高金利通貨ファンド [-105億円]

上で青字&太字になっているのは野村関連のファンドです。野村AMが運用会社になっているものと野村證券が窓口となって売っているファンドです。
絶対王者グロソブの壁は厚いですが、2位と3位を含め6ファンドを純資産流出ランキングに送り込んでいます。この本数も凄いですが、その特徴に注目です。
資金流出している投信は、最近設定された投信が多いのです。マイストーリーを除いては2009年11月以降の設定です。
2009年末から2010年に1千億円規模の資金を集めておいて、1ヶ月で100億円以上の資金流出となっています。これがグロソブの国際投信ように漏れていっているだけならダメですが、野村が凄いのは、野村としては伸びていることです。大量の資金が流出しているにもかかわらず野村AMの資金流入が832億円のプラスのように野村としては成長していることです。

この野村関連の資金の動きを見ていると、2010年頃にこれらの野村関連の投信を買った顧客が、違う野村関連の投信に乗り換えている姿が想像できます。
これは2010年には3%強の販売手数料を取って、翌年にはその資金で新しい投信を買ってもらうことでまた3%強の手数料を稼いでいることを意味します。この野村のビジネスモデルは強い。この圧倒的な力を見せ付けられては、ネット証券4社も『資産倍増プロジェクト』という共同プログラムを立ち上げたくもなります。


(3)US REITが強い
資金流入側を見ると、フィデリティ・USリートや新光US-REITのように上位にUS REITが見えます。他にもグローバルREITも資金流入側にいくつかランクインしています。私は投資していないアセットです(厳密に言うと株式でわずかに含まれている)が、REITは人気ですね。



資産流出入額から見る 野村と大和の違い!?

こっそり、毎回楽しみにしているのが、QUICK MoneyLifeの毎月の投信資金流出入ランキング

2010年4月の資金流入トップ30と資金流出トップ30はこちら
(ちなみに2010年3月はこちら)


最近は、野村や大和など大手証券会社は通貨選択型ファンド、人気地域投資ファンド、テーマ型ファンドをいくつか提供しています。
そのせいか、野村が先駆者で大和はその後追いをする形で同類と考えてしまっていていました。しかし、資産流出ランキングを見ると、野村と大和をひとくくりにしてはいけないような気がしてきました。




資金流出ランクの上位を見ると、野村の北米REIT投信(ブラジルレアル)毎月が最近の資金流出ランクの王者グロソブを抜いて1位に君臨しています。
3位のJPM世界鉄道関連株投信と4位野村世界不動産投信も野村のファンドです。
野村はこの他にもトップ10にフォルティス中国環境関連株式投信マイストーリー分配型(年6回)Bコース新米国ハイイールド債券投信(レアル)毎月が入っています。
##JPM世界鉄道関連株投信フォルティス中国環境関連株式投信
##運用会社はJPモルガンやフォルティスですが、募集は野村証券が行った
##ので野村扱いとして考えています。


このように資金流出トップ10に野村関連のファンドが6つもランクしています。
しかし、私が注目したのはその数ではありません。
注目したのはこれらのファンドの設定時期です。

2009/10 : 北米REIT投信(ブラジルレアル)毎月
2010/01 : JPM世界鉄道関連株投信
2005/07 : 野村世界不動産投信
2009/12 : フォルティス中国環境関連株式投信
2005/05 : マイストーリー分配型(年6回)Bコース
2009/05 : 新米国ハイイールド債券投信(レアル)毎月

なんと、6本中4本がここ1年以内に設定されたファンドです。
設定時にはもの凄い資産を集めたということでニュースになったファンドたちですね。
JPM世界鉄道関連株投信に至っては2010年1月に設定です。このファンドは申込手数料が3.675%もかかるのに、設定間もない時期に総資産の約25%が流出する事態です。


一方、大和のファンドを資産流出ランキングで探してみると、いくつか見当たりますが、設定間もないファンドは載っていません。

こう書くと、「それは大和は資金が集まっていないから流出金額も小さいんじゃないの?実は大和も同じようなテーマ型ファンドの資金の流れは野村と同じじゃないの?」という意見もありそうです。

そこで、大和の通貨選択型ファンドであるエマージング・ボンド・ファンド・ブラジルの最近の資産推移を見てみました。野村からは2つのレアルファンドが資産流出ランキングトップ10に入っていましたが、大和のこの看板レアルファンドはどうでしょうか?
エマージング・ボンド・ファンド・ブラジルは3月1日に781億円だった資産総額が2ヶ月後の4月30日には1120億円に増えています。この間の基準価額は、10368円(3/1)→11618円(4/30)ですので、明らかに基準価額の上昇だけでは説明がつかない資産総額の増加になっています。


■結論■
野村も大和もテーマ型や流行のファンドを設定する点では共通している。しかし、その後の販売戦略が違う。こう推測されます。

【野村の方針】
野村は資産流出ランキングに設定間もないファンドを多く滑り込ませていますが、同様に新規設定ファンドを資金流入ランク上位に多く滑り込ませています。2010年4月はトップ3を野村の新規設定ファンドが独占です。
この資金の動きから推測できるのは下記。
「野村は次々に新しいテーマのファンドを設定し、そのたびに旧テーマ型ファンドから新テーマ型ファンドへ買い換えるように顧客に勧めている」

【大和の方針】
大和も2010年4月の資金流入ランキングに次世代輸送関連株ファンドを送り込んでいます。しかし、それでも上に書いたようにエマージング・ボンド・ファンド・ブラジルから特別に資金が流出しているようなことはありません。つまり、
「大和は野村の後追いの形で新しいテーマのファンドを設定しているが、旧テーマ型ファンドから新テーマ型ファンドへの買い換えるようはそれほど顧客に勧めていない」


野村と大和の両社にはこんな違いがあるように見えるのですが、どうでしょう。



私の著書 - ズボラ投資
「毎月10分のチェックで1000万増やす! 庶民のためのズボラ投資」
連絡先
私への連絡は下記メールアドレスまでお願いします
tsurao@gmail.com

tsuraolife_banner_s

follow us in feedly

にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ


Recent Comments
ブログ内記事検索
PR
お勧め銀行・証券会社
■証券会社■
○SBI証券

○セゾン投信


■銀行■
○住信SBIネット銀行


■401k(確定拠出年金)■
○SBI証券
タグ
Archives