吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

言い訳としての長期投資で「長期投資を言い訳に使うな」といった感じの主張をしました。

そのエントリー同様に短期投資での言い訳の代表的なものを1つ上げさせてもらうと、それは


利食い千人力


これになるでしょう。ただ、びびって薄利決済しただけなのに利食い千人力と使われているケースも散見します。

利食い同様に損切りも明確にしているならいいです。それなら利食い千人力も意味を持ちます。
しかし、損を確定することを嫌がって「相場は一方向に動かない。きっと戻るはず」と損切りは遅らせながら、利益確定だけは含み益が無くなることを恐れて決済が早くなっているケースが残念ながら見られます。



・利食い千人力　
・相場は一方向に動かない

この言葉はどちらも正しいです。しかし、これを自分の都合のいいように組み合わせるのは反則です。この格言が通用するにはその前提条件があります。それを無視して格言を切り貼りしてはいけません。


さらに調子に乗って言うと、ひどい場合は損小利大が入ってきます。

・損小利大
・利食い千人力　
・相場は一方向に動かない

昨日は損小利大といっておいて今日は塩漬けかよ・・・なんてなります。


先日の「言い訳の長期投資」でもそうでしたが、一つ一つの格言そのものは間違っていないケースがほとんどです。しかし、それをその都度自分の失敗を認めない方向に組み合わせているケースになると急増します。
別に長期投資でも短期投資でもアクティブでもパッシブでもいいと思います。ただ、言い訳のためだけに都合のいい部分を組み合わせるのだけは勘弁願いたい。

##こんなことを書くと敵を増やしそうですが


「長期投資」

最近になって、この言葉はだいぶ市民権を得てきたようです。しかし、それが故に失敗の言い訳に使われているケースも散見されます。



「株価が下がっても長期投資だから別に気にしない」


こんな主張をよく見かけます。これは、長期投資の教科書にも載っている長期投資の重要な要素の一つです。実際にそう考えている長期投資家の人もいるでしょう。

しかし、これを悪用している輩がいます！！
どんな輩かというと、株価下落局面では「長期だから気にしない」と言いながら、株価がちょっと上がると「1週間で50%も上がった」とか言って短期での値上がりを誇らしげに語る輩です。
これはただのご都合主義です。


以下のような話もありました。
- - - - -
株価が大幅下落中のある金額で優良企業A社の株を大量購入。「長期で見るとこの優良株をこんな激安値段で買うのは絶対得」という趣旨の発言
→さらに半額まで下落して大量にナンピン
→さらに半額まで下落して大量にナンピン
→底値から急激に3倍くらいに戻ったところで、最初に購入した金額までも戻っていないが、「私の言った通り」発言
- - - - -

これは何重にも卑怯です。突っ込みたくもなります。
株価の上昇だけは短期で都合よく取り上げています。また、2回も大量にナンピンできている時点で初回の購入は大量ではありません。初めの時点で株価が回復していたら大量購入した自分が正しかったと言いたかったのでしょうか！？　いずれにしても完全に後付け言い訳のオンパレードです。

さらにその後にオチとして、反発したラインから株価は急落して、当初の激安認定ラインの1/10以下にまでなってしまった。こうなったら急にこの話題に触れなくなりました。言い訳も尽きてしまったということでしょう。


こんな感じで、短期の株価の値動きに一喜一憂しているクセに、失敗した時だけ都合よく長期投資という旗を振りかざす人も増えているような気がします。



本当の長期投資なら、株価が下がっても気にしないだけでなく株価が上がっても気にしないはずです。長期投資という言葉を問題の先送りのための言い訳に使うのは何とかならんですかね。
科学vsエセ科学のように長期投資vsエセ長期投資のようにどこかで論争が起こってもいい気がします。