第一生命経済研究所の『なぜ、家計は貧しくなったか(給与所得者編) 〜報酬還元の不全、賞与は削減され、労働時間は延長〜』というレポートを見つけました。

ここで面白かったのは3ページ目にある「図表6 一般労働者の労働時間の差」「図表7 増加していくパート労働者の平均時給」。

特に「図表7 増加していくパート労働者の平均時給」は興味深い。(目盛りが間違っているのはご愛嬌?)
1994年から2010年までのデータで、2000/2001年あたりで少し下がっていますが、リーマンショックがあってもパート労働者の時給はほぼ右肩上がりです。2005年あたりから2010年までは上昇幅が大きくなり、特に2007年くらいから2009年までが急速に上昇しています。最低時給が大きく問題として取り上げられたことが理由かもしれません。
一方、一般労働者の時給は日本株の株価のごとく1998年をピークにずるずると下がっています。

元々崖っぷちの人が押されると崖から落ちてしまうという点ではパート労働者のダメージは大きかったでしょう。しかし、この時給の推移のように、何でもかんでもパート労働者や非正規社員にしわ寄せが行って一般労働者が難を逃れていたわけではないという点はしっかり認識されるべきでしょう。