吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



最大損失

投資の最大損失は、年間リターンから-2σじゃないですよ

【投資商品には期待リターンとリスクがあります。期待リターン7%/リスク20%の商品の場合、想定最大損失は-33%です。】

Buy&Holdを前提とした投資では、上記のような説明をされることもあります。

しかし、これは投資における最大損失の見積もりでは無い点に注意が必要です。
「正規分布じゃない」「-2σが下方リスクの最大とするのは甘い」というツッコミもありますが、今回はそれではありません。
ポイントは期間です。

 ×投資期間中の最大損失額
 ○1年後の想定最大損失額

最初の文言は年率リターン/リスクの話であり、1年後に想定される最大損失額が-33%(-2σ)という予定です。ある年に-33%(-2σ)となった場合も翌年マイナスにならないわけではありません。

 ・100万円→67万円→?

100万円が-33%で67万円になりました。さて、この67万円の翌年の成績は?
-1σかもしれません。そうすると67万円→58.3万円です。


一般的に-2σなどと言われるリスク(リターン)は年率の話ですので、年間の想定最大損失と通算の最大損失を混同してはいけません。混同するとリスクを過大に取ることになりかねません。(上の例では-33%が最大と思い込んでいたら、実は-41.7%になってしまった)







長期分散投資の各アセット間の相関係数は何を使うべきか?

「複数のアセットに分散投資しておくと、あるアセットが値下がりした時に、あるアセットが値上がりしたりするのでリスクが軽減できる。」

分散投資の意義を伝える時にこのような説明がされます。
これは真でしょう。昨今の金融危機下でも、この効果は発揮されました。分散投資していても損していた人は多いですが、集中投資で外した人よりははるかにダメージは小さかった。


この分散投資の分散効果を試算するために相関係数を使うことがあります。相関係数がマイナスや0であるようなアセットを組み合わせるとリスク分散効果が高いということです。

さて、それでは相関係数はどんな数字を使えばいいのでしょうか?
相関係数の誤解(梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー)にもあるように、相関係数はその時々で大きく異なります。一定ではありません。どのデータを使うかで大きく異なります。


私の、長期分散個人投資家へ対する推奨は今回の金融危機の時のように「(1)相場不調時(2)相関が強まった時の数字」を使うことです。
これは、「個人投資家が一番懸念すべきことは許容できる最大損失額を超えないこと」と考えているからです。

2008年頃からの金融危機でも見られたように、世界的な金融危機下では各アセット間の相関が強まるという主張もあります。世界的に景気が悪くなると株式も下がれば、不動産価格も下がり・・・といろいろ相関も高まっても不思議ではありません。
長期分散個人投資家にとって最大のマイナス時はこの時です。この時に許容最大損失額を超えなければ、長期投資を続けられます。


悪いケースは、相関係数の長期間の平均値のような一見妥当そうな数字を使って分散効果を想定したのに、今回のような金融危機にぶつかった場合です。
数学的にはこれで正しいでしょうが、個人投資家が懸念すべきはリスクの大きさではありません。個人投資家が最も気にかけるべきは損失方向の可能性です、特に最大損失です。
最大損失=ワーストケースですので、「今回の金融危機の時のように、(1)相場不調時(2)相関が強まった時の数字」を使うべきでしょう。



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