吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



時間分散

補足:非合理な時間分散投資

やはり時間分散は非合理的な選択肢には多くのコメントを頂きました。


少し意図と違う解釈がされてしまった面もあるので補足しておきます。

●投資方法
ケーススタディの質問で「長期分散投資をする場合、(中略)時間分散をした方がよいのでしょうか?」と書いたように、長期分散投資の場合の話です。
「上がると思った相場では資金を一気に入れて、下がると思った相場では一気に資金を入れない」「上がったら売る」のような相場の先行きを読んでの短期投資ではありません。これはタイミング投資です。


●投資額
ケーススタディで挙げた1000万円は30年間長期分散投資していいという投資用資金です。つまり投資していい余裕資金です。1000万円は決して小さい金額ではありませんが、日本国債と銀行預金で5000万円持っている人にとっての1000万円くらいは投資の余裕資金でしょう。

1000万円に設定しましたが、100万円でも1億円でもいいのです。長期保有として突っ込んでいい投資用資金を一括ですぐに投資するか時間分散するかという話でした。


そして、長期保有するつもりなら初めから一括投資した方が有利であり、それがリスクを取りすぎというのであればアセットアロケーションでリスク資産の割合を減らすなどして対応した方がいいのではないかと思っています。







やはり時間分散は非合理的な選択肢

以前のエントリーでも書きましたが、「時間分散しよう。まとまった資金を一度に入れずに分割して投入した方がよい」には異議があります。
今回は2つのケースを比較してみます。

≪ケース1≫
・35歳男性、65歳まで30年長期運用の予定
・投資に回せる金融資産として預金で1000万円持っている

さて、この人が世界の株式や債券に長期分散投資をする場合、一度に1000万円を投資するよりも時間分散をした方がよいのでしょうか?


≪ケース2≫
・35歳男性、65歳まで30年長期運用の予定
・投資に回せる金融資産として国際分散投資の投資信託で1000万円持っている

さて、この人が世界の株式や債券に長期分散投資をする場合、時間分散をした方がよいのでしょうか?

ケース1との違いは、持っている投資用資金が預金か投資信託かの違いだけです。他は年齢も投資期間も金額も投資スタイルも全く同じです。(他の属性も差がないとします)
1000万円を時間分散投資するためには、一度現金化して少しずつ投資していくことになります。



ケース1とケース2で答えは一致したでしょうか?
ケース1とケース2はリスク管理という意味では同じことを聞いています。ある時点で資産価値が1000万円であれば、それが預金であれ投資信託であれ同じものです。その後のマネー行動が同じであれば、最適とされる解も同じになるはずです。


「まとまったお金は時間分散すべき説」は、ケース2のようなまとまったお金を投資済みの人に、一度解約して分散投資しろと言っているのと同じです。
ケース1で一括投資して高値掴みになることが危険ならば、ケース2も1000万円が高値リスクにさらされている点では同じですから、リスク管理の視点からはアドバイスが同じにならなくてはおかしいはずです。

合理性という観点で見た時に、時間分散に意味が無い行為です。



投資の時間分散にはあまり意味が無い

「投資する時には、いきなり全額を投資しないで何回かに分けて買った方がよい」という時間分散が主張されることがあります。

しかし、(完全に無意味とは言いませんが)これは本質的にはあまり意味がありません。

基本的な指摘は山崎道場(Yomiuri Online) の以下の記事あります。
 ・第31回 「時間分散して買う」のは有利なのか
 ・第32回 「ドルコスト平均法」を検証する

これでも十分なのですが、それだけでは芸が無いので一つ意見を書かせてもらいます。


時間分散投資後のリスク問題があります

仮に30歳の人が2400万円の資産すでに持っていて30年間の投資をすることを想定します。
資金投入の時間分散を考えて、毎月200万円ずつ1年間にわたって2400万円を投入したとしましょう。

その1年間に限れば、相場の上がった時にも下がった時にも買うので、1年間の中では割と平均的な価格で買い付けができます。そういう意味では時間分散によって割高な局面で買ってしまうことを回避できたと言えます。

しかし、30年間の投資期間全体で見たらどうでしょうか?
「一括投資」も「1年間の時間分散投資」も1年後にはフルインベストメントで、残り29年間は相場変動の影響を全部受けます。
初めの1年間だけ分散できていれば良いという話ではないでしょう。
30年という期間から見るとその1年間が相場の高値圏ということもあります。30年間の長期チャートを書いた時にたった1年の中で買うタイミングを分けておいたことによってリスクをどれほど低減できているというのでしょうか?


完全な時間分散の効果を得たいのであれば、投資期間全体に分ける必要があります。2400万円の資金なら、毎年80万円ずつ30年間にわたって購入していけばドルコスト平均法の効果が万全です。

しかし、この場合は圧倒的な機会損失が発生します。では半分の15年では?これでも機会損失は大きいですね。では10年では?5年では?3年では?

結局は、時間分散をしても資金投入完了後のリスクはそのまま受けます。かといって時間を延ばせば延ばすだけ機会損失が増えます(プラスリターンを想定するならば不利)。

「一括投資の高値掴→大損」が困るのであればリスクの取りすぎでしょう。投資資金を2/3にしたり、リスクの低いポートフォリオにするべきかと思います。



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