吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



日本株

バリュー vs グロース : 日本株の場合

先のバリュー vs グロースは、「S&P500のバリューvsグロース」と、アメリカの事例での比較で1992年からの20年間では「バリュー有利」という話でした。

我らが日本株も気になったので調べてみました。
利用するバリュー/グロース指数は「Russell/Nomura Total Market Value」「Russell/Nomura Total Market Growth」(共に配当込)です。
JapanStock_Value_Growth

結果は一目瞭然。バリューの圧勝です。

Total Marketは750.43→735.06で0.98倍とほぼ横ばいです。
その期間にバリューは1.39倍と増えており、グロースは0.64倍となっています。

年度別でみてもグロースが勝ったのは20年のうち4回のみです。(1999年は102%とバリューを圧倒)

このデータの期間では、日本株のケースではバリューがグロースに対して圧倒的に優位だったようです。

なお、バリューは2年続けて勝つことはないので、日本株で順張り投資(Momentum)をしていた場合、バリューに負けていたことになります。
※基本的にバリュー投資するが、グロースが勝つ年は全部バリューに投資し、グロースが勝った翌年(バリューが勝つ年)はグロースに投資するため


将来もこの傾向が続くのか…







日本株の規模別パフォーマンス

東証二部の連続値上がりも話題になっています。

そして、投資信託のパフォーマンスを考える時に、その投資信託が何を対象としているかが重要です。
日本株全体のパフォーマンスが不調の-20%で、ブラジル株のパフォーマンスが好調の+20%だったとします。そして、「ブラジル株に投資します」というルールの投信と「日本株に投資します」というルールの投信があったとします。
この環境下で、ブラジル株式投信が+5%の成績を残して日本株投信が±0だった時、ブラジル株投信のファンドマネージャは「俺は+5%だから俺の勝ちだ。俺は優秀でお前は無能」と日本株投信のファンドマネージャに威張れるのでしょうか?
相場全体が+20%ですから、ある意味サルでも+20%といっていい状況です。そこで+5%という成績は誇れるものではありません。
運用の巧拙を語る時には、どの中で勝負をしているかが重要です。



ここからが本題。

先の例では日本株とブラジル株というように一国の株式を一括りにしました。
しかし、同じ国の株式でも規模やセクターに応じてパフォーマンスが違うこともあります。
例えば、東証一部の株式を規模別に見ても随分とパフォーマンスが違います。以下のグラフはTOPIX Core30、TOPIX100、TOPIX Mid400、TOPIX Smallの推移です。
Topix_index

同じ東証一部銘柄でも随分とパフォーマンスが違います。2000年1月1日時点で高いものから順に2012年2月時点では数値が低くなっています。
TOPIX Core30のパフォーマンスは悲惨で約1/4になっています。TOPIX100では約1/3です。
一方、TOPIX Smallは2000年1月とほぼ変わりません。

大型株のパフォーマンスが低調で、小型株が粘った11年間と言えるでしょう。同じ日本株、しかも東証一部という市場においても規模別でこれだけの差が生まれています。

なお、TOPIXバリューとTOPIXグロースでは以下のようになっています。
Topix_index2



日本株の期待リターンが他先進国株より低いとするのはアクティブ運用の一種!?

日本において、「日本株」というアセットと「先進国株」というアセットを分ける方法があります。(私もこの区分で考えています)
その時に、「日本株の将来の期待リターンが先進国株より低い」という意見があります。

各国の株価指数のボラティリティの順位はどの国/通貨に足を置くかで変わってきます。
日本(円)における日本株とアメリカ株のボラティリティを比較するとアメリカ株の方が大きくなります。一方、アメリカ(ドル)における日本株とアメリカ株のボラティリティを比較すると日本株の方が大きくなります。だから、ボラティリティを考える際には為替リスクの無い自国だけを切り出すことには意義もあるかと思います。

しかし、期待リターンの順位はどの国/通貨に足を置いても変わりません。そうすると「日本株のパフォーマンスは低い」としてアセット・アロケーションを組む考え方はどうなのでしょう?

簡単にGoogle先生に相談してみた限りはあまりそのような情報は見つかりません。中にはアメリカはもう終わりという意見などと同じように日本はダメという意見もありますが、先進国の中で日本だけが際立ってダメだという風潮ではありませんでした。
「アセットアロケーションはアート」だとも言いますが、このように自国株式だけの期待リターンを低く見積もるのは、個人の思惑の範疇に入るように思えます。
その思惑に従って、期待リターンが低いと思われる国のウェイトを下げて他国のウェイトを上げるのですから「MSCI World Indexをベンチマークとするアクティブファンド」の運用に近いと言えるのではないでしょうか?

日本の期待リターンが先進国平均より低いと計算できるならば、他国も算出できるはずです。日本株の期待リターンが低いと考える方々はこのあたりをどう考えているのでしょうか。



日本株は長期分散優待投資も有り

過去のエントリーでも書いている通り、長期分散投資をしています。そして長期分散投資を実現する手段として投資信託(ETF含む)を利用しています。

しかし、日本株においては投資信託を利用せずに現物株で保有することも検討しています。

投資信託の信託報酬がもったいないということが理由のひとつですが、もう1つの理由は株主優待

投資信託では、株価の上昇配当は現物株保有の場合と同じ利益を受け取ることができます。しかし、株主優待は現物株と投資信託で大きく異なります。
現物株保有の場合は投資家自身が株主優待を受け取れますが、投資信託の場合は投資信託へ株主優待が払われます。何千、何万という投資家から資金を集めていてもそこには5000円券程度しか配られません。投資信託側ではこれを極力換金して分配してくれているようですが、ほとんどリターンには影響はないでしょう。つまり、投資信託を通じて投資している場合、株主優待分は丸損しているとも言えます。

株主優待のリターンを得るためには、優待が良い銘柄をいくつか含めた現物株の分散ポートフォリオで長期投資を実践する方法があります。これだと優待を受け取りつつ長期分散投資を実現できます。
個別株で分散ポートフォリオを組めるだけの資金量は必要になりますが、日本株の現物株売買であれば取引も難しくはありません。投資信託やETFで日本株に数百万〜を投資している人がいれば、検討の余地はありそうです。

私はまだ投資金額が大きくないのでできていませんが、金額が大きくなった時には現物株での分散ポートフォリオに切り替えることを考えています。そのために時々優待投資について書いてあるサイトやブログを見ています。

なお、優待が魅力的なのは飲食店などのサービス業が多いので、優待条件がいい銘柄だけで選ぶと分散が不十分になりそうです。分散効果を享受するためには優待だけに注目せずに手広い業種に分散することを忘れないようにしなければ。



日本株は世界の株に負けていない

日本株は世界の株に比べてパフォーマンスが悪い、なんて意見もありますが、言うほど悪くありません。

リーマンショック前の2008年8月には日経平均は13000でしたが、今では10000前後です。一方、ダウ30種は11000→11000とほぼ同水準です。このような数字を見て、「日本株は世界の株に比べて戻りが悪い」「日本株だけ立ち遅れている」というような意見もありますが、誤りです。

日経平均は円建て、ダウ30種はドル建てです。
違う通貨同士で価値を比較しても意味がありません。ハイパーインフレが起こっていたジンバブエで、ジンバブエ産の食料の値段がジンバブエドル建てで急上昇しました。しかしジンバブエ産の食料の価値が高まり、日本の食糧の価値が上がらなかったわけではありません。

リーマンショック前の2008年8月1日から2010年11月17日までの
・ダウ30種(ドル建て)
・日経平均(ドル建て)
・日経平均(円建て)
をグラフ化してみました。

Dow-N225

見事なまでに、日経平均(円建て)だけが2009年8月から立ち遅れています。
しかし、ドル建てで見たダウと日経平均の優劣は付けられません。2009年3月の底から半年程度は日経平均がリードし、最近ではほぼ五分といったところ。

円高の影響で日本株が・・・と為替の話をするなら評価の時にも為替を考慮してほしいモノです。



私の著書 - ズボラ投資
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