近年、製薬業界では外資系企業による日本の研究所閉鎖のニュースが多くありました。
つくばからGSK、ノバルティス、メルクが消えました。愛知のファイザー、神戸のバイエルも消えました。

一方、日本企業はそう簡単には日本から研究施設を閉鎖しません。しかし、それでも国際化の流れに抗うのは難しいようです。


製薬大手、開発力を底上げ、国内研究拠点を国際化 (日経新聞 2010/11/8)
武田は2011年2月に神奈川県藤沢市に開所予定の研究所の研究者の約1割を外国人にする。
武田は10月、研究部門のトップにポール・チャップマン氏を昇格させた。
スイス大手ロシュ傘下の中外製薬も来年度をめどに国内の大学と提携して採用に外国人枠を設け、毎年一定数を確保する方針。
国内に1100人の研究者を抱えるアステラス製薬は11年6月末までに統合予定の米製薬OSIファーマシューティカルズや傘下のアジェンシスなどの海外の研究部隊との100人規模の研究者の交流を進める。


日本の製薬会社のフラッグシップとも言える武田が研究トップを外国人にして、研究者も1割は外国人にするということです。ロケーションこそ日本ですが、グローバル化の波が来ています。その方がより良い研究成果を出せると判断すれば企業としては当然の仕方ない選択です。
この流れが進むと研究所が日本にあってもそこで働く日本人は少数派という時が来るかもしれません。

日本の研究者は日本に入ってくる外国人に負けないようにして国内での研究のポジションをを守るか、自らが違う国の研究のポジションに切り込むか・・・
現時点でも国公立大学の博士が無いと就職すら厳しいと言われる研究職ですが、このポジションを得るのはより厳しくなっていきそうです。