吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



待機児童

無償化の前に全入をというけど,保育園の待機児童問題解消は簡単じゃない



認可保育園の入園申し込みの結果通知が届く季節になりました。それを受けて「保育園落ちた」という声もTwitterなどのSNSでも見聞きします。

そういう中,政府は保育園無償化の方針を打ち出しました。
これは未就学児を抱える世帯にとってはメリットとなる政策ともいえるのですが,「そもそも待機児童だから無償化されても入れない。無償化の前に待機児童解消して全入が先。」といった声もあります。
また,待機児童問題が解決しない理由として保育園が足りないのだから保育園をつくれ,さらには保育園が増えないのは保育士の待遇が悪くてなり手が少ないからであって保育士の給与を上げろという声もあります。


Twitterでは上記のようなマンガも3万以上のRTを集めています。

しかし,この批判は違うと思うのです。


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子どもを持つ親が認可外ではなく認可保育園に必死になるには理由がある



「待機児童問題」

自身に子どもがいて保育園を利用している人は知っている話ですが、子どもがいないとなかなか良く分からないのが保育園の事情。


保育園はまず、認可認可外の2つがあります。
認可と言うのは国の認定を受けている保育園で、認可外は国の認定を受けていない保育園です。

ただし、実際に話をするにはもう一つの区分が重要です。認可外と言っても特定の条件を満たす場合には各自治体で補助を行っているケースがあります。
東京都の場合は、認証保育園というのがそれです。

認可・・・国が認可した保育園
認証・・・東京都が認可した保育園
認可外・・・国からも東京都からも認可なし


基本的には多くの親は認可を第一優先、次に認証、そして認可外という優先順位で保育園を選びます。

何故、認可保育園が人気なのか?


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株式会社は利益至上主義でサービスの質が落ちるなんてことはないさ 〜 保育所の新規参入に思う

アベノミクスの親玉様が、(保育園の)待機児童解消についても言及したようで、テレビでも保育園と待機児童のことが取り上げられていました。

保育園事業への株式会社の参入を強く反対する方々がいます。
その最大の(名目上の)理由は「株式会社は利益追求に走るので保育の質が落ちる」というものです。


「株式会社だと保育の質が落ちる」は本当なのでしょうか?

そんなことはありません。

世の中の多くの事業は株式会社が中心となって行われています。
多くのスマートフォンを提供しているのは株式会社であるGoogleやAppleです(Android陣営のHWメーカーはいろいろ?)。
よりよく安全な車を作ろうと最前線で頑張っているのは株式会社である自動車メーカーです。
子どもの教育に目を向ければ、学習塾を運営するのもたいがいは株式会社です。

世の中の多くの高品質の商品やサービスは株式会社によって提供されています。子供関係の商品やサービスも然りです。


イケダハヤト氏に共感できなかった理由が分かった気がするという以前の記事でも書きましたが、(株式)会社に所属しない人が、(株式)会社のことを過小評価しすぎに思えます。私は株式会社に勤める身なので身内びいきと言われるかもしれませんが、少なくとも株式会社はサービスや仕事の質が低いとか言われる道理は全くありません。

利益を追求するばかりで質が疎かになるというなら、車だってコストカットで酷いものができるはずですが現実は違います。

保育園にしても、供給が需要に追いついていない現状こそが質の低い保育を蔓延させる原因になります。

「現在はそもそも保育園の数が少なく、一部の親は(劣悪な環境の)ブラック保育園を選ばざるを得ず、たとえブラックであることに気付いても他に行くところがない。供給量を増やせば、質の悪い保育園は選ばれなくなる」(駒崎氏

上記は少し昔のダイヤモンド・オンラインの記事(待機児童を救う民間の保育所参入は“悪”なのか? 「子ども・子育て新システム」に募る異論の中身)ですが、供給がないからこそ質の低い保育園でも我慢して預ける親がいて存続してしまいます。


「株式会社は保育サービスの質が低い」は根拠が薄弱な批判でしょう。



認可保育園入園審査の点数制を廃止すると不毛な保育園競争は緩和される?

私の住んでいる地域も該当しますが、認可保育園の数が足りずに待機児童が多いという問題があります。そのために、保育園に子どもを預けたい各家庭では熾烈な保育園合格争いが起こっています。

これを緩和する方法として・・・点数制を廃止するという案はダメでしょうか?

保育の実施基準
保育の調整基準及び同一指数世帯の優先順位

上は世田谷区の基準ですが、他の自治体でもこのように世帯の状況を点数化して点数の高い世帯から保育園に預けられます。2番目の資料にもあるように、細かい条件がたくさん書かれています。
これはなるべく保育園を必要としている人へ枠を割り当てたいという気持ちから来るのでしょうが、逆にこれがおかしな問題を引き起こしてもいます。
例えば、以下のような条件は分かりやすい例です。

●ひとり親(同居親族がいない)又は父母不存在
●申込児を保育室、保育ママ、認証保育所、ベビーシッター等に有償で預けているのを常態としている場合
●申込児を有償で預けている期間の長い世帯(転園申込の場合は、適用しない)

これに該当すると加点になったり、同点の時に優先されたりします。さて、そうすると何が起こるか?

ひとり親なら加点されるということで偽装離婚する人がでます。保育園の申込の時に離婚して、実態は何ら生活が変わっていないという方法を取ることで点数が上がります。区役所が生活実態まで調査はしません。

申し込み時点で先に認可外保育園などに預けていると加点されるとなると、認可申込時点では子どもを認可外保育園に預けるようにします。

同じく子どもをすでに預けている世帯同士だと、預けている期間が長いほうが優先されるのですから、申込1ヶ月前よりも申込2ヶ月前、申込2ヶ月前よりも、申込3ヶ月前・・・とどんどん早くから預けることになります。これは激化しています。
本当は有休が1年以上取れるので、子どもが1歳になってから保育園に預けたい。しかし、1歳になってから申し込んではまず認可保育園の枠から落ちてしまう。だから、1歳から認可保育園に預けるために0歳の時から認可外保育園に預けて仕事に復帰してしまう。こんな世帯がたくさんいます。先日は私の住む自治体の保育課との懇親会に参加しましたが、このような親がたくさんいました。

しかも、本来なら1歳から預けたいにも関わらず1歳での認可枠を確保するめに0歳で認可外保育園に預ける親も増えているせいで、本当に0歳から子どもを預ける必要がある人が認可外からあふれる現象も出てきています。
また、認可外保育園も本来なら1歳からの保育を希望する人が0歳から預けてくるせいで0歳児保育へ人もコストも取られてしまいます。そのせいで一番需要が多い1歳児保育へより多くのリソースを振り向けることもできません。


何故、子どもが小さいうちは一緒にいて1歳から預けて仕事に復帰したい人が0歳児から預けて仕事に復帰するようなおかしなことになっているのでしょうか?
これは、1歳から預けやすくなるというインセンティブが働くからです。

ここで発想の転換をしてはいかがでしょうか?
長く預けていようがいまいが、1歳児の申込で一切の優遇をしない!!

そうすると何が起こるか?
「子どもが小さいうちは一緒にいて1歳から預けて仕事に復帰したい人が0歳児から預けて仕事に復帰する」意味がなくなります。どうせ早く預けても優遇されないのだったら、希望通り0歳児のうちは家で一緒にいて、1歳になってから預けようとします。こういう世帯が0歳児から預けなくなることで、0歳児での競争も緩和されて本当に0歳児から保育園を利用したい人たちが申し込みやすくなります。
こういう方法はダメですか?

最低限の基準はあってもいいですが、今くらい複雑な基準はおかしな不整合やズルを生み出します。経済困窮度を測る指標で所得を使っていますが、親から引き継いだ家や金融資産のストックがある年収400万と一切のストックがない年収600万では前者の方が裕福でしょう。また、所得把握が難しい自営業者だと収入が少ないように工作をする人もいます。赤字を装っていた多くの法人が追徴課税を受けたというニュースもありました。このように、いろいろ指標を設けたところで本来の意図する通りには動いていません。

大学受験のような場合は、ある程度厳しくても競争があっていいのです。競争することで競争参加者の学力が向上し、たとえ東大を目指した人全員が東大に入れなかったとしても全体としての達成度は上がります。こういう競争はありです。
しかし、偽装離婚してみたり、1日でも隣の人よりは認可外保育園に預けてみたりするという競争はポジティブな成果を生みません。認可保育園の枠を確保できなかった人が得るものはありません。
こういう不毛な競争をしても認可保育園に入れる枠は増えません。だったら不毛な競争をせずに同じだけの枠に子どもを預けられた方が全体としては生産的ではないでしょうか?

不毛な競争で少しでも点数を稼ごうとする親達も多いせいで、親同士でもストレスや不満がたまっています。親同士の会話を聞いていると、「あの家は実はおばあちゃん達が面倒を見ているのに・・・」とか、「年収は低いことになっているけど、家は会社持ちの社宅で実は生活は楽なのに・・・」とか様々な文句も出ています。保育園の枠を争うライバルということで、同世代の子どもを抱える親達の仲が険悪になるのがいいことなのでしょうか?これは本人達の人間の器が小さいということも言えるのかもしれませんが、制度がこういう方向に進むことを助長しています。
努力して点数を上げられるわけではなく、運で左右されるようなくじ引きのような形だったら、皆で「誰が受かっても落ちても恨みっこなしね」で終わることもできそうな気もするのです。

この結果、悪い方向に影響を受けてしまう人もいるかもしれませんが、全体としてはより良い方向に代わる可能性もあると思うのですが、いかがでしょうか?
完全に基準を撤廃するという極論から、3か条、5か条のような簡単な基準だけは設けるといったようにどこか今よりいい落としどころがあるように思うのです。



私の著書 - ズボラ投資
「毎月10分のチェックで1000万増やす! 庶民のためのズボラ投資」
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