吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



就職

就活はマッチングにすぎない

就活関係の話を時々書いていますが、就活とは何でしょうか?
これは採用希望企業と就職希望者の需要と供給に基づいたマッチングの一種です。
 ※参考1:日本の雇用や日本への投資を守るのは外資の日本法人
 ※参考2:就活生組合は代表及び執行役員のモノ(≠就活生のモノ)

今のように不況で買い手市場の時には、企業も強気に出ます。
 ・面接の時間は、学生の都合を考えない
 ・面接官の態度が偉そう、もしくは事務的
 ・etc

しかし、好況で売り手市場の時は違います。
 ・学生に対して、ぜひとも我が社に来てくださいとオファーを出す
 ・面接の日時はデートだというと、別の日に変更してくれる
 ・学生を海外旅行などに連れてってあげる
 ・etc

不況が長いせいか、「就活は企業が学生を選ぶ場」だという考えが強く広まっていますが、ただのマッチングの場です。環境によってこのパワーバランスは変わるものです。

日本の≪企業数≫及び≪常用雇用者数≫、≪大卒求人倍率≫、≪大学進学率≫の状況は以下の通りです。

≪企業数≫ (中小企業白書より)
 ・大企業:0.3%
 ・中小企業:99.7% (うち小規模企業87.1)
≪常用雇用者数≫ (中小企業白書より)
 ・大企業:37.1%
 ・中小企業:62.9% (うち小規模企業16.1)

※中小企業=常用雇用者300人以下(卸売業、サービス業は100人以下、小売業、飲食店は50人以下)、または資本金3億円以下(卸売業は1億円以下、小売業、飲食店、サービス業は5000万円以下)の企業

≪大卒求人倍率≫ (ワークス研究所より)
2012年3月卒の大卒求人倍率は1.23倍です。参考までに前年の2011年3月卒は1.28倍です。
就職氷河期はどうだったかというと1994年〜2005年は0.99-1.68倍です(ワーストは2000年3月が0.99倍、1996年が1.08倍、2001年が1.09倍)

≪大学進学率≫ (学校基本調査より)
2008年:49.1%
2009年:50.2%


大卒求人倍率を見れば、全員就職しても余りがあるくらい募集枠があるのです。

大学生は狙いがズレてはいないだろうか?
就活生が説明会に参加できないなどと文句を言っているのは、主に大企業、特にその中でも東証一部に上場するような大企業中の大企業や人気企業がほとんどです。
しかし、常用雇用者数を見ればわかるように大企業の雇用者数は全体の37.1%に過ぎず、多くは中小企業です。また、大企業の中でも東証一部に上場するような企業や人気企業はさらに極一部です。

大学進学者が世代全体の半分を占めるようになっており、仮に大卒のみが大企業に就職するとしても大卒の26%は大企業に就職できません。当然、非大卒でも大企業で働く人はいますから、実際の大卒の大企業就職はより厳しくなります。

つまり、並の大学生であれば従業員300人以上の大企業に入れるか入れないかレベルということです。
学生の人気企業ランキングでトップ200に入ってくるような企業に就職できる学生はごく限られた学生であることを認識すべきでしょう。(1社平均の採用数が200人なら4万人)

ところが、明らかに上の企業を狙っている学生が多数です。希望として狙うのは自由なのですが、当然落ちる可能性は高くなります。そうすれば50社や100社や200社にエントリーしても内定が出ないという人も出るだろうし、就活に時間がとられてしまうこともあるでしょう。
また、選考する企業側も採用活動に使える資源は有限なので、応募数が無駄に増えれば機械的に切って捨てていかざるを得ません。

大学受験も数多くの大学を受験することができます。
大手予備校の模試成績が偏差値40程度にも関わらず、難易度が高い大学をたくさん受験しても不合格通知が増えるだけでしょう。
受験を経て大学に入った学生なら分かると思いますが、自分の実力では届かないような大学を何十校も受験するような受験生はまずいません。ほとんどの学生は自分の実力に見合った大学を選びでしょう。

就活においても同じルールが当てはまります。
50社、100社、200社にエントリーしても内定が出ないという人は自分を分かっていないとも言えます。そして、彼らのような無謀な挑戦者が増えることが企業の機械的選別に拍車をかけています。


私が過去に取り上げた就活生組合は「企業の側が力が強いため、就活生は言わば温情として、企業から一方的に与えられるルールに縛られる」と言っていますが、これは大企業中の大企業に限った話です(全企業中の0.3%の企業の中のさらに一部の企業)。
むしろ、企業数で87.1%を占めるような小規模企業においては、企業側の力が強いということは当てはまりません。
並の学生は、こういう企業を当たりましょう。

そうすることで、学生も自分の実力に見合った企業に就職できる確率も上がりますし、無駄な就活時間を使うこともなくなります。大企業も応募者が減ることで、1人1人に対して丁寧な対応をすることも可能になるでしょう。


就活制度へ疑問を投げかけるのは良いのですが、需要と供給のバランスを無視するべきではありませんし、企業の多くは中小企業であることを忘れるべきではありません。
極一部の大企業のやっていることを企業一般の傾向として捉えることには大きな問題があります。常用雇用者数で60%以上は中小企業です。割合からすれば中小企業の採用活動こそが標準であって大企業中の大企業は例外と考えるべきでしょう。







新卒就職戦線 (ちゃんとやっている人はまだまだ余裕ということ?)

クローズアップ2010:円高、不景気 長引く就職活動 15万人、行き場ない (毎日jp)
 今春卒業した大学生の就職率は前年比で過去最大の下げ幅となるなど、就職事情は厳しさを増している。政府は、新卒者の就職支援を検討する特命チームを首相官邸に設置し、24日に初会合を開いたが、対策がどこまで実効性を持つかは未知数だ。加えて止まらぬ円高が日本経済の前途に暗い影を落とす。卒業単位を取得していても留年を認める希望留年制度や、既卒者対策に力を入れる大学も増えてはいるものの、就職難は展望の見いだせない状況が続く。
毎日新聞の記事です。上の引用部分にあるように、この記事では如何に就職状況が厳しいかということを言いたいようです。しかし、記事を読み終わった問いの印象は(この記事が事実として)「ちゃんとやっている人にはかなり余裕?」というものです。


 「まさかこんな時期まで就職活動をしているとは思わなかった。周りの友達もほとんど決まっていない」
この女子学生は100社以上に応募したが、内定どころか、面接に進めたのも5社だけ。
このエピソードで就職活動で内定を貰うことがどれだけ厳しいかを言いたいのでしょう。
しかし、毎日コミュニケーションズやディスコなどが発表する現時点での内定率の数字を見ると評価が一変します。
数字が低い毎日コミュニケーションズでも6月末時点で50%弱、7月末時点で54.5%が内定を貰っています。2011年卒業予定者の半分は内定を貰っています。
それなのに自身も友人もほとんど内定が決まっていないということは、申し訳ありませんがこの人と友人達が余りにも酷すぎる。10人中5人が内定が決まっているのに100社中5社しか面接に進めていないのは、更に踏み込んで言うと就職する能力が低すぎるのではないでしょうか。
厳しい言い方にはなりますがそう思えて仕方ありません。


 より深刻なのが既卒者だ。今春、都内の私立大を卒業した男性(22)は昨年は春から秋までメーカーなど十数社を受けたが、内定ゼロ。卒業後は「学校の支援もなくなり、どの企業がいつ募集しているのか、どこに行けばそれが分かるのか、情報も少ない」と話す。
上ほど強烈でもなく新卒でもありませんが、このエピソードも多少疑問を感じさせます。
具体的な程度は書いてありませんが、学校を卒業すると就職情報が分からなくなるというのは情報収集能力に少し低すぎませんか?ネットの就職サイトでもリクナビなどは既卒でも利用できます。また、一度就職活動してもいるのですからそのネットワークもあるはずです。



こういうエピソードを読んでいると、自分で主体的に動けない人や何か足りない人が就職できないだけで(表現がきつくてすみません)、ちゃんと自分で動ける人は就職できているように感じてしまいます。
インターネットがそれほど発達していない時代であれば、企業の情報を紙で調べて自ら足を運んだり連絡したりした人も多いでしょう。新卒サイトを利用できないから情報が不足するなら、そういう古典的な方法を使ってもいいはずです。十数社を受けた程度なら、情報収集がその倍程度しても40社。十分に電話やメールで確認することはできるはずです。

選考をかねた説明会がネットエントリーでエントリー開始からすぐに定員に達したから参加できない、既卒はどんなに手を打っても門前払い、というような話は同情できます。
しかし、記事中にあるほぼ皆が内定が取れていないグループの話を聞かされても、何だかなーという気持ちになります。


もちろん、今が団塊の世代の就職時期やバブル世代の就職時代のように楽なことは無いでしょう。

父親はその売り手市場の時代に就職したとのことですが、エピソードが素晴らしい。
 ●大学生の時点で自分から応募しなくても名だたる企業からうちに来ませんかのオファーがきた(今で言う財閥系商社、メガバンクのような人気企業)」
 ●デートで忙しいから面接を断ると連絡したら、「面接日を別の日にさせてもらうので来てください」と言われた
こんなエピソードに欠きません。
そんな時代に比べれば就職が厳しくなっているのは分かります。しかし、非内定者になるべくしてなっているような人が結構いるならば、妥当な能力がある人はそれほどあぶれていなそうに思えてしまいます。



大卒者の就職内定率は落ちるよね

親戚で就職活動中の者がいたりすることで、就職情報へのアンテナの感度が少し上がっています。

そんな中で、大学生の就職内定率が低下しているというような話も聞きます。
・・・が、これは当然のことかと思います。
景気の影響は当然無視できず、就職内定率低下の原因はいくつもあるでしょう。しかし、根本的な原因として考えられるのは、大卒者の増加です。

平成17年までと少しデータは古いですが、文部科学省の「中学校卒業者、高等学校卒業者、短期大学卒業者及び大学卒業者の進路の推移」を見ると大学卒業者数、進学率、就職率が分かります。
進学者数、就職者数は書いてありませんが、これは計算で求められるので少し計算してみました。

昭和40年には大卒での就職者数は13万5千人。その後大卒の就職者数は増えてきました。
平成に入ると多少の上下はしていますが、だいたい30万人前後で安定しています(平成2年〜平成17年)。平成2年から平成17年で就職者率は81%→60%割れと下がっていますが、就職者数はほとんど変わっていないようです。

このデータからざっくりと言ってしまうと、大卒の新卒は、景気の変動にほとんど関係なく毎年約30万人は就職できるということです。内定率が下がっているのは、大学卒業者数の増加したことで、就職の枠が少なくなったのではない、ということになります。
付け加えて言うと、大学卒業者の進学者数も増加しており、この人たちの多くも修士や博士取得後に社会に出てきます。彼らもその時の大卒者と就職のいすを争います。このように毎年誕生する学士以上の者の数がどんどん増えているせいで、雇用の枠自体は減っていないのにそのいすに座れない人が増えているわけです。

妻の職場も、昔は私立大学の学部卒で採用されました。
しかし、今ではエントリー時点で修士以上が条件になっています。これは同業他社のライバル企業でも同じ傾向です。そして、新卒採用の数人の募集枠に対して東大・京大をはじめとする数百人の修士・博士が応募してきます。「どんだけ修士・博士が多いんじゃい!!」という話です。博士や修士が少ない時代なら学士までそのおこぼれがありましたが、今や博士・修士だけで枠はおしまいです。学士にその枠は巡ってきません。


このような内定率低下をどう捉えるか。
企業は採用数を増やせてはいないが、内定率が高い時代と同程度の数を採用をします。企業に対して「大学進学者が増えたから、雇用数を増やせ」というのは無理な話です。
そもそも、これは日本特有の問題ではありません。他国を見ても同じ傾向です。アメリカやヨーロッパなどでも昔は大学進学者数は少なかった。だから大卒はそれだけでエリートであり、高度な仕事につくことができました。
しかし、大学進学者数が増えるにしたがって大卒は珍しいものではなくなり、高度な仕事の数以上に大卒が多くなってしまった。
こう考えていくと、大卒の内定率が下がっていることは自然の流れです。景気が悪いとか政策が悪いからという理由で日本だけで大卒が仕事を見つけにくくなっているのではありません。


それでも「昔は良かった。」という懐古主義に走るならば、昔に習って大学卒業者数を絞っていくのが選択肢になるでしょう。こういう選択肢を選ばない限りは内定率は上がらないでしょう。
そこまでして大卒者の就職内定率を上げる必要があるのかは疑問ですが。



らしくなってきた - 「4月の完全失業率5.0% 有効求人は0.46倍、10年ぶり低水準」

2009年4月1日の『有効求人倍率0.59倍。6年ぶりの水準。 』というエントリーの中で、「しかし、(有効求人倍率は)6年ぶりの水準ということですから、6年前はこれくらいの状況だったんですよね。そう考えると実はまだまだ大したことはないとも言えるのかもしれません。」と言っておりましたが、以下のニュースが出ました。


4月の完全失業率5.0% 有効求人は0.46倍、10年ぶり低水準(NIKKEI NET)
 総務省が29日発表した4月の完全失業率(季節調整値)は5.0%となり、前月に比べ0.2ポイント上昇した。5%台となるのは、2003年11月(5.1%)以来、約5年半ぶり。
 厚生労働省が同日朝発表した4月の有効求人倍率(季節調整値)は0.46倍となり、前月比0.06ポイント低下した。1999年6月以来、約10年ぶりの低水準。

完全失業率はまだ2003年11月以来程度ですが、有効求人倍率はついに就職氷河期の谷の時期の0.5倍割れに突入しました。これで雇用の方も麻生総理やマスコミが「100年に1度の経済危機」というような状況になってきましたね。


「今春入社できて幸運」7割超、「今年の就活だったらダメだったかも」4割――新社会人意識調査(Business Media 誠)
 2008年から続く世界的不況については、「今春入社できたことを幸運と思う(そう思う+どちらかといえば)」が75%に達した。
なお今年でも「入社できたと思う(できたと思う+おそらく)」は49%だった一方、「できなかったと思う(おそらく+できなかったと思う)」も40%となった。
マクロミルの調査で、今春に入社した新社会人の意識調査でこのように「今春でラッキーだった」が75%、「今年が就職活動だったら就職できなかった」が40%という回答もまあ妥当と思えるような雇用情勢の悪化です。


今秋からの就職活動を控えている(と思う)弟の就職活動はどうなるんでしょう。



とはいえ、先輩の代からして就職氷河期真っ只中で、自分も就職氷河期真っ只中だった吊られた男としては、体感的には就職活動が厳しいのは当たり前という意識です。実体験としてはバブルを知りませんからね・・・



嬉しいね♪ そして負けていられない!!

【友人A】
久しぶりに連絡したら、公認会計士の試験に合格していたとのこと。同じ公認会計士・弁理士・弁護士等、資格が必要な仕事を目指している友人達が続々と合格して働いている中、1人取り残されて凹んでいたこともあったようですが、30を前にしてついに合格 (^o^)
そして、すでに働いているとの事(^o^)/

これは嬉しいですね♪
新年会で話を聞くのが楽しみです♪
##高給取りになったあかつきにはたかってやる♪

【友人B】
帰国して職探しを始めたところ、ある程度希望する業務内容の仕事に就けたとの事 (^o^)
しかも、年収は初めの2年間は低いが3年目からは5万ポンド以上とのことで、これまたおめでたい(^o^)/

なにやら自分の友人達からキャリア前進の話をよく聞く今日この頃。

私も自分の仕事を頑張る意欲はあるのですが、正直時々くじけそうになります。そんな時、このような友人からの話を聞くと、友人として嬉しいというだけでなく、「自分もどがんとせんといかん」とMotivateされます。

投資も大事ですが、まだロクな資産も築けていないヒラサラリーマンとして仕事は重要です。
1年での昇進は無理でしたが、来年は昇進するさー!!

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@吊られた男



私の著書 - ズボラ投資
「毎月10分のチェックで1000万増やす! 庶民のためのズボラ投資」
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