安愚楽牧場の破綻関連です。

安愚楽牧場の悲劇…1億円突っ込んだ会員が慟哭の激白! (ZAKZAK)
男性が情報誌を通じて安愚楽牧場を知ったのは、バブル景気が始まる1986年のことだった。
 バブル絶頂期の90年代初頭には、同じような投資をうたった「和牛商法」ブームが到来。実際には和牛を所有していない会社が、十数パーセントの高利息で投資をあおる中、安愚楽は利率を上げず、経営姿勢を崩さなかった。
 これも安心感を誘い、男性はさらに信用の度を深め、生活資金をのぞくほぼすべての収入と利息を“雪だるま”式に投資に回していく。
 「一度も遅配になったことはなく、経営を疑うどころか、口蹄疫問題のときでさえ、(他の投資への)リスク分散を考えないほど信頼していた」

1986年に200万で始め、雪だるま式に増えていき最後には9500万円まで投資したとのことです。
この人にとっての安愚楽牧場は、他の和牛商法業者が消えていく中でも流されずに20年以上の実績があった本物だったのかもしれません。

初めのうちは和牛オーナー制度に対する不信感はあったとは思います。しかし、他業者が消えていく中でも生き残り、バブル崩壊後の不況の中でも生き残って、と時間のテストをクリアしてきた安愚楽牧場です。徐々に信頼を寄せていったのではないでしょうか。
「経営を疑うどころか、口蹄疫問題のときでさえ、リスク分散を考えないほど信頼していた」という発言にはそのような重みを感じます。

このストーリーには教訓があります。
安愚楽牧場に限らず、「実績を信用しすぎてはいけない」ということです。

この人にとっては毎年確実に無リスク資産を上回るリターンを返してくれるファンドでした。
ファンドに資金を入れていると20年以上も無リスク資産以上のリターンを返してくれていました。
景気変動の波も乗り越えました。他の詐欺業者とは違ってブーム後も継続し続けました。3年や5年といった短期ではありません。20年を超える時間によるテストをクリアしてきました。信じない理由がどこにあったのでしょうか。

・・・と、他の投資でもこのような実績を信じて資金を入れたところで破綻という話に巻き込まれるかもしれません。
安愚楽牧場以外に投資している人も心に留めておくべき教訓でしょう。