吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



学生

就活生組合は終了?

私が3回にわたって取り上げた就活生組合
【参考】
就活生組合は新たな利権団体の危険性
就活生組合の理念の矛盾
就活生組合は代表及び執行役員のモノ(≠就活生のモノ)

時々公式サイトをチェックしていましたが、どうやら2012年2月をもって活動を休止したようです。


創設時の代表である宮内氏が神の啓示を受け預言者として宗教の道に進んで就活生組合を外れたのが2012年の1月25日。これが事実上の活動休止でした。

公式サイトには、宮内氏離脱後に代表となった鈴木氏のtwitterアカウントが掲載されていましたが、これは公式サイトが活動中の時点ですでに削除済みでした。
また、執行役員であり鈴木氏と並んで代表者ページに名前を載せていた渡辺氏もTwitterで「就活生組合やらの運動にかかわった経緯をまとめておくべき・・・」と書いているようにすでに離脱しているようです。

休止とありますが、事実上の活動終了でしょう。


先の批判的なエントリーで書いたように、私は就活生組合の主張は基本的に嫌いでした。
代表の宮内氏はインタビューであえて極端な主張をしたと戦略を語っていました(参考:「経団連の会長とサシで話したい」就活生組合元代表インタビュー)が、このやり口からして嫌いでした。
最初に強気な主張をして交渉に臨むのは強者の論理です。弱者である小さな就活生組合が極端な極論に振れても、強者たる企業は話を聞いてくれません。
また、本来ならば味方にするべき就活生たちからも「あいつらの主張はおかしい」という目で見られてしまいます。(実際にそういう意見も結構ありました)

そんなこんなの就活生組合ですが、個人的な想いを言うと「もう少し頑張ってほしかった」

水に落ちた犬を叩くようですが、この終わり方も気に入りません。
就活生組合は一般の組合員とインターネット組合員を募集していました。ところが突然の休止です。組合員総会が開かれたという形跡もありません。インターネット会員が多いはずなのでオンラインで開催されているべきはずです。
これで終わりでは組織運営としてあまりにもお粗末としか言いようがありません。高校の文化祭実行委員の方がよっぽどマシかもしれません。

このままだと、「完全に世間をなめ腐った甘えた学生たちの戯言だった」で終わってしまいます。そして、このような失敗事例が「就職問題 = 甘いことをほざいている学生が悪い」と言う説の強化に使われてしまいます。

せめて最後の幕引きくらいはきれいに終わってほしいのですが、期待するのは・・・ダメでしょうか。
失敗に終わったものの立ち上がった行動力があるのですから、それくらいは期待したい。







どう考えても中小企業より大企業がいい

一般論として書きます。
「就活学生はまずは大企業を目指すべきです」
最近の新卒内定率の低さにつけこんでか、大企業を叩いて学生は中小企業を目指すべきかのような意見が多く目に付くようになりました。
※参考:『城繁幸氏の発言に考える、オピニオンリーダーが過激になっていく理由

そこで当たり前の話を書いておきますが、どう考えても一般的には大企業の方が有利です。

まず、各種データから示されるように大企業と中小企業では給与が違います。以下は平成21年の民間給与実態統計調査の結果です。
1〜9人 : 344.3万円
10〜29人 : 407.5万円
30〜99人 : 405.7万円
100〜499人 : 429.3万円
500〜999人 : 473.2万円
1,000〜4,999人 : 507.4万円
5,000人以上 : 542.5万円

あきらかに規模に応じて給与が増えていきます。また、福利厚生などについても大企業の方が手厚い傾向が強くなっているので、報酬では大企業を選ぶのが極めて合理的です。
日本を代表する大企業の正社員ともなれば、そこそこの給与はもらえます。30代で年収1000万円が見える企業もありますし、そこまでいかなくても30歳でまず年収400万円は超えます。
世の中にはワーキングプアが増えているという話もあり、ワーキングプア層の人生への満足度が高いという話はありません。そして、30歳で400万円以上はもらえる大企業社員はワーキングプアには含まれず、非正規社員や中小企業社員などとなります。

大企業の終身雇用が崩れてきたことを理由に大企業を批判する向きもありますが、それを悪だといえば中小企業の方がもっと悲惨です。中小企業で終身雇用を考える方が無謀でしょう。

仕事の楽しさについても誤解があります。自立してユニークな試みをしている中小企業もありますが、多くの中小企業は大企業の依頼を受けたり、多くの妥協の末に仕事を受注しています。だからこそ下請けイジメという言葉があり、それを規制しようとする法律まであります。大企業の支配下にある中小企業は多く、顧客である大企業の言いなりです。このような大企業の満たす要求に応えることに精一杯な中小企業では自由な仕事はできません。

また、ブラック企業と言われる仕事環境の劣悪さでは中小企業も負けていません。2ちゃんねる発で映画化も書籍化もされた『>ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』という話もありますが、仕事環境が劣悪な中小企業は多数あります。大企業にも劣悪な労働環境はありますが、中小の方がその比率は多いでしょう。

先日、大企業代表のような企業に勤める知人たち何人かとも食事をして話をしてきましたが、全員が全員大企業肯定派です。給与はいいし、福利厚生はいいし、大きな仕事ができるし、リストラされても転職できそうだし・・・といい話ばかりです。

このように、個別企業の善し悪しは別にして、集団として比較した時には一般的には大企業の方がよいでしょう。

巷で増殖している「中小企業はいいぞ」という人たちの意見は重大な欠点があります。
確かに個別の企業を見ていけば中小企業でもいい職場はあります。大企業だと組織の歯車になる年代でも自由に自分のやりたいことをできる職場もあります。
でもね・・・そういう会社に勤めて自由な発想をできて楽しく仕事ができる人は、ある程度の能力があって大企業を受けても採用されるような人です。
選択可能な環境で中小企業を選ぶのは個人の選択です。しかし、大企業を批判して中小企業を狙えという人たちが話しかけているのは、なかなか内定を取れないような学生です。中小企業に行けば誰でも自由に仕事ができて稼げるわけではありません。能力があるからこそ自由に仕事ができて、大企業勤めの同期より稼ぐこともできるのです。その能力がない人に向かって安易に中小企業でいいというのは、優しい顔をして弱った人と更に叩く行為に他なりません。

不況による大企業のリストラのニュースや就職難を幸いとして、大企業叩きをするのはまだ構いません。
しかし、それをネタに社会のことなど分かっていないほとんどの大学生を中小企業に進めようとする行為は賛同できません。
「大企業がいい時代なんて終わった。これから中小企業だ」は違います。


もちろん、やりたい事が決まっていて中小企業を目指すような人は上の話は当てはまりません。上の話は何も社会のことなど分かっていない95%の大学生を念頭においての意見です。



私の著書 - ズボラ投資
「毎月10分のチェックで1000万増やす! 庶民のためのズボラ投資」
連絡先
私への連絡は下記メールアドレスまでお願いします
tsurao@gmail.com

tsuraolife_banner_s

follow us in feedly

にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ


Recent Comments
ブログ内記事検索
PR
お勧め銀行・証券会社
■証券会社■
○SBI証券

○セゾン投信


■銀行■
○住信SBIネット銀行


■401k(確定拠出年金)■
○SBI証券
タグ
Archives