吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



医療保険

あなたの保険はインフレで大丈夫?

生命保険・医療保険・等々、多くの保険がありますが、ここでは比較的契約期間が長い生命保険と医療保険を対象に話をします。

生命保険や医療保険を契約する時、必要/欲しい保障額を考えて保険を契約します。「死亡時に2000万円」や「入院1日当たり1万円」のようにです。
それだけの金額をもらえれば残された人や怪我をしても経済的に助かるという金額を計算してのことが多いかと思います。
しかし、貰う時にその金額で本当に大丈夫でしょうか?

大学を卒業して新社会人になった時や結婚した時に保険の加入を考えるかもしれません。

仮に30歳で「60歳までに死亡したら2000万円」「終身で入院1日当たり1万円」という保険に加入したとしましょう。さて、この保険でいくら貰えるか?
名目の金額は保険証券にある「死亡時2000万円」「1万円/入院日数」です。しかし、実質でどれほどの価値があるかが問題です。
30歳の男性より40歳の男性の方が1年間に死亡する確率は高く、40歳の男性より50歳の男性の方が…と年齢が上がるほど死亡率が上がります。
つまり、死亡保険金が支払われるケースは年をとってからの可能性が非常に高い(=契約時の30歳から時間が過ぎている)。入院についても同じことが言えます。
契約時から20〜30年後の「2000万円」「1万円/入院日数」はどれほどの価値があるのでしょうか。

インフレ率が年2%で30年たつと貨幣の価値は1/1.81になります。インフレ率が2%の場合、30年後の2000万円は今の1104万円の価値しかありません。
インフレ率3%で30年だと、30年後の2000万円は今の824万円の価値です。
インフレ率4%で30年だと、30年後の2000万円は今の617万円の価値です。
インフレ率5%で30年だと、30年後の2000万円は今の463万円の価値です。


遠い将来に保険金を受け取る可能性が高い生命保険や医療保険の場合、インフレによる実質価値の減少には気を付けなければなりません。







誰でも入れる医療保険は、保険金を貰えない

通常の生命保険や医療保険は、加入時に審査があり不健康であると加入できません。このチェックがない「無選択型医療保険」なるものも出ていますが、この保険はお勧めできません。

いろいろ理由はありますが、その1つとして「誰でも入れるが、保険金を受け取ることが難しい」からです。

無選択型医療保険を選択する人は、不健康で普通の医療保険に加入できない人です。(健康なのにわざわざ割高な医療保険に加入する人はいない)
この人たちは保険加入前に発病していたり、治療中の病気があります。さて、そんな人がどんな病気にかかるかというと、最有力は保険加入前にかかっている病気です。

保険加入前から高血圧の治療を受けているような人は心臓疾患、脳卒中などになる可能性が高くなっています。それこそ、すでに治る見込みがないガンにかかっている人は、他の病気になる前にガンで死んでしまう可能性が大です。
しかし、無選択型医療保険の場合は、このような保険加入前にかかっていた病気に対する保険は支払われません。

ようするに、一般よりもはるかにかかる可能性が高い病気で保険金が支払われない保険です。保険会社は高血圧の人が脳卒中で倒れて入院するというよくあるケースでは支払わなくていいのです。ポリープがあってそれがガンになった人には保険金を払わなくて良いのです。

不健康で持病があるからこそ入院時の保障が欲しいのに、自分が入院するだろう病気で保険金が下りない医療保険にどれほどの価値があるのでしょうか。一般の医療保険より高い保険料で、一般の医療保険より狭い範囲でしか保険金が下りない保険です。
持病とは全く関係ない病気で入院する可能性もありますが、その極めて限定された保障のためにどれほど保険料を支払いますか?

無選択型医療保険を検討する場合、これを考慮すべきでしょう。



医療保険は原則不要

保険は家計見直しで良く上がるトピックですが、真っ先に切るのは医療保険ですね。


私は医療保険は原則いらないと考えています。

いろいろなところでも書かれていますが、医療保険は入るメリットがほとんどありません。


●一般的な高額な医療費
高額な医療費については、高額療養費制度があります。


●先進医療の費用
先進医療は公的保険の対象外なので、自己負担です。
よく引き合いに出される重粒子線治療は300万以上もかかります。そんな治療に備えて先進医療特約が欲しいなんて声も聞きます。
でも、ほとんど利用しないんです、この特約。しかも利用する場合でも保険の営業さんがすぐに引き合いに出す重粒子線治療のような高額なものは先進医療の極一部です。多くは〜数十万の範囲で収まります。
利用可能性が低く、利用したとしても高額になる可能性が低いもののためにどこまで備えるべきなのだろうか。
特に高額な費用になるものなどはガンの場合が多いので、ガン保険があればそちらでカバーもできます。


●差額別途代などの保険適用外の費用。
「そんなこと言っても、いざ入院したら個室や2人部屋が良いし、いろいろお金がかかる。」という意見もあります。
これはその通りです。でも、それは保険に入る理由になりません。
医療保険に入っていて入院1日あたり5000円もらえるとして、20日入院すれば10万円の支給です。これだったら自分で貯金しておいてそこから出せばよい。



30代の10年間でどれほど入院するでしょうか?40代の10年間でどれほど入院するでしょうか?
身の回りの人たちの平均入院日数を想像してどれだけ入院するでしょう?

ライフネット生命の見積もりで「契約年齢30歳男性」「入院給付金日額」「60日型」「手術給付金10万円」「終身」だと月額保険料は2326円です。
保険料は年間27,912円です。
10年だと279,120円
20年だと558,240円
30年だと837,360円
・・・

30歳から50歳までの20年の間で元を取るには、手術1回+入院92日が必要です。しかもこれは現在価値の概念を入れていません。現在価値割引の概念を入れると入院日数が100日を越さないと元を取れないこともあります。
さらに支払いを続けると・・・何日入院すれば元が取れるのでしょう。しかも一度の入院では60日までしか支払われず、同じ病気がすぐ再発した場合は同一入院とみなされたりするので、なかなか効率よく保険金は受け取れません。



ライフネット生命の創業者であり、副社長の岩瀬大輔氏も言われていますが、貯蓄のある人には医療保険は不要です。


だから、医療保険は原則不要です。
この原則の例外になる人は、貯蓄が無くて今すぐに手術や入院になると困る人です。
ある程度貯蓄ができれば、医療保険は解約していいものでしょう。



私の著書 - ズボラ投資
「毎月10分のチェックで1000万増やす! 庶民のためのズボラ投資」
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