吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資信託を使った低コストインデックス投資/パッシブ投資(バイ&ホールドの国際分散投資)で資産形成を行っている一般サラリーマンの吊られた男が、主に投資やお金のことについて語るブログ。時々、投資やお金以外の話もします。



ダウ平均

「含み損=積立額多め」「含み益=積立額少なめ」のシミュレーション (日経平均&ダウ平均)

以下のシミュレーションを行ってみます。
  ●1984年1月~2013年7月の期間
  ●日経平均及びダウ平均それぞれで
  ●以下の2つの手法を実施した場合
    ●毎月30,000円/300ドルを積立(ドルコスト平均法)
    ●含み益なら10,000円/100ドル積立、含み損なら50,000円/500ドルの積立

ようするに、ただのドルコスト平均法ではなく、含み損の時に多めに買い付けて、含み益の時には少な目に買い付けようという手法のバックテストです。
 ※「変則型ドル・コスト平均法」の利用について(Kapokの資産運用)に触発された内容です


【日経平均】
まず日経平均で上の2つのルールで積み立てていった場合の最終的な結果です。
simulation_n04

含み損/含み益で投資額を変える方が少ない投資額で評価額は高くなっています。(Kapokさんと数字が違うのはソースデータの違い?買付タイミング等のアルゴリズムの違い? とはいえ話の大筋には影響ないのでこれで良しとします)
含み損の時(安い時)に積み立てた効果が良い方向に出ています。

以下は各種グラフ
simulation_n01
simulation_n02
simulation_n03



【ダウ平均】
次に今回の本題。
ダウ平均(ダウ30)で同じルールで積み立てていった場合の結果です。(ドルなので10000円→100ドルのように金額はならしています)
simulation_d05

これはなかなかに困った結果になりました。投資額が2,77倍と大差がついてしまいました。

以下のグラフを見ると分かりやすいかも。
simulation_d01
simulation_d02
simulation_d03

損益を見てもらうと分かりますが、ドルコスト平均法も変形型もどちらも投資の早い段階から含み益になってあとはずっと含み益のままです。
変形型は、投資を開始した1984年の8月に500ドルを投資したのを最後に、その後の347か月はずっと100ドルの積立になりました。ようするに投資額を変動させると設定したものの、単なる月100ドルのドルコスト平均法になってしまいました。
そして、投資に回す予定の月200ドルはどんどん投資されずに積み上がっています。


含み損/含み益で投資額を変える方法は、1984年~2013年の日経平均のようにある程度のレンジで上下するような値動きをしたモノには有効そうです。
しかし、ダウ平均のように上下変動はありつつもある程度上昇してしまったものに対しては使い勝手がよくなさそうです。(暴落待ちで暴落が来ずに上がって知ってしまった場合と同じ)







ダウ平均株価の計算方法

日本のテレビや新聞などの報道ではアメリカの株式指数の代表のように語られているのが、通称ダウことダウ工業株30種平均です。
##投資対象としてはSPYのようにS&P500が代表ですね

アメリカ企業の株価指数ですが、その名が表すとおり30企業から構成されています。その看板に偽りありでAMEXなどの非工業企業も入っています。

そんなダウ工業株30種平均株価の計算方法を書いてみます。
ダウ工業株30種平均株価はダウ式平均という計算方法で算出されています。これは、構成銘柄の単純平均を除数で割ったものです。除数については後ほど解説しますが、日ごろの値動きは単純平均として考えてもさほど差支えはありません。

イメージを掴むためにダウ構成銘柄のある日の30企業の株価が以下のような価格だったと単純化してみます。
  ・A社:1ドル
  ・B社:100ドル
  ・残り28社:10ドル
A社が+20%、B社は-1%、残り28社は±0だとダウ工業株30種平均株価はどうなるでしょう?


答えは下がります
何と「+20%が1社、-1%が1社」で株価指数が下がります。これは単純平均というのがミソです。
  ・A社 +20% : $1×1.2 = $1.2 ⇒ 0.2ドルプラス
  ・B社 -1% : $100×0.99 = $99 ⇒ 1ドルマイナス
他28社の株価は変動が無いのですから、30社の株価の合計は0.8ドル下がったことになります。このように株価が高い企業ほどダウ工業株30種平均株価に与える影響は大きく、株価が低いほど影響は小さくなります。


共にダウ工業株30種平均株価であるGEとIBMを2009年6月9日の終値時点の株価で比較してみましょう。
 ・GE:$13.57 (時価総額$143.70B)
 ・IBM:$108.14 (時価総額$142.90)

共に世界を代表する企業で、時価総額はほぼ同じく$143B(14兆円程度)です。しかし株価はIBMの方が8倍ほど高い。そのため、ダウ工業株30種平均株価に与える影響はIBMの方がGEより8倍も大きいのです。同じような規模の会社であっても、1株あたりの株価の高い企業の方が影響が大きいのです。IBMとExxon Mobilの2社だけでダウ工業株30種平均株価の15-16%程を占めます。

このあたりには注意が必要でしょう。



また、除数の話を置いていましたが、これは連続性を保つために使われます。

例えば指数が4銘柄から構成されて、100円、300円、600円、1000円だったとします。単純平均すると(100+300+600+1000)÷4=500円です。もともとは、この500円が指数になります。このまま普通に株が売買されているだけなら単純平均で問題はありません。

しかし、1000円の会社が株式を2分割してしまいました。そうなるとうまくいきません。1000円で2分割すると株価は500円になります。
分割での変動を除いた株の売買での変動が無いとすると、先ほどまで同様に4社の単純平均を取ると(100+300+600+500)÷4=375円。指数が375円まで下がってしまいます。取引での株価の変動が無いのに指数が大きく動くのは問題です。
これを調整するのが除数です。
『(100+300+600+500)÷除数=500円』となるような数字を除数にします。これは計算して求めると除数=3です。除数を4⇒3と変更するのです。そうすることで、株価の連動性が保たれます。

除数の調整は銘柄入れ替えの時にも発生します。
10ドルの株価の会社が抜けて、100ドルの株価の会社が組み入れられたら、それだけで構成銘柄の株価の単純合計は上がってしまいます。除数が同じままだと銘柄入れ替えだけで指数が動いてしまいます。それを防ぐために除数を調整します。
この2009年6月の【In:Cisco、Travelers / Out:GM、Citi】という銘柄入れ替えによって、ダウ工業株30種平均株価の除数は0.125552709⇒0.132319125と変化しました。
この0.132319125が現在のダウ工業株30種平均株価の除数です。



こう書いてみると、会社の業績には変化がないのに、株式分割したとたんに指数への影響度がダウンしてみたりするなんて、面白い指数です。



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