オリンパスの粉飾決算問題。最初に報じたのはFACTAでした。(該当記事)

ここにアクティブ運用の可能性が示唆されています。

FACTAはオリンパス問題に徹底して突っ込むことで、以下のような事実を2011年8月時点で突き止めていました。
「本誌が調べたところでは、オリンパスと関係の深い経営コンサルタント会社が05年ごろに休眠会社を業態転換させて活動を再開させたり、新規に立ち上げたりして、08年にオリンパスに売却したもの。」
「3社の株式を買い増して子会社化するにあたり、どこの誰から株を買い取ったのかも含めて、意思決定の場で吟味した痕跡はない」
「オリンパスのM&Aでは、GCは仲介役であるとともに、ベンチャー企業の売り主であり、「ITXの別動隊」でもあり、一社で何役も務めているようだ。オリンパスがITXに出資を本格化させたころにITXの社長だった横尾昭信(現JALUX社長)とGCの横尾は、実の兄弟であるうえ、現在オリンパスの傘下には、GCの横尾が代表を務め、かつてはITXが子会社としていたラプランタ(野菜の人工栽培、長野県岡谷市)のようなベンチャー企業もある。オリンパスとGCにITXまで絡んで、資本関係と人間関係が複雑に入り組んでいるのだ。」


FACTAはメディアということですからこれを報じたのですが、彼らが投資集団だったらどうでしょう?
徹底的に調査して問題企業だということが分かれば、売りのポジションを大きく取ります。そして、この問題が自然に大きくなるのを待ってもいいですし、ならなそうなら独自の調査結果を公開質問などで公表してもいいはずです。それが呼び水となって株価が大きく暴落し、利益を得る。こんな運用はできそうです。

何度も私のブログで登場している『世紀の空売り』の主人公の1人であるマイケル・バーリ氏などもこれに通じる運用です。

FACTAは元オリンパス関係者などへの独自のインタビューなども行ったのでしょう。バーリ氏も金融機関等へ独自の調査をかけています。
普通のアナリストなどは決算報告書や会社幹部への表層的なインタビュー程度の浅いレベルの分析ですが、より深く調査を進めることで市場に浸透していない情報にアクセスできる可能性を示しています。

私は基本的には市場は非常に効率的だというスタンスです。
しかし、このレベルまで突っ込めば非効率な点を見つけられるのでないかと思っています。市場の非効率性を見つけるならオープンな株式市場や債券市場の外でやりたいと思っていますが、株式市場でやるならばこういう突っ込んだ運用をやりたいですね。
ただのインサイダー情報と言うこともありえますが、このレベルの突っ込んだアクティブ運用には可能性を感じます。