最大損失は2σで十分か? (その1)
最大損失は2σで十分か? (その2)

前2回でポートフォリオ(アセット)のリスクは正規分布のだとおかしいのでは? という話を書きました。
そして、その議論の前提としてリターンが正規分布に従うことを真としていました。


でも・・・ちょっと待った!!
正規分布という前提、本当にそれでいいのか?


詳しくは以下にすばらしい解説があるので、こちらを読んでいただきたいのですが、少し解説してみます。
極値理論による資産価格変動のテールリスク分析

市場リターンの分析 (2005/9/4)』(4番目の内容)

(TOPIXについて)
ここで考えた月次リターンの最大値は
25.86%、最小値は-21.69%です。最大のZ値は4.283、最小のZ値は-3.845になります。

 正規分布を仮定して最大値のZ値より大きな値、最小値のZ値より小さな値になる確率を求めると、それぞれ9.22/100000、6.04/100000となりますが、これはそれぞれ約9,000年に一度、1,400年に一度起こる現象ということになります。
実際には、675/12=56.25年の期間ですから、「正規分布から考えると稀に起こるはずの極端なこと」がいかに「頻繁に」起こっているかがわかると思います。
(『市場リターンの分析 (2005/9/4)』から引用)


また、TOPIXの日次変動についてみると最大変動幅は4100000000000000年に一度に起こる確率の事象とのことです。
##宇宙誕生より長い期間に一度という、とてつもな
##く低い確率です


いずれにしても、このような低い確率の事象が頻繁に発生しているというのはあまりにも不自然すぎます。これは正規分布という仮定が間違っているのです。

このことは「投資において極端な値動きは、正規分布より遥かに高い確率で発生する」というファットテールということで知られています。
##私がこれを知ったのは1年ほど前と最近ですが^^;



つまり、正規分布でほとんど発生しないと弾いてしまった±2σ(±3σ)の外にある事象(変動)が予想より遥かに高い確率で発生するのです。

これの意味するところは、リターンやリスクを考えて正規分布±2σ(3σ)でリスク測定してしまった真面目な投資家が、実はリスクを過小評価してしまうという本末転倒な結果を導いてしまうということです。


リスクの過小評価に注意です!!


いずれにしても「ほぼ正規分布と考えられる」「よほどのことが無い限り元本は安全」「まず大丈夫です」等とろくに根拠が示されない主張は、そのまま信じてはいけないということでしょう。



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