前回のエントリーの続きです。


【疑問2: 使用データが信用できない】
一部のアセットにおいてサンプル数が少なすぎです。
「Rule of Three」という言葉があるように30年間の投資で発生する事象を95%の信頼度で検出するためには約3倍の90年のデータが必要です。(20年なら60年分)
しかし、リスクを計算する元になっているデータはアメリカ株式を除いては非常に短いものが多い。
そうするとそもそものサンプルデータが不足しており、20年や30年といった長期での投資において起こりうる事象を見落としている可能性が高い。
つまり、正規分布が正しかったとして、95%有意水準で計算しても、元データがデタラメ(信頼できない)ならば、そこで導き出した答えは信用できない。
##10人に薬を飲ませて死亡者が出なかったからといって
##安全とは言えない。死亡率1%の薬であれば、10人で
##はたまたま副作用が出ない可能性が高い。




全くリスクを計算していない投資は考えモノです。
この場合は、大きな損失が出た時に急にアタフタして狼狽売りをしてしまうかもしれません。
そこで過去のデータからリターンやリスクを計算し、自分の投資がどの程度のリスクを持っているかを考えることはいいことでしょう。

しかし、中途半端に知識をつけてしまった投資も考えモノです。2σが損失の最大値と強く思い込んでしまうと、長期投資においてはむしろ2σ外のことが起きる確率が高いにも関わらず、2σ外の事象が起きた時にあせってしまうかもしれません。「最大損失は20%のはずなのに30%も損してる。何で??」なんて異常値になった時にパニックになってしまうかも。


さて、ここまでは「正規分布が正しいと仮定して」話をしてきましたが、次は「投資においてほぼ正規分布と言っていいのか?」をテーマに書いてみます。




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