先の2つのエントリーについて、とおりすがりさんから素晴らしいコメントをいただきました。

とおりすがりさん、
ありがとうございます。

先のエントリー1
先のエントリー2

通常はコメント欄で返事を書かせていただくのですが、長くなりますので本エントリーで書かせていただきます。



↓↓↓では、以下がエントリーの内容になります↓↓↓


コメントへの返信の本題に入る前に、とおりすがりさんに
誤解させてしまった点への説明をさせてもらいます。

>検証期間については、月次や四半期というのは
>間違っています。

イボットソン氏の論文の検証期間について、前回のエントリーで触れておりませんでした。その前のエントリーでブリンソン氏やバンガード社は検証期間を長期に取っていることを示していたので、イボットソン氏の研究でも自明と思い、省略してしまいました。
これは不親切な省略であったと思います。


言いたいのは、5年や10年という長期間のデータを使って月次成績を検証した結果、○○という傾向が見られるという結論に達しているということです。
検証期間が1ヶ月や四半期のみという話をしたわけではないことをご理解ください。

.



さて、以下が本題です。
イボットソン氏の論文中の90%、40%、100%が何に対してかも補足させてください。

【1】Variability across Time = 90%
あるファンドにおける月次リターン差異の90%はアセット・アロケーションで説明がつく
About 90 percent of the variability of the
monthly returns of this fund can be explained by
the variability of the fund's policy benchmark


【2】40% (Variability among Funds)
ファンド間の10年リターンでは40%しかアセット・アロケーションで説明がつかない。残り60%は他要因で決定される
The mutual fund result shows that, because
policy explains only 40 percent of variation of
returns across funds, the remaining 60 percent is
explained by other factors, such as asset-class
timing, style within asset classes, securiy
selection, and fees.


【3】100% (Return Level)
これはファンドマネージャーの巧拙のような話です。
コストを考慮せずにファンドをベンチマークと比較すると期待されるリターンはベンチマークと同じ(=100%)になる
we would predict that, on average, a little more
than 100 percent of the level of total return
would be the result of policy return. Our results
conirm this prediction.



私が注目したのは【2】のVariability among Fundsです。
少し強引なところもありますが、FundsをIndividualsと置き換えてみます。そうすると…

「投資家間の10年リターンでの差異の40%だけがアセット・アロケーションで説明され、他60%はタイミングやコストなどの他要因に影響される。」となります。



私は40%といい、通りすがりさんは90%といっていますが、私はとおりすがりさんが間違っているとは思いません。

この差は、私(イボットソン氏の40%)という議論には無かった前提が、とおりすがりさんの主張にあるからです。それは「投資信託がインデックスである」です。


ですので、以下の2つの前提条件があってから初めてパフォーマンス差異の多くがアセット・アロケーションで説明がつくという話なのです。

(前提条件1)
 インデックスに連動しているファンドのみで全アセットを 構成されている(全インデックスファンドではない。外れ 値に該当するインデックスファンドを外す)
(前提条件2)
 コスト差異を考慮しない




しかし、このような前提を出さずにいきなり「長期投資においてアセット・アロケーションがその80%以上を決定します。だから銘柄選択に費やす時間があれば、アセット・アロケーションに時間を割きましょう」などと書いてある投資本が多くあります。


投資一般と考えた場合には、コスト差異や運用方針の違いや銘柄/商品という条件は決定されていないので、上に挙げた2つの前提条件は決まっていません。ですのでファンド(投資家)間の長期投資のパフォーマンス差の決定要因と区切るとコスト・売買タイミング・商品選定などが60%程を決定し、残り40%程度がアセット・アロケーションで説明されると
いうイボットソン氏の主張に賛同する意見を書かせていただいています。

つまり、コストを考慮しなければファンドの期待リターンはほぼベンチマークに一致する(100%)といった別の分析には言及しておらず、イボットソン氏のQuestion&Answer2についてのみ言及した主張になります。


以上で、適切な回答になっていますでしょうか?


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