今日はかなりマジです異論、反論、かかってこいやー!!大歓迎です

私はパッシブ運用+低コストファンド+長期投資応援派ですが、今日はあえてパッシブ&低コストファンド&長期投資応援派の方々の多くが主張しているセオリーの1つを斬ってみます。



「長期投資のリターンはアセット・アロケーションがその大部分を決定し、どの銘柄を買うかということはそれ程重要ではない」


上のような主張を聞いたことがありませんか?
場合によっては8割だとか、93%だとか数字が入っていることもあるかと思います。

これは正しいのでしょうか?
こんな研究結果があるのでしょうか?

世間で売られている投資本にも上のような話が載っている本を多数見かけますが、「あるアメリカの研究では」などと書いてあることが多く、ソースを示しているものはまずありません。
論文や本などで他人の研究成果を引用するときはソースを示すのが通常ですが、印税収入を得ている本で引用元を示さないとはなんとインチキくさいことか。
##「あるアメリカの研究」であれば、近所のおばちゃんの
##裁量でもいいわけです





では、上のセオリーは間違っているのでしょうか?
ちょっと調べてみると…以下のような2つの研究成果が見つかりました。

【ブリンソン氏の研究】
1986年にゲーリー・ブリンソンという方がアクティブ運用を採用する91の年金プランを調査しているようです。その結果、以下のような結論に至っています。
「個々の年金プランの四半期毎リターンの差異は、概してその約93.6%をアセット・アロケーションの違いによって説明することができる」


【バンガード社の調査】
また、バンガード社も2003年に5年以上の実績を持つ420のアクティブ運用バランス型ファンドを1962年〜2001年の40年間の期間で調査し、「調査対象ファンドの月次リターン差異の77%が、概してファンドのアセット・アロケーション方針の違いによる」との結論に至っています。


多くの投資本では、これらの研究成果(特にブリンソン氏)を引用して「長期投資のパフォーマンスの大部分はアセット・アロケーションが決定する」というセオリーを築いているようです。


これを見てどう思いますか?
何か変だと思いませんか?



【ここが変だよ その1】
ブリンソン氏の研究は四半期
バンガード社の調査は月次

共に四半期or月次と、1年にも満たない限定された期間におけるアセット・アロケーションの影響度に言及しています。この結果を、インデックスファンドホールド派が主張する数年〜数十年という長期間にそのまま適用できるとはとても思えません。
##こんなことを大学の卒業論文に書こうものなら"F"評価
##を受けそう…

長期投資にも当てはまると言うには追加の分析結果が必要でしょう。

【ここが変だよ その2】
年金プラン、バランスファンド。
ブリンソン氏とバンガード社の研究では数十〜数千銘柄と非常に分散が効いた投資を対象にしています。これでは個別銘柄選定の影響力が落ちるのは明白です。

日本株50%と海外株式50%とすれば、この両者のパフォーマンスはほぼ同一になるのでしょうか?
アセット・アロケーションが大部分を決定するのであれば、これは真なのでしょう。
では、以下の例で検証。

・Aさんは、ライブドアとエンロンに投資
・Bさんは、ソフトバンクとシティに投資
・Cさんは、フジテレビとグーグルに投資

十分考えられる投資先です。
1ヶ月、四半期、長期と保有するとどうなるでしょうか?
アセット・アロケーションがパフォーマンスの大部分を大きく左右するので、ほとんど同じリターンになるのでしょうか?

もちろん、なりません。

アセット・アロケーションがリターンへの影響度を強めるには銘柄の分散性が大きく関ってきます。数十〜数百と数多くの銘柄に分散投資されていると影響度が増すのです。
逆に1社や2社に集中投資した場合は、長い時間が会社の倒産リスクを増大させるなどと、銘柄選択の影響度が非常に高くなります。


【結論】
「長期投資のリターンはアセット・アロケーションがその大部分を決定し、どの銘柄を買うかということはそれ程重要ではない」

今まで述べてきましたが、上の主張は嘘です。
##語弊が無いように言うと根拠が無い

・十分に分散された投資対象で
・1ヶ月や四半期という期間で比較すると

パフォーマンス決定におけるアセット・アロケーションの影響度が強くなる

というのが研究から得られている成果であって、集中投資すれば、1ヶ月であれ、四半期であれ、長期であれアセット・アロケーションの占める割合が高いとは言えません。
また、そもそも引き合いに出している研究成果は限られた期間が対象であって、長期という期間におけるアセット・アローケーションの話ではありません


インデックス派の方々は理論的に語られる方が多くて非常に好感が持てるのだが、この一見ソースがあるかのように語られているセオリーを盲目的に受け入れられているのではないでしょうか?

そうであれば、片手落ちであり非常に残念です。
そうではなく、上に挙げた以外で信頼に足る研究成果があってそれに基づいているのであれば、私が無知であったというだけで幸せです。


今日の内容はマジな内容です。
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@吊られた男


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