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全世界株式インデックスファンドがあります。
日本やアメリカといった先進国,それにインドや中国といった新興国も対象にして世界の多くの国や地域の企業の株式に投資するインデックスファンドです。
 
有名どころだと,VTとして知られるVanguard (バンガード)のバンガード・トータル・ワールド・ストックETF。浮動株調整の時価総額比で先進国・新興国の株式に広く投資します。
 
日本でもインデックスファンドが登場していて、楽天・全世界株式インデックス・ファンドeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)SBI全世界株式インデックスファンドなどがあります。
 
ファンドによって連動を目指す指数はMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスと違いがありますが,どちらも浮動株調整の時価総額型で基本的には同じです。
 
全世界株式というとこの手のファンドが人気ですが,個人的にはGDP比率を取り入れているファンドの方が好きです。
 
具体的には<購入・換金手数料なし>ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)
このファンドは,全世界株式を「日本」「先進国」「新興国」と3つの地域に区分して,これらの地域の比率をGDP比率にしています。その結果,通常の全世界株式インデックスとは配分がだいぶ異なります。
 
2020年5月末,6月末のデータとのことですが、ニッセイのサイトにこのファドが登場した際の特集記事があり,そこに通常の全世界株式インデックスとの配分の違いを示す図があったので,ご紹介。
 
組み入れ比率の違い
ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)の特集
 
 
日本株は7% vs. 6%とほぼ同じですが,先進国/新興国の比率が大きく違います。
通常の全世界株式は,先進国株式が全体の81%で新興国は12%と,大部分が先進国株式です。
一方,GDP比率のニッセイでは先進国は54%で新興国は40%とかなり拮抗しています。
 
 

分散の観点からはGDP比率を推したい

このように先進国に比重の大きい通常の全世界株式インデックスと,新興国の比率が40%もあるGDP比率ですが,私は分散を重視してGDP比率を推したい。
 
先進国株式の中をもう少し細かく解説すると,先進国株式インデックスははMSCIの場合,日本を除くと22か国です。つまり,この81%は22か国で構成されています。その中をもう少し詳しく見ると、アメリカが7割ほどになり,残り21か国が3割程度と,ほとんどがアメリカです。
 
その結果、通常の全世界株式インデックスでは,全体の過半数である55%程度がアメリカとなっています。
 
全世界株式上位10か国

※参考:eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の2021年2月の運用報告書
 
昨今の個人投資家ではインデックス投資をする人の中でも,アメリカが良い投資先と思う人も多く,アメリカ株のインデックスファンドにのみ投資する人もいます。そのようにアメリカが有望だと思う人は,このように全世界に分散するとは言ってもアメリカの比重が大きいファンドが適切かもしれません。
 
しかし,どの銘柄やどの地域が有望かが分からないというやや分散投資の原理主義的な考えに寄ってみると,アメリカ1国のみに半分以上というのは偏りすぎに見えてきます。
 
どの銘柄や国が有望かはよくわからないから分散投資しているという私としては,アメリカ1国への依存が低いGDP比率の方が分散具合という意味で好みです。
 
 
全世界株式インデックスに投資するとして、「アメリカが有望」「浮動株調整時価総額が投資の王道」という方は通常の時価総額型の全世界株式インデックスファンドでよさそうです。
一方,「あまり偏りたくない」という方はGDP比率の全世界株式インデックスファンドにするのもありでしょう。
 
 
※私のつみたてNISAの積み立てファンドは<購入・換金手数料なし>ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)に変更済みです。
※参考:「時価総額比率」に基づくインデックスファンドを「GDP比率」的に組み合わせる? (カン・チュンドのインデックス投資のゴマはこう開け!)


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