Denmark_Flag

日本の年金制度への批判は強い。
  • 支給開始年齢を65歳から引き上げるな
  • 支給水準を引き下げるな
  • 保険料を上げるな
  • 積立金の運用でリスクを取るな
  • 年金だけで暮らせなくて別途2000万円必要なんてとんでもない
  • 等々
 
 
先日紹介したマーサーの年金ランキングで2012-2017年と6年連続1位,2018年/2019年は最高ランクのAランクながら2位となっているのがデンマークです。つまりほぼ世界一素晴らしい年金という評価を受けています。そんなデンマークはどうなっているのか?
  • 世帯構成や所得に応じて変わるが,年金支給額は十分生活できるだけ支払われる
  • 支給開始年齢 67歳 (2022年から。現在は65歳だが引き上げが決まっている)
  • 財源は税金
  • 消費税25%(軽減税率無し)
  • 所得税は最高税率52.05%。 (年収500万で約40%とかなりフラット)
  • 法人税は22%。25%(2007年) → 24.5%(2014年) → 23.5% (2015年) → 22% (2016年) と順次引き下げ中
  • 自動車税180%
 

どうでしょう。
年金の財源の対案として大企業からもっと徴収して法人税を引き上げるとか,消費税を8%/10%に引き上げるのはとんでもないであるとか,支給開始年齢を引き上げるのはとんでもない…といった意見を日本で聞きます。

その一方で,評価が高い年金を持つデンマークでは,法人税は引き下げて,消費税は軽減税率無しの25%で,支給開始は67歳から…と日本で言われているようなことの逆の現象がいくつも起きています。
  
もちろん,税金の使い道は年金だけではありませんし,地方議員の給与事情なども違うので,上の要素のみをもって単純に日本とデンマークが真逆と言えるわけではありませんが,反射的に自分が損するものに反対するのではなく,この手の話を少し勉強してみるのもいいと思います。


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