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インデックス投資(長期分散投資)の世界において,「外国債券アセットへの投資必要か」という話はしばしば 一部マニアの間で 盛り上がります。 (インデックス投資は暇だからこういうたわいもないこと話すくらいしかやることない)

これについて私の見解を書いてみたいのですが,「私にとって」という話と「世間一般の投資家に対して」でちょっと考えが違うので,2回に分けて書きます。

今回は「私にとって」。


結論から言うと,インデックス投資の中で,外国債券どころか国内債券を含めた債券アセットそのものが不要です。

この後話を進めていく前に,債券アセットを組み込むべきと考えられる理由を挙げておくと「リスクを下げるため」ではないでしょうか。債券は一般的に日々の値動きが株式より小さく,さらに値動きが株式と一致しないので分散効果も得られるというのがリスクを下げられると考える理由です。


■債券が不要な理由1:そもそもリスク許容度が一般より高い人である

リスクを何故下げる必要があるのかというと,そのマイナス方向のリスクが実現すると困る(耐えられない)からです。
虎の子の1000万円が500万円になったら耐えられないという人は,相当の確率で資産が半分以下になるような投資をしてはいけません。

では私がどうかというと,その手のリスクへの耐性は強そうです。
これは,個人の性格的なものもあります。また,就業リスクであったり,家族構成であったり、配偶者の稼ぎであったり,生活環境の変化に強かったり,と個々人の属性によります。
それらを総合すると私はリスク耐性が一般よりは強そうです。


■債券が不要な理由2:投資額を減らせばよいと考える


ここは考え方だと思うのですが,わざわざリスク資産に投資して,その中でリスクの低いものに投資するのであれば,最初から投資額を減らしておけばいいのではないでしょうか。
株式100万+債券100万の合計200万円を投資するのではなく,投資額を140万円に減らして株式140万円にするといったのはどうでしょう。
株式と債券に分散投資すればリスクは下がりますが,当然期待リターンも下がります。それならば,株式100%で投資額を下げるということでリスクを下げても似たような効果が得られるはずです。
(どちらの方がリスク当たりのリターンが高くなるかは,リスクプレミアムをいくらに設定するかといった鉛筆なめの世界なので割愛)

正直,債券はよくわかりません。インデックス見ても中身がよくわかりません。株式の情報は日々ニュースでも報じられますが,債券価格の話はよく分かりません。
わざわざ管理するアセットクラスを増やしても得られる効果があまりないかもしれないとなると,管理の手間もあるので株式100%でいいと考えています。

国内債券についても,ネットバンクの定期預金1年を繰り返していくことである程度代替できるような感じなので,わざわざ投資する必要性は感じません。

ズボラ投資を標榜する私ですからこんな手抜きでいいのです。


■債券不要の理由3:実は大きな危機では債券の方がリスクが高くなるかも


債券に投資するのはリスクを下げるためということでしたが,本当のところ怪しんでいます。確かにリスク=標準偏差として長期間のデータを取って計算すると債券の方が標準偏差は小さくなりますが,長期での資産運用を目的とする個人投資家として重要なのは普段の標準偏差の小ささではないでしょう。

個人投資家がリスクを下げたい理由は,大きな損をしないためではないでしょうか?仮に「日々の値動きは1日5%のように大きく動いても,長期的には-30%には絶対達しない」といった商品があったらほしいですよね?

そう考えると,日々の値動きはそこそこあってもいいけど,大きな危機の時に踏ん張ってくれるアセットが重要だと思うのですが,債券は少し頼りない。

以前にも現金や債券は株式より危険かもしれない債券と株式、いざという大ピンチの時に資産を守れるのは株式なのかとして書きましたが,過去には世界的に大きな危機が起きた時には債券の方が株式より大きくやられているという事例があります。

確かに,しばらくたてば元に戻るようなクラッシュの場合には債券の方が値動きが小さいことが多いようですが,長期投資で当面放置しておけばいい資金については,数年間で回復するような経済危機程度はあまり気にしません(←ここで含み損でも長期放置できるのは私のリスク許容度による)。
私が債券に投資するなら期待したいのは,「これはヤバい!!」という危機で下支えしてくれるかです。
しかし,債券インデックスは基本的に圧倒的に国債への投資であり,世界的な危機の場合,国債は一気にやらることがあります。
一方,株式もやられますが,世界的な経済活動が停止しない限りは多少時間がかかっても復活しそうです。過去の大きな危機ではそのような効果が働いたのか株式の方が債券よりも損失が少なかったようです。


■債券が不要な理由4:というおまけは「債券バブル?」

これは理由というよりもおまけです。

1900年からの超長期チャートを見ると面白いのは,株式は基本的に傾向が変わりません。多少上下しながら右肩上がりです。
一方,債券は面白い動きをしています。80年くらいはリターンが0からマイナスで推移していたのですが,ここ30年程で一気に急上昇しています。
これが,パラダイムシフトなのか長きにわたる債券バブルなのかはわかりませんが,注目したい点です。
どちらなのかは分かりませんが,最近の債券への分散投資の有効性を示すデータでは直近10年や20年といった,この好調になってからのデータが使われていることも多いので,私はバブルの可能性も考えて少し割り引いて考えています。


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