tokyo_midtown

縁あって日興アセットマネジメント開催のETF投資懇親会へ参加してきました。

2013年にも同じく日興AMのブロガー向けETF勉強会に参加しました (主催東証)と書いたように,似たようなミーティングに参加させていただいていますが,普段は行かない六本木の東京ミッドタウンというおしゃれな場所でしたので緊張しました。

今回の懇談会の実質的なテーマは「ETFがどうやったらもっと個人投資家に広まって買ってくれるようになるか?」といったものでした。

現状のETFは個人投資家の保有が少ない

ETFの資産総額は22兆円ほどまで増えてきたが,機関投資家による保有が大部分で,個人の保有額は少なくなっており,ここを増やしていきたいとのことです。
また,東証の方も参加されており,東証でもETF保有者を増やすことを具体的な数字を掲げて目標にしているとのことでした。
●参考:東証の第二次中期経営計画(2016年度 - 2018年度)
tosho_2016-2018_etf

東証でも最近作られた東証マネ部という資産形成情報提供サイトの中でETFについての情報提供を行うなど,様々な施策を考えられているようです。
 ※その一貫として,私が登場させていただいたのが投資ブロガー3人が推薦!オススメの投資先という記事

意見交換の中身

ETF普及がまだこれからという上記のような点を踏まえて,どうしたら個人投資家に響いていくかということで主に意見交換を行いました。

まず,対投資信託で見た時のコスト面(信託報酬の低さ)での優位性が失われつつあるということで,ここを訴求していくのは厳しいのではないかというのは参加したメンバー間でほぼ共通意見だったでしょうか。

他には,多様な意見がありました。ぱっと思い出せるのは以下のような声ですが,ここらは人それぞれだったという感じです。
    • ETFの本数が多すぎて選ぶのが嫌になるから,これを買っておけばOKのような簡単なものがほしい
    • 為替ヘッジやスマートベータのようなものがあれば
    • ロボアドバイザーのように投資サポートがあれば
    • トラッキングエラーが小さいなどを公開して質で勝負はどうだろう
    • 投資信託のように金額で買えるようにならないか(特に分配金再投資)
ブロガーなどということもあってかややマニアックな人が多かったのですが,マニアックな視点もあれば,フレッシュな視点もありで良かったのではないでしょうか。

私としては,まずは長期保有にこだわらずに,ETFを使ってもらうことに重きをおいて短中期トレードの道具としてETFを使ってもらう投資方法を広めていくのはどうかという提案をさせてもらいました。
「今年来年はインドが良さそうと思ったらインド株ETFを買って,ある程度の期間保有したら売却」のような取引です。
長期的にずっとではなくても,一定期間保有してくれればまずは資産残高は増えていきます。また,短期取引でETFを使う人が入ってくることで流動性も増します。ETFが個別銘柄のように普通に売買されるようになって有名になってくれば,それを長期保有しましょうという話もしやすくなるのではないかと思うのです。
「ETFって何?それ聞いたこと無い」の人にETFの説明をしつつ長期投資も説明して理解してもらうのはかなり難しい。

その他にいろいろな雑学も

他にも意見交換の中では,日興アセットマネジメント側及び東証側からも興味深い雑学(?)も聞かせていただきました。
    • 日本におけるETFの歴史
    • ETFを設定する時の最近の障害
    • ETFのマーケットメイク制度について
    • パッシブ運用における株主議決権行使の是非とそのコスト

個人への普及に向けていろいろ考えているようです

今回集まった10人程度の声が日本の一般を正しく反映しているのかは怪しいですが,運用会社や証券取引所がそのような声を拾いに来ているというのは非常に興味深い話です。
世間の声を聞く手段としてよくあるのは投資家全体へ向けてアンケートのような方法ですが,これだと深い話はできないので,何とかこういう機会をうまく活用して潜在的なニーズの正しい掘り起こしなどができてくれるといいですね。


■他の参加者の方のレポート



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