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8月19日にNISAに従来の「年間拠出120万円で,最大5年間非課税」に加えて「年間拠出60万円で最大20年間非課税」枠が登場?で取り上げたように,年間拠出限度額60万円で非課税運用期間が20年という新しいNISAの要望が金融庁から出されるという話がありました。

そんな中,8月31日に金融庁の平成29年度税制改正要望についてとして,このNISAを含めた金融庁からの要望が公開されていました。 (※説明用のPDFファイル)

NISAは60万円/20年,制度の恒久化に加えて…

先日のブログの中でも触れましたが,制度の恒久化も要望に入れられるようです。将来的な資産形成を支援するという目標を考えると,限度額60万円+非課税運用期間20年+制度恒久化は良い方向性でしょう。

そんな中,気になる記述が2点ほどありました。
    • 投資対象商品が「長期の積立・分散投資に適した一定の投資商品(例:バランス型ファンド、非毎月分配型ファンド等)」
    • 投資方法が「あらかじめ締結した契約に基づき定期・定額で投資(積立)を行うものに限定」
バイ&ホールドのインデックス投資家にはあまり影響はないかもしれませんが,分散&積立が共用されるのは嫌がる投資家も多そうです。

金融所得課税の一体化(金融商品に係る損益通算範囲の拡大)

農水省と経産省が共同して要望しているようです。
以前から要望されていた金融課税の一体化です。投資家のポジショントークとしては歓迎する人多いのではないでしょうか。
投資家が多様な金融商品に投資しやすい環境を整備し、証券・金融、商品を一括して取り扱う総合取引所の実現にも資する観点から、金融商品に係る損益通算範囲をデリバティブ取引・預貯金等にまで拡大すること。


企業年金等の積立金に対する特別法人税の撤廃

これはあまり報じられていませんが,インパクトが大きい。厚労省が主担当で,財務省ほか4省庁の共同要望とのことです。
暫定的に凍結が繰り返されてきましたが,毎年,積立金に対して1.173%の税金がかかるというのはかなりのマイナスです。利益に対してではなく,積立金総額に対してかかるのですから損していてもかかる税金です。
撤廃しろと言われ続けてきましたが,ここらですっきりとさせてはどうでしょう。


金融庁の平成29年度税制改正要望は注目です。



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