network communicationマネー関係に限らないのですが、投資ブログということもあるのでマネー関係の例で話を進めます。

投資ブログ(特にコツコツ系)となると、家計の収支がプラスという人が圧倒的に多い。また、それは必ずしも稼ぎが多いというわけではなく支出を減らすことで収支をプラスにしている人も結構います。非常に立派です。

そういうブログ等だと、計画的に十分なお金を貯めていなかった事例などに対して以下のような言葉が寄せられることがあります。

「ちゃんと支出をコントロールしてお金を残しておかないからダメなんだ。」

本当にそうでしょうか。


自分の常識≠世間の常識

自身がちゃんとしていたり優秀なのはいいことです。立派です。
しかし、だからと言って他人までそうあるべきだとするのは、飛躍があります。
「自分達はちゃんと支出をコントロールして投資資金を確保できている。他の人だってそれくらいできるべきだ。」とはなりません。


「自分は年収1000万円以上稼いでいる。金が無いという人は稼げばいいんだ。」
「自分はブラックじゃない企業に就職できている。ブラック企業が嫌なんて奴もこういう会社に就職すればいい」
「自分はちゃんと体重をコントロールできている。ダイエットがうまくいかないなんて言うのは怠慢だ。」
「いい大学行きたければ自分で勉強すればいいんだよ。塾なんて必要ない。」
「英語なんて話せばいいじゃん。英語を話せないなんて言うのは怠慢だ。」
「プレゼンなんて準備する必要ないじゃん。アドリブで話せばいいんだよ。簡単だろ。」
「俺は100mを9.5秒台で走った。100mで優勝したければこのタイムで走ればいいのに。」

自分ができていることを当たり前と考えると、こういう話になってしまいます。しかし、自分ができているそれはできて当たり前のことでしょうか?

金融広報中央委員会の2014年のデータによれば貯蓄が無い世帯が3割(二人以上の世帯)という数字も出ています。単身世帯では38.9%と4割近い数字です。

3割~4割の世帯は貯蓄無しです。また、貯蓄がわずかな層も加えると、2人以上の世帯の金融資産保有額は中央値で30代は200万円、40代は225万円というように現役バリバリ(古い?)世代でも200万円あれば全体の真ん中レベルです。

単身世帯になると、30代/40代共に中央値が100万円ですから、100万円持っていれば全体の真ん中です。(なお、20代の中央値は10万円)

こう考えてみると「ちゃんと貯蓄できる」ということは当たり前のことではないと思えませんか。3割から4割近い人は貯蓄ができておらず、100万円あれば単身世帯の中ではまずまずの水準です。

今回は投資のことなので詳しくは触れませんが、「時間・期限はきっちり守る」「嘘はつかない」と言ったことなども当然守ってほしいこととされていますが、実はこれを完璧に守っている人というのもそう多くありません。
貯蓄も当たり前であってほしいと思われていながらも、できていないというのが実情です。貯蓄できているというのは立派なことです。

人間は非常に不完全な存在です。
どう考えても目先の欲望や感情に流されているだけの行動を我慢できないことがあります。しかし、それはその人が弱いとか欠陥人間だというだけではなく、そもそも人間がそういう不完全な存在ということも考慮していいのではないでしょうか。

「できて当然」という前に、本当にそれは誰でもできるような簡単なことなのかは考えてみた方がいいと思います。

一般向けの制度は無知な人がいる前提であるべしでも同じようなコンセプトで書きましたが、人間は不完全で、「そんなことできて当然じゃないの?」ということができていない人が多いのです。社会はそういう人たちがいる(書くいう私も特定分野においてはできていない側の人間)という前提で仕組みを作っていかないといけないでしょう。


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