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先日、三菱UFJ投信 eMAXISの「第7回ブロガーミーティング」に参加してきました。

内容としては、以下の資料の1〜3番に書かれた内容の説明があり、その後にブロガーたちからの質問/コメントという流れでした。
 ※第7回 ブロガーミーティング資料
  1. eMAXISの近況について
  2. eMAXISプラスのご紹介
  3. eMAXISプラス コモディティインデックスのご紹介
  4. ブロガーからの質問

概要については資料を読んでもらうと分かりますが、以下は私の思った点です。

eMAXISの販売会社がいつもの間にやら36社に増えている

元々はSBI証券楽天証券カブドットコム証券の3社で始まったeMAXISの取り扱いですが、いつの間にやら横浜銀行千葉銀行なども含めた多くの地銀やらが取り扱うようになっており36社に増えていました。

eMAXISプラスという新ブランドはよく練られたいいブランド戦略

新しく加えるコモディティインデックスファンドをeMAXISの中に含めるか/含めないか、またeMAXISプラスの以下の謳い文句をどうするかは社内でも色々議論があったそうです。
「MAXISプラスとは「資産運用のステップアップ・ツール」
組み合わせることでその魅力の発揮が期待されるラインアップ資産形成の次のステップとしてスパイスを効かせてみませんか
結果として今のような形になったようですが、良い結論だと思います。
長期運用に必要なベーシックではなく"スパイス"とすることで、従来のeMAXISのコンセプトも維持したまま別ニーズに答える商品形態になっているでしょう。"スパイス"はいい言葉のチョイスです。
ただ、気になるのは「ステップアップ」という言葉で、これだと「利用しないとレベルが低い」かのような印象を与えかねず少しマイナスでしょうか。

コモディティファンドはラップ口座で大人気。ラップの外では…

資料の17ページ目にあった以下のグラフが面白い。コモディティファンド全体は右肩上がりだが、実は公募投信は急激に減っていてラップ専用ファンドがそれを上回る勢いで急激に増えています。コモディティファンドのニーズはラップ口座に多いようです。
コモディティファンド推移


ラップ口座が伸びているという報道もあるが、eMAXISも例外ではない

コモディティファンドがラップ口座で伸びているという話も書きました。また、ラップ口座の残高がどんどん増えているという報道もあり、ラップ口座は今の投信界の一つの大きなトレンドになっています。
これはeMAXISも例外ではないようです。資料の4-5ページに主なファンドの基準価額及び口数のグラフが記載されていましたが、ミーティング前に見ていて目に止まったのが国内債券のグラフ。
eMAXIS国内債券_口数
2013年後半からの口数の増減にわかりやすい特徴があります。断崖絶壁の崖のように資産が増えること4回、同様に崖のように資産が出ること1回。
「なんでだろう?」と考えていましたが、これに答えてくれるのがラップ口座。
各金融機関でもeMAXISを取り扱うようになり、ラップ口座でポートフォリオを組む際に国内債券が入ってきて一気に採用されるということで合点がいきました。(あとで三菱UFJ投信の方にも確認しましたが、やはりラップの影響とのことです)
eMAXISブランド全体がどれほどラップ口座で持たれているかはわかりませんが、少なくともeMAXIS国内債券インデックスについては、ラップの影響はかなり大きそうです。

eMAXISプラス コモディティインデックスは良いファンドだと思う

eMAXISプラス コモディティインデックスの特徴は以下のとおり。
    • ブルームバーグ商品指数トータルリターンに連動を目指す
    • 具体的にはiShares Diversified Commodity Swap UCITS ETFに投資する (信託報酬0.45%)
    • 総信託報酬は税込みで0.882% (ファンドの0.432% + 投資対象の0.45%)
コモディティに広く投資する低コストファンドとしては税込みで信託報酬0.702%のDIAMコモディティパッシブ・ファンドがありますが、こちらは連動を目指す指数がS&P GSCI商品指数と別物になっていますので、ブルームバーグ商品指数トータルリターンの配分の方が好きだという人にはいいのではないでしょうか。

eMAXISプラス コモディティインデックスは顧客を選ぶ

eMAXISシリーズのミーティングということで、第6回までと同じようなカテゴリーのブロガーに声をかけられたと思いますが、コモディティインデックスに投資ししたいという人はほとんどおらず、結構辛口の評価でした。
しかし、これは商品のターゲットと参加者が一致していなかったという話でこの商品が良くないという話ではないでしょう。
世界的にもコモディティの投資市場は拡大していますし、個人でもコモディティに投資したいという声は聞きます。そこにニーズはあります。そんな人達にとってより良いコモディティ投資環境を提供できるというのはいいことでしょう。(私はまず投資しませんが)

コモディティと物価の関連グラフはアカン

コモディティと物価の連動性を示すために資料の15ページに以下の様なグラフがありましたが、これはアカンやつです。
ブロガーからの「なんでエネルギー抜いたコアCPI?」とツッコまれて「これは営業よりの資料…」と少し気恥ずかしそうに回答されていましたが、グラフの目盛りもコモディティと物価で揃っておらず、一番当てはまりが良い指数の組み合わせと目盛りの位置などを使ったな……というグラフになっています。
comodity_cpi
営業として物価との関係はうまく使いたいのは分かりますが、その意図があまりにも露骨に透けて見えるのはちょっとよろしくない。

以下は興味深かったやりとり

●質問:コモディティの期待リターンはどれほどを想定しているのか?
●回答:特に期待リターンは想定していない
 期待リターン・リスク・相関を考慮してポートフォリオ全体のリターンやリスクを計算するといった立場からは期待リターンは気になる要素です。これについては想定しているリターンはないと肩すかしな回答でした。
しかし、これはある意味正しい姿なのかもしれません。三菱UFJ投信は運用会社であり販売会社ではありません。その商品をインデックスに連動させることが仕事であって「期待リターンは■%」という立場ではないという気もします。そういうことを考えるのは販売側の金融機関やIFAたちのお仕事であり、運用会社が「当社の商品の期待リターンは■%」と宣言することはちょっとお門違いな気もします。

●質問:eMAXISは窓口で買えるのか?
●回答:原則はネット。お客様が窓口に来てどうしても…という場合には対応しているところもあるらしい。
 初期のミーティングでeMAXISのeが電子という意味で、原則としてインターネット販売でないと卸さないという話を聞きました。今でもその原則が守られているようですが、金融機関によっては顧客が直接窓口に来て「eMAXISを売れ」と迫った場合には何らかの対応をして販売しているところもあるようです。(具体的にはどうやっているのかはわかりませんが、SBIマネープラザのように即日口座開設→販売という対応をしているのかもしれません)



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