NISA 少額投資非課税制度速報値ですが、金融庁が2014年末時点のNISA(少額投資非課税制度)の投資総額及び口座数を発表しました。NISA口座開設数は824万口座購入総額は2兆9797億円とのことです。

ただし、一部未報告の金融機関があったり、年末時点で廃止済みの口座は集計から除外されているということですので、実際の金額は3兆円を超えているかもしれません。

また、日本証券業協会によると口座の稼働率は45.1%とのことです。

そんなNISAの利用状況の評価ですが、、あまり利用されていないといった悲観的な論調が主流です。

制度開始1年間で口座を開設した人の数が800万人を超えたものの、投資をしていない人が半数近いとみられる。今後は利用促進策が課題になりそうだ。

日証協によると、NISAで開設した口座のうち、実際に株式や投資信託などを買った割合は昨年末時点で45.1%。スタートから1年の節目で口座の稼働率は半分に届かず、過半数の約55%が休眠口座になった計算だ。


しかし、そんなに悪い数字でしょうか。私の見方はちょっと違います。

銀行などの稼働率も日本証券業協会の数字と同じ数字だとすると、824万口座の45.1%は372万口座です。稼働口座だけでも372万口座になります。
同時期の確定拠出年金を見ると、企業型確定拠年金で506.4万人、個人型確定拠出年金に至っては206,358名に過ぎません。
制度の違いや申し込みの手間など差があるので単純には比較できませんが、自発的に申し込める個人型確定拠出年金が20万人ちょっとということを考えると370万口座も稼働しているというのは非常に大きな数字にも見えます。

また、NISA全体での購入額は2兆9797億円ですので、372万口座が稼働講座数とすれば、稼働口座における1口座当たりの平均購入額は75.2万円です。
1口座あたりの年間投資額の上限が100万円ということを考えると結構高い数字です。


この1年という短い期間を考慮すればNISAは十分広まったと言えるのではないでしょうか。
確かに各社が「NISAだ、NISAだ」と笛を吹いたにもかかわらず踊る人が少なかった・・という想いはあるのかもしれません。しかし、個人型確定拠出年金が20万人という現状を考えると、稼働口座が372万口座は非常に大きい数字に思えて仕方ありません。




【関連コンテンツ】