マッチング拠出制度も解禁になったのに、NISA(少額投資非課税制度)に話題をかっさらわれている確定拠出年金ですが、日経新聞に以下のようなニュースがありました。

確定拠出年金の掛け金、増額しやすく 社員に裁量
政府検討、企業年金改革の柱に

政府は企業年金の一種で、従業員が運用先を選ぶ確定拠出年金の制度を拡充する方針だ。労使で負担する掛け金(保険料)のうち従業員は5割までしか拠出できないルールを見直し、自由に拠出分を引き上げて将来受け取る年金も増やせるようにする。年金を受け取れるまでの期間を短くすることも検討する。少子高齢化で公的年金は将来的に支給額が減る見込み。公的年金に上乗せする企業年金の利用を後押しして、老後の備えを厚くする。

いろいろな争点があるようですが、日経の記事で取り上げられていたのは以下のような項目です。
    • マッチング拠出の従業員拠出が企業拠出と同額までという制限をなくす
    • 掛け金の上限を引き上げる
    • 加入から受給までの10年という期間を短縮する
    • 確定拠出年金(DC)と確定給付年金(DB)を組み合わせたような制度を設ける


なお、記事に「社会保障審議会の企業年金部会を開いて制度改正に着手する」とありましたので、企業年金部会の資料も見てみました。
本日時点では2014年7月25日開催の第7回の資料までが公開されており(議事録は第3回まで)、先の企業年金に新制度検討 会社と社員が運用リスクという記事は、この第7回の会合を受けての報道だったようです。

第7回の資料を見ると、資料2 企業年金部会における検討課題(案)(PDF:179KB)という資料があり、まさにこれが今回の日経新聞の記事の内容で触れられたようなことが書いてあります。


この資料ではあくまで各業界団体からのヒアリングに基づいた意見からの課題案です。書かれていること全てが実現するとは到底考えられませんが、今後の議論の大きな方向性を見るには非常に役立つ資料です。興味があるという変な人はざっと目を通しておくとよいかもしれません。

ちなみに資料中からか代案として描かれていた記述を抜き出すと下記のとおり。(細かい注釈は書いていませんので、詳しくはオリジナルの資料を)
  • 各企業の実情に応じた多様な制度設計を可能とするための、DB・DC制度間のイコールフッティングの確保
  • 企業の組織再編等に対応するための制度間移行に係る手続のあり方やポータビリティの向上等
  • 中小企業が企業年金を実施・継続する際の負担を軽減するための新たな仕組み
  • 労使の継続的な関与・監視を前提とした、DB・DC双方の特長を併せ持つ制度設計のあり方
  • 制度設計の選択肢の多様化を図る場合における労使の関与・監視のあり方及び関係者の役割と責任のあり方
  • 各制度間のポータビリティの拡充や、資産移換時のコスト軽減
  • 企業年金等における個人単位で加入する仕組みの位置付けや個人型DCの適用範囲のあり方
  • DCの運用資産選択について、個々人のニーズ等を踏まえた適切な運用資産選択に資する措置
  • DB・DCの申請諸手続等の簡素化
  • 中退共等の他制度との関連について、制度間の連携強化やポータビリティの向上等を通じた企業年金等を継続しやすい措置
  • マッチング拠出の取扱
  • 公的年金の給付水準を前提とした、老後の所得確保のための制度としての企業年金等の位置付け及びこれに対応した税制のあり方


今回の検討部会は企業年金部会ということなので、あくまで企業型年金の中での企業型確定拠出年金が中心であり、個人型確定拠出年金はやや脇役という扱いのようです。


しかし、連合の主張も取り上げられていますが、労働者であるはずに私の考えとはどうも相容れない…(詳しくは日本労働組合総連合会提出資料)
企業年金制度は、雇用した立場から退職給付を保障する観点からは、DBが基本。中小・零細企業でも取り組めるような制度改善など、事業主の責任を果たせる仕組みとすべき。(連合)
すべての労働者が加入でき、確実な給付を受けられる企業年金制度を確立することが重要。(連合)








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