
前回に引き続いて記録的大雪ネタです。
雪による災害を受けて「雪に対する対策がなっとらん」という声もありますが、「被害があった⇒対策がなっていない」は少し違います。それを短絡的に結び付けるのは「リスクマネジメントが分かっていない」となります。
セコムのサイトに上手く説明したコラムがありましたのでご紹介します。
月曜コラム 安心豆知識 「2013年3月4日 なぜ首都圏は雪に弱いのか?」
私も以前にリスク管理とは、想定できるリスクに様々な対処をすること(2010年12月22日)でも書きましたが、「リスクを敢えて受容する(保有する)」も立派なリスクマネジメントです。
リスクへの対策はリスクを回避するだけではありません。以前書いたように以下の4つがあります。
(1)Avoidance(回避)
(2)Reduction(低減)
(3)Sharing (移転)
(4)Retention(受容)
受容では、そのリスクが顕在化した時には損害を許容するということが含まれています。あえて積極的な対策をとらないことで、たまに受ける大きな損害が継続的な対策コストを下回るなら、あえて損害を受容するというのは合理的判断です。
※今回の積雪に対するリスクアセスメントが妥当だったかという話は今回は言及しません
あまり雪が降らない首都圏では、積極的な降雪対策がされることは多くありません。人々も雪に慣れておらず、雪国では常備が当たり前の「雪かき」(除雪具)を家に置いている家庭もそんなには多くはないでしょう。そのため、雪が降るたびに大騒ぎになりますが、降雪の頻度とその影響を考えると、これはこれで仕方ないと言えるでしょう。
実は首都圏でも考えられている
さて、ここで首都圏のことを考えてみます。実は、首都圏においても降雪というリスクに対する対策、すなわちリスクマネジメントはなされているのです。リスクマネジメントは、最適なコストで、リスクによる損失をできるだけ小さくする対応手法です。首都圏では、降雪というリスクに対し「あえてコストをかけて対策をしない」というリスクマネジメントを行っているのです。
除雪車や融雪装置の準備とその運用には相当なコストが必要です。このコストと、雪が降る頻度そしてその影響を考えると、あえて対策をしない方がより合理的なのです。この考え方を「リスクの保有」と言います。すなわち、首都圏では降雪というリスクに対し「リスクの保有」というリスクマネジメントを行っていると言えるのです。
私も以前にリスク管理とは、想定できるリスクに様々な対処をすること(2010年12月22日)でも書きましたが、「リスクを敢えて受容する(保有する)」も立派なリスクマネジメントです。
リスクへの対策はリスクを回避するだけではありません。以前書いたように以下の4つがあります。
(1)Avoidance(回避)
(2)Reduction(低減)
(3)Sharing (移転)
(4)Retention(受容)
受容では、そのリスクが顕在化した時には損害を許容するということが含まれています。あえて積極的な対策をとらないことで、たまに受ける大きな損害が継続的な対策コストを下回るなら、あえて損害を受容するというのは合理的判断です。
※今回の積雪に対するリスクアセスメントが妥当だったかという話は今回は言及しません
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大雪に限らず、地震リスクもそうですね。
日本だからこそ地震災害が甚大で年がら年中起こる国とほとんど地震が起こらない国では建物の耐震設計は違います。
海外へ行くと耐震設計をしない国があります。
ただ、資産運用の話になってくると人によってはヘッジを考える人は出てきます。
例えば、僕の場合は地震国には基本的には投資しない、幅広く分散投資をするなど、対策は多重ヘッジの考え方です。
KO一社へ投資するにしても実質的には地震リスクを取っています。
ただし、営業拠点が非常に広いので地域分散が効いてリスクの低減が図れます。
それに対して日本の内需企業への投資は見合わせています。
例えば外食産業は大震災が襲ってくると建物の倒壊で営業が全くできない状況にもなり得るからです。
大雪の場合も外食産業はダメージを喰らいましたが頻度が極端に低い為、無視しています。